4.16.2011
variation of JMI Tone Bender Professional MK2
既に販売を始めているJMIのエフェクター製品ですが、現状では入ったらそのままお店へポンポンと出荷しているので、現在手元にはMK1.5が1ケしかありません。ある程度手元で在庫を確保できるようになったらこのサイトを通じても販売を始めますので、いましばらくお待ちいただけたらと思います。で、
これは何かといいますと、現在当方がシコシコと製作中のJMIの日本語版公式サイトのバナーです。サイト、とは言ったものの、この「BUZZ THE FUZZ」と同様にブログ・フォーマットにしようと思ってます。まだ公開してないですし、何もポスティングしてないので今のところ「近日公開」としか言いようがないのですが、本国JMIからリリースされる情報(新製品の情報もそうですが、こんなアーティストがあんなのを使ってる、みたいなものも含めて)はこちらに掲載しようと思ってます。
と言ったソバから、舌が乾かぬウチに言うのもナンですけど、そちらに掲載されたJMI情報はこちらにもダブリで掲載しようと思ってます。「BUZZ THE FUZZ」はあらゆるTONE BENDER関連商品に関して、もうじきスタートする「JMI EFFECT PEDALS」はJMIのエフェクター商品に関して、と分類していただければ幸いです。
さて、今回はそのJMIがリリースしているTONE BENDERのなかでも、「PROFESSIONAL MK2」(以下MK2と略します)に分類されるものを一応全部ご紹介しようと思います。オリジナルMK2の歴史/過程に関しては過去のポスティングを漁ってみていただければと思うのですが、何故今これを書くかというと、楽器店さんでもやはりその全容を把握するのは困難なようであり(でも、ある意味しょうがないデスよね。こんだけアレもコレも、と発売されてるわけですから)、その商品情報に間違った記載がポロポロと散見できるからです。一応当方もJMIのディーラーをやってるので、少なくともJMI製品に関しては、キッチリさせておきたい、と思いまして。以下、番号をふって分類したいと思います。
1. まず、JMIが一番最初に復刻したのがこちら。商品名としてはJMI TONE BENER PROFESSIONAL MK2といいます。簡単に以下、箇条書きにてその特徴を書きます。トランジスタはブラックキャップのOC75が3ケ、グレーハンマートーンのアルミ筐体です。このデザインは1966年に、ホンの僅かな期間だけSOLA SOUND社がOEM製造したVOX TONE BENDERのデザインを踏襲したものになっています。
2. 次に、最も有名なデザインのこちら。これも商品名はJMI TONE BENDER PROFESSIONAL MK2といいますが、上記のものとは(デザインは勿論ですが)トランジスタが違います。こちらにはDSIというメーカーの黒いOC81Dが3ケ使用されています。DSIのパーツはハンガリーのTUNGRSAMという製造会社が作ったもので、60年代から近年に至るまで、割と広く流通しているモノです。
なぜOC81Dなのか。それは60年代当時、実際にOC81Dを使用したTONE BENDERが存在したからで、しかも未確認ではありますがジミー・ペイジ先生がZEP初期に使用していたMK2の中身のトランジスタはOC81Dだった、というウワサがあったからです。ペイジ先生の実際の所有物の中を覗いたことがある人に、当方はまだお目にかかったこともないので確認のしようもないのですが、今でもこのウワサはかなり信憑性がある、と言われています。
ここでちょっとだけ余談を入れますが、実はこの4月の頭にジミー・ペイジ先生が来日する予定だったことは、ご存知の方も多いと思われます。その後に例の東日本大震災があり、ペイジ先生は来日をキャンセルしたのですが、実は今回その来日に合わせて、あるルートにお願いして当方はジミー・ペイジ・インタビューを申請していました。結局は正式な返事も貰えないウチにこんなコトになってしまったので、また別な機会を模索しようとは思いますが、ペイジ先生の機材のことを本人に根掘り葉掘り聞いてみたかったんですよね(笑)。勿論ペイジ先生に聞きたいことは他にも山のようにありますが、いつか実現したら嬉しいですね、個人的に(笑)。
3. さて話を戻します。JMIはまだまだ他にもMK2を発売しています。こちらはオリジナルのMK2と全く同じ回路をもった1967年のマーシャルSUPA FUZZのクローン・ペダルで JMI SUPA FUZZ というファズです。中身は 1. と同じもので、トランジスタにはOC75を3ケ使用しています。SUPA FUZZといえば、本ブログでもこれまで紹介しましたが、ピート・タウンゼンド(THE WHO)、イギー&ストゥージズのジェイムス・ウィリアムソン、そしてジェフ・ベック等がそのユーザーとして確認できています。
4. まだあります。次が最近発売されたこのモデルです。筐体のデザインは 2.と同じですが、中身が違います。こちらは限定20個と銘打たれて製作された超・限定品(笑)で、トランジスタに1960年代のNOS(ニューオールドストック)の英国ムラード製OC75を3ケ使用したもの、となっています。また、ご覧いただけるように筐体の色は金色と銀色の2種類があります。
つい最近、渋谷のとあるショップさんが 2.のTONE BENDERをこの 4. の銀色版、と勘違いして説明されていましたが、中身を見れば一目瞭然で違います(一応弁護しますが、逆を言えば中身を見ないとわからない、というワケで、やっぱ面倒ですよね。保証書にも書いてあることはあるんですが。笑)
JMIは結構高い金を払ってNOSのムラード・パーツをかき集めているそうですが(だから値段も凄く高いです)、それでもノイズが酷い、数値が合わない、ということでダメなパーツは結構ゴミにポイしていたりもします。難しいですよね。でもそのおかげで、JMIのこの限定MK2は「イギリス製で」「ムラード製の」「数値がバッチリな(JMIはその歪み値を70-100の間のもの、と公表しています)」「ブラックキャップの」OC75が使用されています。
5. もうひとつあります。前にもチラっと書きましたが当方がダダをコネて作ってもらったモデルです。4.同様にこちらも60年代の英国ムラード製のシルバーキャップOC81Dを3ケ使用したモデルで、全部で10ケしか製造されないことになってます。半分程は日本に入れることにしてますが、もし当方の懐に余裕ができたら、もう少し買い占めちゃおうかな、とか企んでます。JMIのMK2の中では飛び抜けて値段が高いモノになっちゃうんですが、圧倒的にレアで価格の跳ね上がるパーツ(しかも、ムラードのOC81Dはノイジーなトランジスタが多くて困る、とJMIのビルダーも嘆いてました)を厳選して作ることになってるので、致し方ありませんね。
ご存知の方も多いと思われますが、ムラードという会社は真空管部品の製造メーカーとしても有名なイギリスの電子部品会社ですが、戦前にはオランダのフィリップス社と業務提携して、それ以降いろんな国の工場で製造されたパーツをかき集めて、ムラード、もしくは(MULLARDとPHILIPSの頭文字を取って)PMというアルファベットをブランドとして記載して発売されていました。英国の工場で生産されたパーツは戦後どんどん少なくなっていき、60年代終わりにはすっかり英国産はなくなってしまった、という話も聞いたことがあります。そんな経緯もあって、MADE IN ENGLANDとプリントされたパーツは探すのが非常に困難だったりするわけですね。
JMIから現在発売されているMK2関連製品は以上になります。が、ここで本国からちょっと怒られるかもしれませんけど(笑)、ちょっとした裏話を2つほど。このヘンテコな画像は何かと言いますと、JMIから「こんなMK2出したらどうだろうか?売れるかなあ?」と相談してきた時に添付されてた画像です。ええ、すぐに返事しました「ダセエよ」と(笑)。もちろん英国を代表するペダルなわけですから、アイデアとしてはアリですよね。以前VOX(現在のVOXのことで、KORG社が製造したもの)でユニオンジャック柄のワウがありましたが、あんなカンジですよね。で、言っちゃいました。「安直じゃね?」と(笑)。
そのついでに「むしろ、こういうの出してくれたらオレ大人買いしてもいいんだけどなー」と言ってササッと当方がPHOTOSHOPで作ったデザインがこちらのペイズリー柄です(笑)。なんつーか、ドロドロでサイケ、ですよね(笑)。ホントはピンク・ペイズリーとかいいなあ、とも思ったんですが。いずれにしろ今の所、どちらも実現する見込みはないです(笑)。念を押しておきますが、ユニオンジャック柄もペイズリー柄も、当方と英国JMIの妄想の産物です。実際にこういうのはありませんので。
そんなことも含め、在庫がどうした/アレはどうなった、みたいなカンジで最近しょっちゅうイギリスJMIとは連絡を取り合っていますが、JMIのボスであるジャスティン・ハリソンに「今のJMIのこともっと教えろよ」ということでインタビューすることにしました。そちらは次に発売される「THE EFFECTOR BOOK」や、さきほど紹介した日本語版JMI公式サイトのほうでご紹介することになると思います。ご期待いただければ幸いです。
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