2.12.2012
Tone Bender Professional MK2 (Reissue) Part.3
すっかり更新が滞っております。ご期待いただいている方にまずお詫びを。別にブログをやめるつもりはサラサラありませんが、今丁度本業のほうでドタバタしております。来月3月というのは世間的に「期末」といわれるヤツでして、この時期は本とか雑誌とかCDとかの発売が集中するわけですね。なので、なかなかファズのことを考える時間もありません(笑)。
とはいいつつも、今やってる仕事のひとつは当然ながら「THE EFFECTOR BOOK」最新号になるわけです。年に4回だけとはいえ、多くの方がご承知のようにあれだけマニアックな雑誌ですから毎回テンヤワンヤになるわけですが、次号ではまたTONE BENDER関係のコラム的なインタビュー記事を掲載する予定です。中身が出来上がれば、またこのブログでご報告したいと思います。
さて今回のネタは左の写真のこれです。見慣れたルックスのTONE BENDERなわけですが、これは90年代に復刻された、SOLA SOUND TONE BENDER PROFESSIONAL MK2です。以前にこちらのほうで触れたモデルと同じになります。何故また再度触れるかと申しますと、いままで判らなかったスペックがひとつ判明したからです。前回のおさらいを含めて、このモデルの経緯を書いてみます。
90年代に英国MACARISがTONE BENDERの復刻品をつくりました。60年代と同じルックスの筐体に入ったそのMK2リイシュー・モデルは、日本でも流通されたために、認知度は高いと思われます。
90年代にはそのモデルには「SOUND CITY JAPAN」というステッカーが貼られていたのですが、以前にも何度も書いたように、その回路はMK2のものではなくてMK1.5のものでした。つまりトランジスタの数も回路も違っていた、というブツです。
2000年頃、だと思われるのですが、この復刻版MK2は、生産を切り替えて、回路やパーツも新しくして出し直しされています。これは日本ではなく、英国で作られた、という話も伝わっています。ここまでが以前に触れたことです。ただしその回路写真を1ケしかみたことがなかったので、トランジスタのスペックまでは判りませんでした。
で、今回の写真になるわけです。まずこちら。現在売りに出ているブツなのですが、90年代の復刻品とのことです。中身は「SOUND CITY JAPAN」製品とは異なります。まずプリント基板が使われていることも一見してわかりますが、トランジスタも扁平なケースのものが2ケ並んでいるのが判ります。このトランジスタがなんなのかは見た目では判別できませんが、それまで使用されたAC125とかAF127とは違う石ですよね。
さて、もう一個、復刻版MK2の写真があります。赤い絨毯の上で撮影された写真がそれです。こちらは同じ中身の写真を以前も掲載したのですが、90年代の復刻品です。ただし英国で生産されたもので、回路も変更されています。基板は白いプリント基板に変更になり、その設置方法もナナメに変えられています。おそらく筐体へのネジ止めをあきらめて、コストダウンを考えたものと思われます。
そして何よりこのモデルでは、トランジスタが判明しています。これはムラード製のOC42というゲルマニウム・トランジスタが採用されていますね。
上記2ケの復刻版TONE BENDERはともに現在売りに出されているので、どなたでもご確認いただけると思いますが、下のOC42を使ったほうのモデルは、出品者いわく「ダークでウッディーなサウンド/そんなに歪まない/だけど音はメチャデカい」というコメントを加えています。
そんなわけで、SOLA SOUNDというブランド名で復刻された、90年代以降のTONE BENDER PROFESSIONAL MK2をまとめると、以下のようになります。
ver.1 - SOUND CITY JAPAN製造。回路はMK1.5。トランジスタはAC125が2ケ。
ver.2 - SOUND CITY JAPAN製造。回路はMK1.5を少しいじったモノ。トランジスタはAF127が2ケ。
ver.3? - イギリス製。回路はMK1.5を少し改良。基板はプリント。(このモデルの詳細は不明です。追記を参照願います)
ver.4 - イギリス製。回路はMK2。基板は白いプリント基板。トランジスタはOC42が3ケ。
ver.5 - イギリス D.A.M.製。回路はMK2。基板はユニバーサル。トランジスタはOC84が3ケ。
ver5は現行品になりますから、今でも入手は可能です。またD.A.M.製のものは(これまでもご紹介してきたように)ちょっとしたスペック違いとか筐体違いの限定版もあるのですが、それらは除外しました。また、ver5は2007年以降に発売になっている現行品ですから、今後もなにかしら新しい改良が加わるかもしれませんね。
(2/17追記)コメント欄から「上のほうの中身はオリジナルの回路じゃない」とご指摘をいただきました。んー、たしかにそうかも、なんて考えてしまいました。見方によってはこの基板が「FUZZ FACE系ファズの基板」に見えるんですよね。パーツの配置とか… 基板の大きさから推察するに。ただし現時点ではそれも確証はありません。ですがこういう形で復刻された、という事実があるかどうかもあやふやになってしまったので、上記原稿の一部分を修正しました。ご了承願います。
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The innards of the first pedal on this page are not original.
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