3.02.2012

News from Manlay Sound (and more)


 ご無沙汰してます。今回もなんとかTHE EFFECTOR BOOKの作業がなんとか終了しました(実は今月、これ以外にもディスクガイド本を1冊作ったのですが、そちらはファズとは全く関係のない本なのでここでの紹介は差し控えます)。とりあえず恒例となりましたが、中身をご紹介しようと思います。
 ご覧いただけるように、大特集はハイゲイン・ディストーションです。実は当方個人とはほとんど縁の無い(笑)エフェクターなのですが、やっぱりこの部類のペダルは、エフェクターとしては過去も今も大人気なわけです。それを象徴するように、大量のハイゲイン・ペダルが発売されているわけですが、それを徹底的に研究してまとめてみた、という内容になっています。
 ベテラン・インタビューのコーナーではBOW WOW/VOW WOW他でもうすっかりお馴染みの山本恭司氏が登場。彼の活動時期はドンピシャでギター・エフェクターの大発展期にあたるわけで、そういった話を歴史を追って伺えるいい機会かと思います。それから今号からの新企画として、さらに動画連動企画がスタートしました。あまりお目にかかる機会のない珍しいペダルを実際に弾いてみた、というペダル紹介記事、その第1回は「ワウ・ファズ」3連発です。SCHALLERのワウファズとか、VOXのワウワウ・ディストーションとか、ROLANDのダブルビート、なんていうクラシックなワウファズ3連発です。動画も含めてご期待下さい。
 そして今回の本誌では、当方もチラリと原稿を書きました。それはまたしてもTONE BENDERネタなわけですが(笑)。インフォメーション・プラスというケツのほうのページで2頁、インタビュー記事を書いています。詳細は下記にて記します。いつもより1週間ほど時期がずれていますが、THE EFFECTOR BOOK最新号は3月上旬に発売されます。おたのしみに。おおっと、そうだ。動画の編集もしなきゃ…… がんばります(笑)



 さて、以下はいくつかのお知らせになります。まずその1。最近スペインのMANLAY SOUNDではいくつかの新製品を企画・開発中なんですが、なかなか進行は遅いです(笑)。というのも、ビルダーのROMAN GIL氏(何度も書いてますように、本業はプロのギタリストなんです)が昨年末以来RIK VAN DEN BOSCHというアーティストのギタリストを務めていて、そのヨーロッパ・ツアーで丸々2ヶ月以上スペインを離れていた、という事情もあります。当方としては、純粋に「オウ、よかったジャン、ガンバレヨ」と言う立場なので、エフェクターに関しては「まあ、できた時に教えてくれよ」という程度でしか訊いていません。とはいいつつも、今出来上がってるサンプルがコレです。そう、誰がどう見てもお判りになると思いますが、70年代にCOLORSOUNDブランドから発売されたPOWER BOOSTのクローン・ペダルです。
 YOUTUBEにあるジェフ・ベックの動画の話を当方と彼でアレコレと話をしていた時に、彼もジェフ・ベックの音に興味を持ったらしく、また「日本ではジェフ・ベックのほうがデヴィッド・ギルモアより有名なんだよ」なんて話にもなって、余計興味を持ったようです(ご承知の方も多いと思われますが、欧米では圧倒的にギルモアのほうが有名人です)。ジェフ・ベックは70年代にCOLORSOUNDのOVERDRIVER(黒いペダル/中身はPOWER BOOSTと一緒)を使っていたことで知られますが、それを再現してみよう、という意図だったんですね。
 ただしまだこのペダルは写真に映っている1ケしかありません。当方もサンプル音源をmp3でもらっていますが、実際に商品になるかどうかはもうちょっと試行錯誤を経てから再度考えてみようと思っています。

 お知らせその2。上記とは別のプロジェクト、ということになりますが、MANLAY SOUNDでは数で言えば2ケだけ、という笑っちゃうくらいの本当に極少数の限定品を出します。これは以前もチラリと書いた事があるのですが、当方が個人的に所有していた金属製のTONE BENDER MK1の筐体(金と黒のもの)を使った「65 BENDER」の限定品、ということになります。まだ中身を組み立てていない写真をここに掲載しましたが、中身は「ZELKOVA/WALNUT」の2種類の木製ケースで作った65 BENDERと同じ、つまり「OC75&2G381」というオリジナルMK1と同じトランジスタ構成のものになります。
 余談にはなりますが、これも以前チョロっと書いたんですけど、昨年木製ケースの限定版を作った時、少しだけケースに傷がついたものが輸入されてきたんですよね。中身は問題ないのに、ジャンクにするのはもったいないなあ、と思ったので、この手持ちの鉄製ケースをスペインに送って、MANLAY SOUNDのラベルと65 BENDERのラベルを印刷して貰いました。なので、これはもうじき売りに出します。



 さて、おしらせその3です。もうすぐ発売になるTHE EFFECTOR BOOK VOL.15では、ケツのほうにインタビュー記事を書いた、と上述しました。それはオフィス北野の森昌行社長のインタビューです。実は当サイトを通じて、森社長からご連絡を頂いた事がきっかけとなり、今回の取材は実現しています。当方と仲のいい某楽器屋さんを通じて、以前からお噂はかねがね、というカンジではありましたが、そんなことよりも何よりも、実は当方は子供の頃からの四半世紀以上のビートたけしファンでもあります(笑)。テレビやラジオを通じて、あのオフィス北野の社長が大のギター・マニアだということは随分昔から存じ上げていました。雑誌等でも度々その話題を拝見することはありましたが、「大のTONE BENDERマニアでもある」と知ったのは最近のことです。
 そこで今回の取材は森社長の所持されている貴重なTONE BENDERの数々を実際にお持ちいただいて、お話を伺ったわけです。やはりたけしファンとしては「電線マンの中の人」の話(笑)とか、いろいろ訊きたいことも山ほどありましたが、今回はガッツリとファズ&ギターのことに関してだけお話を訊きました。THE EFFECTOR BOOKのほうではそのサワリの部分だけ掲載しましたが、当ブログでは全長版として、次回以降数回にわけてインタビュー全文を掲載します。
 当方とていつも偉そうなことを当ブログにて書いていますが、プロのギタリストではありません。またプロの楽器屋さんでもありません。THE EFFECTOR BOOKも単なるデザイナーとしてしか関与していません。単なるギター・ファンにしか過ぎませんが、そういう意味で言えば、森社長という方は(本業がなんであれ)ある意味「最強のファン」のひとりとも言える方なわけで、ギターやファズに関する愛情はハンパないです。その「ハンパない」愛情はもちろんですが、お伺いしたエピソードの数々は当方個人では知りうることもない、という含蓄に富んだものばかりでした。是非、御楽しみいただければと思います。ご期待下さい。


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