
90年代に英国のSOLA SOUND社は、60年代に人気を博したTONE BENDERを復刻しました。グレイ・ハンマートーンの馬鹿デカい筐体の復活。これだけでもマニアはワクワクしますよね。正確な発売時期は不明なんですが、90年代初めのころには既にあったような記憶があります。その復刻版TONE BENDERを見ていきたいと思います。
ここに2台の写真を掲載していますが、それは「中身が違うから」なんです。実は、90年代に復刻されたTONE BENDERは他にもいくつかの細かいスペック違いが確認されており、少しずつ改良を経ていった、というその製作過程が伺われます。

正直申せば、SOUND CITY JAPANがどういった組織なのかは当方には詳しくわからないのですが、SOUND CITYというロンドンにあった楽器屋(この楽器屋の経営のボスは、上記したMACARI兄弟でした。その名のついたギター・アンプで日本でも有名かと思います)から社名をとったのかなあ、とは思います。正式な日本法人だったのか、イギリスでそういう名前のブランドを作る事にしたのか、そういった詳細もあまり判っていません。

ちょっと前に、イギリスのANTHONY MACARIにその辺をメールで聞いたことがあるのですが、あまり正確な返答はいただけませんでした。「んー、たしかに今は日本ではウチの製品は取り扱いがないね」みたいな、関係ない返事が帰ってくるばかりで(笑)。
現在のSOLA SOUNDに関しては別の機会をもうけますが、早速復刻版TONE BENDERを検証します。まず、これまでも本サイトでは何度も触れていますが、外観は1966年のTONE BENDER PROFESSIONAL MK2とほぼ完璧に同じです。ただし、中身は全く違います。ファズとしての回路は、TONE BENDER MK1.5を踏襲したものになっています。つまり、ゲルマニウム・トランジスタ2石を用いたヴォルテージ・フィードバック回路、というヤツです。



が、写真でも確認できるように、まず使用されたトランジスタが違います。こちらはAF127というゲルマニウム・トランジスタが使用されていますね。AF127はSFT307の互換パーツでもあるそうですので、ファズの歪み用パーツとしてそれほど違いがあるモノではないと考えられます。
しかし、さらに違うポイントがあります。それも写真で確認できると思いますが、前述した通りのMK1.5回路で使用される最低限の9ケのパーツに加えて、緑色のセラコンが2ケ回路に加えられていることです。

これは完全に推測の域を出ませんが、もしかしたら90年代の復刻版は、オリジナルのSOLA SOUND TONE BENDER MK1.5でもなく、またオリジナルのTONE BENDER PROFESSIONAL MK2でもなく、イタリア製VOX TONE BENDERのサウンドを復刻しよう、と考えたのかもしれませんね。

上記2ツの復刻版TONE BENDERは、それほど離れていない時期に製造されたものと推察できるのですが、この後、復刻版TONE BENDERはさらにさらに改良されていくことになります。
まあそれも今から考えれば当然ではあります。「PROFESSIONAL MK2」とデカデカとうたっている「復刻品」なのに、中身は全然違うものなわけですから。その後の復刻版TONE BENDERに関しては次回にて触れたいと思います。(この項続く)
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