12.30.2011

Jennings - Fuzz (1969)


 TONE BENDERの「裏歴史」というわけではありませんけれど、関連の深いファズをひとつ掲載してみたいと思います。それがこちらのJENNINGS FUZZです。まずはこの製品が世に出るまでの経緯を検証してみます。

 以前も書きましたが、元々トム・ジェニングスという人が興したJENNINGS MUSIC INDUSTRIESという会社は、言うまでもなく世界的に有名なVOXというアンプ・ブランドを持っていた会社ですが、1964年にその社名/ブランド名を世界中でバラ売りしています。イギリスではそのブランド・ライツはROYSTON GROUPという投資会社が購入しました。それ以降ももちろんイギリスでVOX製品がバンバン発売されていますので、ブランドが消滅したわけではなく、母屋が変わった、というだけの話です。

 しかし、当初ボスだったトム・ジェニングス、それから彼と共同運営していた技師のディック・デニー(VOX AC30の開発者でもあります)、そして、一時期JMI/VOXに入社し共に働いていた技師ゲイリー・ハーストは64年以降はバラバラになります。ゲイリー・ハーストがTONE BENDER(MK1)を開発したのは、彼がフリーランスだった時期の話、というのは以前に書いた通りです。

 ところが1968年、そのトム・ジェニングス氏は旧友ディック・デニーと共に新たにエフェクター会社を興します。JENNINGS ELECTRIC DEVELOPMENTSという会社です。蛇足ですが、たまたまこれと同じ時期に、イタリアのEME(英JMI/VOXとイタリアのEKO等が作った合弁会社)は組織変更があり、二代目社長のエンニオ・ウンチーニ氏は社名をJENに変更しています。JENNINGS ELECTRIC〜社は1973年には早くも会社を畳んでしまっているので極めて短命な会社だったのですが、この会社は1969年にいくつかの新製品を発売しています。そのひとつがこのJENNINGS FUZZです。

 内部写真でもわかるように、とてもシンプルな回路/構造をしたこのファズは、ディック・デニーがデザインしたものです。外見からもすぐわかる構造的な特徴として、このファズはノブが1つで、しかもそれを足でグリグリとまわす、というちょっと珍しいコントロールを持っているのですが、シリコン・トランジスタを2石使ったこのファズの回路は、ディック・デニーが62年頃に開発したVOX T60ベースアンプの入力回路を元にしています。つまり、この回路は1965年のVOX DISTORTION BOOSTERとか、1966年のSOLA SOUND TONE BENDER MK1.5とか、同じ66年のイタリア製VOX TONE BENDERにそっくりな回路、ということになります。

 某所、というか、ハッキリいえばBSMというドイツのエフェクター・ブランドのHPに書いてあるんですが、このJENNINGS FUZZは60年代末に「ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ、デイヴ・エドモンズ、ポール・マッカートニー等が使用した」とあります。ほー、そうなんですか。当方が調べた限りでは、ベックやペイジがこれを使ったと思わしき形跡は全く見つからないのですが、もしかしたらどこかで実際に使ったことがあるのかもしれませんね。ジミー・ペイジはインタビューで「僕のディストーション・サウンドの75%はゲイリー・ハーストが作ったTONE BENDER」というような話を残してるんですが、ペイジの歪みに関してはまた別の機会にまとめたいと思います。

 さてさて、それだけであれば、まだ話は判りやすいんですが、また面倒臭いことにこのファズにもちょっと因縁が絡みます(笑)。まず最初の因縁は、このシンプルな回路の1ノブのファズが、90年代に復刻されたことがある、という話です。
 以前にも書きましたが、現在のMACARI'Sが生前のディック・デニーとタッグを組み、ディック・デニーが「60年代の頭に開発した」というファズ回路を、青いケースに入れてCOLORSOUNDブランドから発売したことがあります。その時の商品名はCOLORSOUND FUZZ BOXというものでした。このファズの回路が、上記したJENNINGS FUZZとほとんど同じモノであることは一見すれば疑う余地もないものですし、同じデザイナーによる開発品ですから何ら問題はありません。

 が、しかし何故か、90年代にこの製品がSOUND CITY JAPANによって製造、販売されたときに、全く違う説明がなされていました。日本語の説明書に「世界で200ケのみの生産」と書かれているこのファズの名前はGARY HURST FUZZ BOXと書かれていました。以下に、その説明書の記載を抜粋してみます。

 「トーンベンダーの生みの親、サウンド・エフェクターのルーツを作った男、それがゲイリー・ハーストです。(中略)そんな彼が1969年に、当時の有名ミュージシャンのために、ごくわずかな量だけハンドメイド生産したのが、今回限定で復刻された『ゲイリー・ハースト/ファズ・ボックス』です。ピンク・フロイド、フー、プリティー・シングス、ヤードバーズの手元に渡ったこの幻のアイテムは……(後略)」

 ハッキリ申せば、上記に書いてあるゲイリー・ハーストの説明とかFUZZ BOXの解説は、どこもかしこも誤解だらけで理解に苦しみます。このファズは現在では廃盤ですが、最近までMACARISのHPにもディック・デニーのくだりを含め、このファズの出所に関しては記載があったのですが、何故か日本発売に際しては全く関係のない文章が記載されてしまっていた、ということになります。そしてその真偽をゲイリー・ハースト本人に聞いてみた所、「全く関係していない」と本人が発言しているのは、このブログをご覧になっている方であれば既にご承知かと思います。

 今も中古とかでこの青いファズを目にする機会は時折あります。で、その商品説明に「ゲイリー・ハーストが……」と書いてあるのを目にします。まあ、しょうがないんですよね。だって説明文にそう書いちゃってあるんですから。店員さんとか購入者はそう思ってしまいますよね。別にここで当方が「真実はこれだあ!」と偉そうに言うつもりは全くありません。知ってる人は知っている、というだけでいいんじゃないかな、と思ってます。

 ちなみに上でBSMというドイツのブランドのことに触れましたが、BSMはトレブル・ブースターばかりをパカパカと発売している、というなにげに恐ろしい(笑)ラインナップを誇るエフェクター・ブランドですが、最近(2009年)このBSMが、JENNINGS FUZZ BOXのクローン・ペダルを発売しています。JENNINGS FUZZ同様ノブは1ケですが、さすがに足ではなく、手で回すようなノブになってますね(笑)。



追記 記事の真ん中あたりにある、90年代の復刻版「FUZZBOX」の写真を入れ替えました。ご覧頂けるように、なんだかちょっとだけ違うルックスのものが並んでいますが、両方とも現在のMACARI'S/COLORSOUNDによる復刻版です。左側に掲載したものが復刻初期のFUZZ BOXで、回路はトランジスタ2ケ、ノブは大きくて黒いものがドカンと設置されているのがお判りいただけると思います。実はこのモデルは現行品としてMACARI'Sのラインナップに今も残っているものですが、右の写真はその現行品です。実は(その変更時期は正確に判らないのですが)今販売されているFUZZ BOXは回路がシリコン3石のものに変更になり、基板もご覧のようにデカいものに変更されています。これはPOWER BOOSTの回路をプチ・モディファイしたものであり、既にオリジナルの面影がない回路、となっていますね。よく見ると、筐体のペイント・デザインもちょっと変更になり、ノブも銀色でシャープなものに変更されていることも判ります。


12.22.2011

Fuzz: the Sound that Revolutionized the World


 今回は、ヨタ話の部類、といいますか、近況報告に近い更新内容になります。つまりダラダラと思いつきで書いているので、予めその旨ご了承下さい。前回の「マカリスの歴史」の項がなかなか面倒くさい内容で、しかもそれを文章にするのはとても疲れる作業だった、ということもちょっと尾を引いてるのかもしれません(笑)。

 えーと、まずこちらに動画を1本貼ります。2009年に発表された FUZZ: THE SOUND THAT REVOLUTIONIZED THE WORLD というドキュメンタリー映画があります。タイトルが示す通り、「ファズとはなんぞや」を検証しまくった、愛すべきバカばかり出てくるおバカな映画です(笑)。あまり一般のメディアでは大きく取り上げられるハズもないマニアックな映画ですが、一応日本でもDVD化されて販売されているので、ご承知の方も多いと思われます。

 この映画は現代を代表するビルダーやミュージシャンが沢山でてきて、「ファズってさあ、〜〜〜だよね」と、おのおのの「ファズ観」を提示するという中身です。ビルダーでいえば、Z.VEXのザッカリー・ベックス師匠、アナログマンのマイク・ピエラ、エレハモのマイク・マシューズじいさん(笑)、それから(SKYPEでの収録だったようですが)イギリスの頑固者デイヴィッド・メイン(D.A.M.)も登場しています。そういうビルダー等が、どんな環境で、どんな風にファズを作り、そして彼らがどんな人物なのか、ってのを知る機会としては、とても面白い映像ですよね。ミュージシャンではスティーヴ・アルビニ(RAPEMAN!)、ジョン・スペンサー、Jマスシス、ピーター・フランプトン、それから一番多くフィーチャーされてるZZトップのビリー・ギボンズ、そんな方々が出てきます。

 で、なんと今YOUTUBEでその映像の本編91分がフルで見られるようになってるんですね(なぜタイトルがビミョーに変更されたかは不明ですが)。しかも公式にアップされたモノなので、後ろめたい気持ちは一切必要なしに楽しめます(笑)。本編のみ、そして当然ですが字幕ナシ、というワケで、よほどのマニアでないと全部見るのは辛いかもしれませんが、いずれにしろ貴重なチャンスというわけで紹介してみました。
 実は当方はこの作品のDVDを持っていません。買うべきだろ、とも思っているんですが。何故かといえば、DVDのほうには特典映像ってのがありまして、「アンジー・ボウイが語るミック・ロンソン」という映像が付いているそうなんですよ。アンジー・ボウイはデヴィッド・ボウイの元奥さんですが、一応自身もアーティスト活動をやってた女性でもあります。果たして何を喋るんでしょうか? 興味はあるんですが、いまいち食指が動かない、という(笑)。



 それから動画をもう1つ。こちらは以前インタビューでも大きく取り上げられていた、TYM GUITARS製のJマスシスのシグニチャー・ファズ FUZZ MUNCHKIN のデモ動画です。Jが所有するラムズヘッドをそのまま直接解析し商品化した、という、BIG MUFFファンにはヨダレもののMUFFクローン・ファズなわけですが、既に入手は困難になっています。せめて音だけでも、と思いまして、貼ってみました。

 以下は完全に余談になりますが、Jマスシス、という人名の読み方に関して、WIKIPEDIAなどでは「マスキス」と表示されています。英語版WIKIにおいても発音記号として「MASS-KISS」と書いてあるように、マスキスと読む人が多いのは事実です。しかし、実際にはこのファズのデモ動画でも発音されてるように「マスシス」「マッシス」と発音する人もそれなりに多いんですよね。J本人は「どっちだっていい」というファジーなスタンスのようでして、あまりこだわるのも意味がないな、日本人がそんなコトで目くじら立てるのも意味ねえな、とか思ったりしてます。それにしてもMASS-KISS=大量接吻? ちょっとカッコ良すぎですよね(笑)。デモ動画では例の「ボリューム・カット・スイッチ」を試してる部分もあるので、このファズの特徴を知るのに丁度いいデモ動画です。

 さらに動画をもう1本。こちらは最近ソロでアコギ・ツアーをやってるJマスシスのライヴです。アコギ弾き語りですが、本人も言ってたように、アコギでファズ踏んでます(笑)。これがおそらくBUILT TO SPILLのジム・ロス氏が作った、TONE BENDER MK1クローン・ファズだと思われます(映像では確認できないので、想像ですが)。



 さてさて、最後に予告を兼ねたご報告です。先日、この年末の押し迫った忙しい時期にお時間を割いていただいて、とある方のロング・インタビューをしてきました。その方はご本人いわく TONE BENDERキチ だそうで(笑)、その取材ではTONE BENDERの話ばっかりを伺ってきました。本来であれば、この方にインタビューできるチャンスをGETしたインタビュアーであれば、誰でも絶対に「別な話題」を聞きまくると思います。ですが今回のインタビュアー、つまり当方もなかなかのTONE BENDERキチ(笑)です。ホントにファズの話ばかり伺ってきちゃいました。しかも所有されてる貴重なTONE BENDERの数々を持参していただく、というゼイタクなお願いまでご快諾いただきました。ウヒョー、とか恥ずかしい声を出しながら、写真撮りまくってきちゃいました(笑)。

 ちょっとありえない幸運な機会に恵まれたことに感謝しつつ、そのインタビューは次号の「THE EFFECTOR BOOK」内で掲載する予定です。また、沢山のお話を伺える貴重なチャンスでもありましたので、恒例ではありますがこのブログではそのインタビューの全編を、後々掲載する予定でいます。

 実はまだ当方がインタビューの文字おこしを全部終えていないので、報告、という形でしか書けませんが、ご期待いただければと思います。誰のインタビューなのかは、写真を見てお判りの方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)。
 

12.15.2011

Tone Bender - the Timeline (history of Macari's)


 最近やっとのことで(おそらく1年以上放置状態だったと思います。笑)英国MACARI'S、つまり現行品SOLA SOUND/COLORSOUND製品の発売元のHPが閲覧可能になりました。MACARI'Sの一番メインのビジネスはご多分にもれずギター屋さんなので、そういうHPの作りになっていますが、勿論現行品のTONE BENDERなんかも紹介されています。MACARI'Sが発売している現行品に関しても後々触れる機会があると思いますが、ここではMACARI'Sの歴史を追って見ようと思います。なぜかと言えば、MACARI'Sの歴史は、60年代のTONE BENDERをめぐる複雑な歴史そのものでもあるからです。

 ただし、いきなりですがMACARI'Sに関する歴史認識はビミョーでファジー(いい加減、という意味で。笑)です。何故ファジーかと言いますと、人によって「歴史事実に関する表現の方法/主張」が変わるからです。現在のMACARI'Sが言っている公式の弁はここでは一旦お預けにして、歴史的に判明していることを時系列で以下に書きます。

 まず最初は1950年の話。この年、ロンドンのCHARING CROSS ROAD 100番地にJMI/VOXの直営ショップが開店します。出したのはJMIの社長トム・ジェニングスです。当然ここはVOXのオルガン製品を売ってたお店ですが、後にフェンダー等の輸入楽器も販売するようになったとのこと。

 ちょっと時間を経た1958年。ロンドンの北西部(中心部からは結構離れてます)にあるエッジウェアという街に、MACARI'Sというお店が出来ます。当初は、レコード、管楽器なんかを売り始めたのがお店のスタートだったとのことです。後にギターも売るようになります。

 さて、ここから先はいくつかロンドンの住所が出てきますので、左のロンドンの地図なんかも参照していただければ、と思います。

 1962年、MACARI'Sのオーナー、ラリー・マカリは「VOXブランドのセールスマン」としてJMI/VOXと契約し、営業マンとして働くようになります。当時このCHARING CROSS ROAD 100番地のお店はJMI/VOXの製品を独占的に販売する唯一の場所でもありました。62年にVOXブランドはビートルズと独占的な楽器エンドース契約を行っていますので、当然こうした大きなサービスショップで商売しよう、と考えたのだと思われます。また同年ゲイリー・ハーストはJMI/VOXに入社しています。

 1963年、JMI/VOXはロンドンのCHARING CROSS ROAD 100番地の建物の路地を入った裏側にあるNEW COMPTON STREETに、VOX製品のテクニカル・サービス・センターをオープンします。ゲイリー・ハーストがインタビュー内で言っていた「VOXのテクニカル&ショールーム」はここの場所を指します。この時ゲイリー・ハーストは責任者に任命され、ここで働くようになりました。ただし、このサービスセンターは、上記したVOXのショップのあったCHARING CROSS ROAD 100番地の中の裏側の一部にあたります(当時JMI/VOXはここ一帯のビルの全フロアを借り切って営業していたそうです)。この頃ラリー・マカリはそのVOXのお店の主任となっています。

 ちょっとだけ余談を挟みますが、ストーンズのこの有名な写真がありますよね。アルバム「OUT OF OUR HEADS」のUK盤のジャケに使われた写真ですが、これは1963年にCHARING CROSS ROADで撮影されたモノなんですよね。ええ、ただそれだけの余談でした。

 さて、1964年そのCHARING CROSS ROAD 100番地から歩いて2分程にあるDENMARK STREET 22番地に楽器屋さんが新しく出来ました。この場所は「同じ住所の一角」ではなくて、地理的に離れた場所です。ここは「MUSICAL EXCHANGE」という名前の楽器店で、オープンしたのはラリー・マカリです。ただし、このときラリー・マカリはJMI/VOXの営業マンを辞めたわけではなくて、そのままの立場でこのお店を開いています。この「MUSICAL EXCHANGE」がオープンされたとき、ラリーの兄弟であるジョー・マカリがこのお店の経営に参加します。

 同年、MUSICAL EXCHANGEはCHARING CROSS ROAD 102番地にもお店を出店しました。その際同時に「SOLA SOUND LIMITED」という会社も立ち上げます(これは、当時その名前で銀行口座を開いた記録が残っていたために判明していることです)。番地が2ケズレてるとはいえ、間違いなくここのお店はCHARING CROSS ROAD 100番地のVOXショップと同じ場所にあり、看板にはどデカく「VOX」と書かれていました。
 あらゆるVOX製品を研究してる有名な「VOX SHOWROOM」というサイトの記述によれば「ラリー・マカリが後にこのお店の運営権をVOX(=トム・ジェニングス)から買い取った、という話があります。ただし「ラリー・マカリが権利を買い取ったのは1967年」とのことなので、この時点(1964年時点)ではまだ100番地のVOXショップはJMI/VOXの運営だった、と思われます。

 同年、JMI/VOXのボス、トム・ジェニングスは「VOX」のブランド・ライツを世界中にバラ売りします(アメリカのTHOMAS ORGAN CO.がその北米ブランド権を買ったということは、ご承知のことと思われます)。この時イギリスでの「VOX」のブランドライツはROYSTON GROUPという投資会社に売却されました。それに伴い同年、オープンから程なくしてNEW COMPTON STREETにあったVOXのサービスルームも閉店されます。このこともゲイリー・ハーストがインタビューで語っていた通りですね。その後ゲイリー・ハーストは元のVOXショップがあったCHARING CROSS ROAD 100番地に自分の工房を構えます。ですが同じ住所(100番地)にあったVOXのショップはその後もそのまま経営を続けています(ラリー・マカリが主任を務めていたままで)。

 ……えーと、ここまで我ながら「とっても面倒臭い話」をしてるなあ、と思います(笑)。ただしこの時点ではまだ1964年夏頃までの話でして、つまりまだTONE BENDERはこの世に一切存在しない時点での話になります。そしてまた余談を挟みますが、左の写真の人は、ストーンズのマネージャーでもあった(自らアーティスト活動も少しやってましたが)アンドリュー・ルーグ・オールダムです。1964年、彼がロンドンのデンマーク・ストリートを闊歩する、という写真ですが、本稿の主旨とストーンズは一切関係ありません。ただ、当時の街並がどんなモンかな、という写真を探してて、すぐ出てきたのがこれだったので、掲載してみました。

 その後の話の続きです。既にフリーランスになっていたゲイリー・ハーストは一時イタリアに移りますが、1965年春、イタリアから帰ってきた後、元の場所CHARING CROSS ROAD 100番地の一角にあった自分の工房に戻ります。ちょうどそんな頃、ヴィック・フリック(ジョン・バリー・セブンのギタリスト)がマエストロFUZZ TONEを持ってきて、「これをなんとかしてくれ」と依頼してきます。それを契機にしてTONE BENDER(MK1)を作った、というのは、以前にも書いた通りです。

 1965年8月、ゲイリー・ハーストは自分のブランド製品としてそれを商品化し、売り出します。このとき、マカリ兄弟のお店MUSICAL EXCHANGEが「ウチで売ってあげるよ」と協力を申し出ます。言ったのはラリー・マカリです。もちろん昔なじみですし、住所も同じですし、ね。MUSICAL EXCHANGEで販売されることになったTONE BENDERには「SOLA SOUND」のブランド名が小さくプリントされて売られる事になりました。

 左の写真は以前にも掲載したTONE BENDER MK1の広告ですが、これは雑誌『BEAT INSTRUMENTAL』65年10月号にMUSICAL EXCHANGEが出した広告なので、MUSICAL EXCHANGE/SOLA SOUND LTD.としてエッジウェアの住所とDENMARK STREET 22番地が併記されています。またGARY HURST DESIGNと書いてあるのもそういう経緯です。

 TONE BENDER(MK1)が発売に至るまでの経緯は、こんなカンジになります、さてさて、冒頭の方で「人によって歴史認識が違う」と書きましたが、以上の(面倒くさい)文を踏まえた上でお考えいただきたいのは、「誰がTONE BENDERの権利を持ってるのか」ということです。

 先に当方の見解を言ってしまえば、「堂々と主張できる人は誰もいないだろう」という情けない結論(笑)です。だって誰も権利を登録してなかったから(笑)。アメリカの企業は大昔から事細かにパテントを登録/獲得することで有名ですが、イギリスの場合はやっぱり習慣としてそういう気質ではなかったんですね。

 ですが、たとえばJMI/VOXのディック・デニーは「俺こそがTONE BENDERの生みの親だ。俺が作った回路を誰かが盗んでいきやがった」と言います。しかしディック・デニーは既に鬼籍に入りました(2001年没)。彼にとってTONE BENDERとは「JMI/VOX」が生んだもの、ということになります。

 ゲイリー・ハーストは「間違いなく俺が作った。TONE BENDERと名付けたのも俺。VOXは関係ない」と言います。今もそう主張し、現JMIでTONE BENDERを作っています。彼は技師なので、実際に中身を作ったという意味では全くその通りだと思います。

 そしてMACARI'S(現在はラリー&ジョーの兄弟ではなく、それぞれの息子さん、つまり代替えして息子世代が経営してます)の人は「我々マカリ・ファミリーこそがTONE BENDERを作ったのだ」と言います。そして数多くの復刻品を90年代に作ったあと、今はD.A.M.のデヴィッド・メインにTONE BENDERを作ってもらっている、というカンジになるわけです。MACARI'Sは「ウチのTONE BENDERだけが本物だ」と主張します。
 たしかに現在イギリス国内でTONE BENDERの商標権を持ってるのはMACARI'Sですが、それにしたってつい最近デヴィッド・メインから譲って貰った権利なわけで、なんともスッキリしないですよね。

 スッキリしないのは仕方有りません。だって最初のいきさつがそういう複雑なモノだったのは事実なので。昔は皆、同じ場所で仲良く仕事してた人達なのにねえ(笑)。当方も過去に、ゲイリー・ハーストやアンソニー・マカリを始め何人かの当事者や幾人ものファズ歴史研究家にこのことを聞きまくってきました。で、例の(BIG MUFFの研究サイトを運営してる)キット・レイさんというファズ・マニアの研究結果と、当方のかき集めた結果の擦り合わせをして、その結果こういうことなんだな、と思っているわけです。

 ちなみに現在のMACARI'Sのショップは「MACARI'S MUSICAL INSTRUMENTS」という名前で看板を出している「CHARING CROSS ROAD 92-94番地」と「MACARI'S」という名前で「DENMARK STREET 25番地」の2カ所に出店しています。
 最後の最後にまた面倒臭いことを書きますが、実は数年前までは「DENMARK STREET 25番地」にはMUSIC GROUND、つまり現JMIをやってるショップのあった場所なんですよね(笑)。現在MUSIC GROUNDは2つとなりの「27番地」にあります(MUSIC GROUNDはここだけでなく他にも系列店を持っていて、例えば27番地の対面にある5番地の「ROCKERS」という楽器店もMUSIC GROUND直営ショップです)。


12.09.2011

Marshall Supa Fuzz (part.2)


 以前こちらのポストでマーシャルのSUPA FUZZについて書いた事がありますが、その続編、というか、新たにわかったこととか追加したい要素もあるので、書き加えることにしたいと思います。

 まずはその出自、に関してです。SOLA SOUNDのOEMを受けてマーシャルからこのファズが出たのは1967年、ということは変わりませんが、実はその前段階、つまり企画・検討段階があった、という話を聞きました。
 SUPA FUZZの中身はTONE BENDER MK2回路だ、というのはご承知のことと思いますが、実際にマーシャル・ブランド用にファズを企画したのはその前年、1966年のことでした。同年にはSOLA SOUNDが製造したVOXのPROFESSIONAL MK2があったり、ROTOSOUNDのFUZZがあったりしたので、同時期に計画した、というのは納得の話ではあります。

 しかし、マーシャルSUPA FUZZの場合は、他社へのOEM製品とはちょっとだけ事情が違ったようです。実は1966年に最初にマーシャル社向けのファズを計画したとき、その回路は「MK1」回路だった、ということです。これはゲイリー・ハースト本人がその中身をデザインして(正確にいえば、過去にデザインしたものを流用して、ということになりますが)、それを転用したということです。ただし、そのTONE回路に関しては(オリジナルのMK1と比べると)若干の修正が施された回路、とのことなんですが。

 なんで今さらこれが判ったかといえば、ゲイリー・ハースト本人がその試作品SUPA FUZZ(MK1バージョン)を作ったことがある、と認めていること。それと、その試作品を今所持している方が実際にいるから、というワケなんですね。ゲイリー・ハーストいわく「試作品は2〜3ケだけ作った」とのこと。ほえー、そんなのが現存する、ということがビックリですね。なんとかその写真を入手できないか、と画策してるのですが、現時点ではまだ実現できていません。もし入手できたら勿論このブログで公開するつもりですが。

 さて、以前も「いろんなバリエーションのマーシャルSUPA FUZZ」の写真を掲載したことがありますが、簡単にまとめれば同モデルは以下のように分類することができます。外観で分ければ 

 1. シャキっと角張った筐体
 2. 少し丸みを帯びた筐体
 3. 丸みを帯びて、ロゴが浮き彫りの筐体

の3種類です。実は外観だけではなく、中身、その回路基板でも分類することができます。

 A. 蛇の目基板のもの
 B. プリント基板で茶色いボードのもの
 C. プリント基板で白いボードのもの

の3種です。ただし上記の分類は、正確に年代でクッキリと境界線があるわけではないので、1Aというパターンもあれば、1Bというパターンもあるわけですね。以前のページで載せたマーシャルSUPA FUZZの写真は2Bというパターンに該当するブツになりますが、今回上に掲載した「浮き彫りロゴ」で「白い回路基板」のブツは3Cのパターンに該当する、ということになります。
 左に載せた広告は1969年イギリスのROSE MORRIS(楽器店)が出したマーシャル製品の広告ですが、こちらに載っているマーシャルSUPA FUZZは2Aか2B、ということになりますね。
 マーシャルSUPA FUZZの回路基板は、上記の分類によって設置の向き(角度)も変わっています。Aの時代のものはTONE BENDER MK2同様にトランジスタが手前(裏蓋を取ったときに見える向き)を向いていますが、Bの時代になると逆になり、プリント面が手前になります。また、Bの時代の途中から縦に(ナナメに突き刺すような角度で)設置されるようになり、Cの時代のモノは全てそれに該当します。

 で、右に写真を載せたオンボロのこのブツは分類でいうところの1Bに相当するモノになります。これは何かといいますと、ザ・フーのピート・タウンゼンドが1967年に実際に使ったマーシャルSUPA FUZZそのもの、の写真です。なんでこんな写真が今あるのかといいますと、今某所でこのブツは売りに出されているからです(ただし値段はASKなので、想像もつきませんけど)。

 左のモノクロ写真は67年8月25日のザ・フーのステージ写真、だそうです。アンプの前に鎮座しているマーシャルSUPA FUZZが確認できますね。68年になると、ピートはこれに変えてダラスアービターFUZZ FACEを使うようになるので、実質的には1年とかそんな程度しか使ってないハズですが、さすが現物を見るとオオ!と盛り上がってしまいますね(笑)。
 このSUPA FUZZは、1973年にザ・フーのローディーに渡されたもの、とのことです。完全な余談ですが、そのローディーさんは「ホンの僅かの現金と、このペダルがその日のギャラだった。ただしこのファズは、貰った時には壊れていて音が出なかった」とのことです。なんか、ちょっと可哀想、ですよね(笑)。



 追記です。上記ポストをアップしたところ、早速海外のコレクターさんから連絡が来ました。嬉しいですねえ。D.A.M.フォーラムの常連さんで、上に書いた1966年製マーシャルSUPA FUZZ MK1プロトタイプを実際にお持ちの方です。早速写真の使用許諾を頂いたので、ここに掲載しますね。ご覧のように、筐体はSUPA FUZZ初期の「シャキっとエッジのたった」筐体ですが、その中でもさらに「2つのツマミが中央に寄っているモノ」は最も初期のブツにみられる筐体です。ちなみにD.A.M.フォーラムの検証によれば、SUPA FUZZの「MK1回路」を持ったプロトタイプは合計4つだそうで、現在そのすべてが所持者が確認されています。



 それから、こちらに動画を1本張りました。実際にこのプロトタイプの音が聞けます。回路がMK1だ、とはいえ、見た目は勿論オリジナルの(金色の)TONE BENDER MK1とは配線方法が異なり、基板も蛇の目なのでパっと見ではわからないですが、回路構成、抵抗その他を追っていくとMK1だということがわかります。何より、その音はMK2回路とは結構違っていて、MK1タイプ特有の中域がグワワッと盛り上がる歪みですよね。ただし、抵抗値の一部が(オリジナルMK1に比べると)変更されていて、「FILTER」つまみはオリジナルのTONE BENDER MK1よりもよりスムースに効く、という変更がなされています。使われているトランジスタは3つすべて英国ムラード製ブラックキャップOC75です。

12.03.2011

Tone Bender - the Timeline


 これまでも「TONE BENDERが登場するまで」のような文を書いてきましたが、ここからはTONE BENDER登場以降、という流れで進めようと思います。元々このブログを始めたのはTONE BENDERには山のように種類があるんですよ、こんなモンが出てたんですよ、で、今いろんな復刻がされてますよね、という話をウジャウジャと書いていこう、と思って始めたわけですが、初心に戻るのも重要かな、と思って、下記の表を作ってみました。
 これはオリジナルTONE BENDERのモデル毎の発売順と仕様をサラっとだけまとめたものですが、目で見てパッとわかる、ということは重要なことだな、なんて思って組んでみました。

 で、先にご理解いただきたいのは、実はこの表は完璧に完成されたモノではありません。しかし、先日もご紹介したファズ・マニアのKIT RAE氏の協力と情報提供を得て作ったモノでして、氏は時代がなかなか確定できないモデルに関しても可能な限り(ポットデートらを検証して)デイティング(年代の確定)を行っているという強烈なマニアの方です。なので、かなり高い確証性がある、と当方も判断しています。

Year / Mfg Brand - Model Circuit
0011965
Gary Hurst
GARY HURST - TONE BENDER Prototype
●ゲイリー・ハーストによるハンドメイド●木製ケース入りの試作品 ●65年夏に10ケ製造 ●回路はマエストロFUZZ TONEを元にした3トランジスタ構成 ●トランジスタはムラード製OC75+TI社製2G381×2 ●ON/OFF用トグルスイッチ付
MK1
0021965
Gary Hurst
GARY HURST / SOLA SOUND - TONE BENDER (MK1)
●ゲイリー・ハーストによるハンドメイド ●英国初のFUZZ製品 ●折曲げ式鉄製筐体(ゴールドハマートーン塗装)●65年夏製造、発売 ●マエストロFUZZ TONEを元にした3TR回路 ●トランジスタはムラードOC75+TI製2G381×2
MK1
0031965
JHS
JHS - ZONK MACHINE
●TONE BENER MK1のコピー製品 ●製造・販売はJHS(JOHN HORNBY SKEWES)社 ●65年発売 ●トランジスタはムラード製OC75×3 ●ブルー・ハンマートーン塗装 ●SWELLツマミはON/OFF機能付のスタック・ポットを採用
MK1
0041966
Sola Sound
SOLA SOUND - TONE BENDER (MK1.5)
●TONE BENER最初のフルモデルチェンジ製品 ●ゲイリー・ハースト・デザイン(諸説あり) ●製造・販売はSOLA SOUND社 ●66年初春から約2ヶ月間のみ発売 ●FUZZ FACEの元となった回路を搭載 ●トランジスタはOC75×2
MK1.5
0051966
Sola Sound
SOLA SOUND -TONE BENDER PROFESSIONAL MK2
●2度目のフルモデルチェンジ製品 ●製造・販売はSOLA SOUND社 ●ゲイリー・ハースト・デザイン ●66年秋〜68年中旬まで発売 ●MK1.5の回路に増幅段を追加した回路 ●トランジスタはOC75×3 ●一部の同製品ではOC81Dを3ケ使用
MK2
0061966
Sola Sound
VOX - TONE BENDER PROFESSIONAL MK2
●JMI/VOXブランドのためのOEM製品 ●製造はSOLA SOUND ●ゲイリー・ハースト・デザイン ●PROFESSIONAL MK2と同じ回路 ●66年秋〜数ヶ月のみ発売 ●トランジスタはOC75×3 ●一部の同製品ではOC81Dを3ケ使用
MK2
0071966
Sola Sound
RANGEMASTER FUZZBUG
●SOLA SOUND社の製造品 ●OEM製品だが発売ブランドは不明 ●66年〜67年にかけて発売 ●初期製造品は青い筐体でMK1.5回路 ●途中から3トランジスタのMK2回路に変更 ●途中からシルバーの筐体に変更 ●近年発見されたモデル
MK1.5 MK2
0081966
EME (Italy)
VOX - TONE BENDER (V828)
●EME(英JMI/米トーマスオルガン/伊EKOの合弁企業。後のJEN)によるTONE BENDER ●66年秋〜70年代末にかけて発売 ●MK1.5回路(一部定数を変更)●68年から黒の筐体に変更 ●70年代後半からシリコンTRに(回路も変更)
MK1.5
0091967
Sola Sound
MARSHALL - SUPA FUZZ
●MARSHALL社のためのOEM製品 ●67年〜69年頃まで発売 ●ゲイリー・ハースト・デザイン ●SOLA SOUND社製造品 ●PROFESSIONAL MK2と同じ回路 ●トランジスタはOC75×3 ●一部の同製品ではOC81Dを3ケ使用
MK2
0101968
Sola Sound
SOLA SOUND - TONE BENDER (MK3)
●3度目のフルモデルチェンジ製品 ●製造・販売はSOLA SOUND社 ●68年発売 ●プリント基板 ●BURNS BUZZAROUNDに似た回路 ●トランジスタはOC71×3(他の種類もあり)●70年代中期に回路変更、トランジスタもシリコンに
MK3
0111968
Sola Sound
VOX - TONE BENDER MK3
●JMI/VOXのためのOEM品 ●SOLA SOUND社製造 ●68年発売 ●トランジスタはOC71×3 ●70年代中期に回路が変更され、トランジスタもシリコンに変更 ●トレブルブースト回路を付け加えたMK3 with TREBLE BOOSTもあり
MK3
0121969
Sola Sound
SOLA SOUND - TONE BENDER MK4
●MK4とラベリングされているが、中身は上記2つ(MK3)と同じ ●製造はSOLA SOUND社 ●69年発売 ●プリント基板を採用 ●同様のデザインで、他に銀色、黄色のものもあり ●SOLA SOUND名義で出た最後のTONE BENDER
MK3
0131974
Sola Sound
COLORSOUND - JUMBO TONE BENDER
●「COLORSOUND」ブランド製品 ●製造はSOLA SOUND社 ●74年発売 ●3ケのBC184Cシリコン・トランジスタを用いた回路 ●ワイドケースの新シリーズ
Silicon
3TR
0141974
Sola Sound
COLORSOUND - SUPA TONE BENDER
●幅広の筐体に入った「COLORSOUND」ブランド製品 ●製造はSOLA SOUND社 ●74年発売 ●4ケのBC184Cシリコン・トランジスタを用いた回路 ●BIG MUFF回路に似たサーキット ●ワイドケースの新シリーズ
Silicon
4TR
0151993(?)
Vox (USA)
VOX - TONE BENDER (V829)
 ●90年代頭にKORG/VOXで製造・発売されたTONE BENDER ●米国製 ●93年頃発売 ●回路はMK1.5を踏襲したもの ●トランジスタはゲルマニウムSK3004x2 ●電池駆動のみ
MK1.5

 これでTONE BENDERのモデル/時代/回路/ルックスが一目瞭然だゼ!というノリで作った表ではありますが(笑)、もちろん冒頭で書いたように、完璧ではありません。あくまで目安としてお考えいただければ幸いです。
 オリジナル、という観点で以上のモデルを選んでいますが、ここではあえて載せていないモデルもいくつかあります。例えばPARK、CARLSBRO、ROTOSOUND、CSLといった他社ブランドのOEM製品がそれに当たります。理由は、といえば「外観が違うだけだから」というワケなんですが、同様の理由で「色違いモデル」なんかも上記リストからは除外しています。また「復刻版」と捉えられるモノもここからは除外しています(たとえばCOLORSOUNDから90年代にでたTONE BENDER等)。

 個々の製品の特徴等はこれまで殆ど書いてきましたので、そっちに飛んでもらえれば(リンクが張ってあります)と思いますが、今まで書いてなかったモデルに関しては、今後順番に触れていこうと思います。特に、これまで当方も逃げるように(笑)なかなか詳細に触れることのできなかったMK3〜MK4以降のCOLORSOUND製品に関しても、今後ポチポチと触れていこうかなと思います。