1.11.2012
JMI - Tone Bender Professional MK2 (Mullard OC81 Limited)
遅ればせながら、新年最初の更新になります。本年も何とぞよろしくお願いします。いきなりですが昨年の年末、個人的にちょいとしたビッグ・ニュースが飛び込んできました。第一報は12月21日夕方6時からの英BBCニュースの中で報道されたのですが、どんなニュースかと言いますと、なんと1973年にデヴィッド・ボウイがBBC「TOP OF THE POPS」で演奏した映像が、38年振りに発掘された、というニュースです。
当方はボウイ・ヲタクなのでそれだけで「何っ?」と大騒ぎしてしまうのですが、これだけなら本ブログとはあまり関係ありません。が、12月24日のTOTPクリスマス特番でその発掘映像がついに放送され、動画でこれを何十回も見て、もう黙ってはいられません(笑)。元々は1973年1月4日にTV放送されたソースですが、あまりにも奇麗な映像なのでその点にもビックリですけど、動いているミック・ロンソンを見るチャンスはそうそうないので、そういう意味でも驚愕の映像です。
そんなことよりも何よりも、このギターの音にはさすがにドビックリ。スゲエ。テレビ放送なのでそういう点(卓調整等)は差し引いて考えざるを得ませんが、現在公式CDで入手できるボウイのジギー時代のライヴ音源は、実際の会場の出音とはほど遠いものです。なので、ここまで生に近いギターの音、マーシャルMAJORと、TONE BENDER MK1と、ミック・ロンソンの68年製LES PAUL CUSTOMをリニアに聴ける素材としては超一級品の素材かと思われます。そしてこの音がどうやったら出るのか、という永遠の研究課題がまたしても残されたわけですね。2:18を境にファズの音に切り替わるわけですが、このときワウはどうなってたんでしょうか?(2:48まではOFFのようにも聞こえますね) 勿論アンプのセッティングも気になる所です。
「TOP OF THE POPS」は通常だと音が前録りで放送素材はアテフリなのですが、ここで見る事の出来る演奏は生演奏だと推測されます。後半でベースが2小節分尺を間違えた部分がそのまま演奏されていることが確認できますし、「完全なライヴ」とナレーションでも言ってますしね。
アンプのツマミの位置とか、どのタイミングでファズを踏んでるかとか、ボウイ様のジャケットの素材は一体なんなのか、なんてことも含めてこの映像をそれこそ何十回も凝視してるわけですが、そんなオタク心とは一切関係なく、やっぱり「カッコイイ」というのはこういうことだな、とか確信を深めたりもしました。
さて、今回の本題は実は別にあります。左に掲載した写真は最新入荷した英JMI製の TONE BENDER PROFESSIONAL MK2 の、MULLARD OC81トランジスタを使用した限定品というものです。一応ラインナップとしては以前こちらでご紹介したものと同じということにはなるのですが、マイナーチェンジが施されることになりましたので、ご紹介がてら、ご検討願いたいと思います。
まず大きな違いの1つめ。それはトランジスタです。以前掲載したものは名前の通り「MULLARD OC81D」というトランジスタを使用した、限定10ケのみの製造品、ということになってたのですが、実は合計製造数が10ケにも至らない段階で「最高のOC81Dトランジスタがもうストックがない」ということになりました(つまり、相当数の貴重なトランジスタを捨てるハメになったワケですね)。ですが、以前にも当方が指摘したように、実はOC81DというトランジスタはOC81と基本的スペックは同じパーツとなります。そこで「ではMULLARD OC81Dではなくて、MULLARD OC81にしよう」ということになったんです。
パーツのレア度でいえばOC81もOC81Dも同じくらい貴重ですし、値段も変わりません。が、OC81Dでファズを製造するのが困難となった今、OC81でなら作れる」ということになり、今回の仕様変更と再入荷、となったワケです。
まだあります。変更点その2。それは塗装の「色」です。写真では、もしかしたらパっと見では変わってないように思われるかもしれませんが、塗料を変えました。以前よりももっと銀色に近い、シルバーグレーのハンマートーン塗装になっています。以前から当方が「あんなツブツブのグレーじゃなくてさあ、もっと銀色に近いし、ハンマートーンも大粒、ていうか、なめらかでしょ、本物は」と何度かJMIに指摘したこともあって、今回からその新しい「シルバーグレー・ハンマートーン」を試してもらったわけです。
実は上のトランジスタの件も、この塗料の色の件も、こんなクダラナイFUZZブログをシコシコと書いている(笑)日本人の当方個人が、無理を言って本国JMIで実現してもらったことなので、もちろんJMIスタッフには感謝感激です。内部の製造工程はこれまでの製品と変わりなく、また実際に以前のOC81D版と今回のOC81版の出音を比べてみても、音は同じです。個体差のレベルでの違いはあるかもしれませんが、たまたま今回比較した上ではその個体差もあまり感じない、というくらい同じ傾向です。MK2回路で、しかもOC81特有のミッドレンジの飽和感と密度の濃さは、遜色なく堪能していただける、と思っています。
お問い合わせやニーズがあったにもかかわらず、以前の「MULLARD OC81D版MK2」は当方の手元に結局計5ケしか入荷しませんでした(それらは全て販売済みです)。で、今回のこのOC81は今現在手元に3ケ入荷しています。1つは当方が使おうかな〜と思ってるのですが、他の2ケは販売可能です。価格は以前のOC81D版より少し下げました。これは特殊な事情があったワケではなく、単純に円高の恩恵です。とはいえそれでも新品のファズとしてはベラボウに高額商品であることには変わりありません。また、今回以降このファズが再入荷するかどうかは現時点で未確定です。それでも、もしご興味を持たれた方がいらっしゃれば、価格と在庫に関してはこちらからメールでお問い合わせいただければと思います。お早めに(笑)。
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