6.19.2012
Manlay Sound - Pro Boost
さて、MANLAY SOUNDの新製品です。既に本国では出荷を始めてるそうですが、実は当方の手元にはまだ届いていません。いつもより多めに発注しちゃったのと、ROMAN GILが「夏休みとるからさあ」とかヌルいことを言ってるので(笑)、もうちょっとだけ時間がかかります。
以前もチラリと告知した新製品その1は、70年代にCOLORSOUNDが販売していたPOWER BOOSTのクローン・ペダル、その名もPRO BOOSTです。
まず簡単に大元のペダルに関して触れますが、1969年頃にSOLA SOUND/COLORSOUNDから発売されたオレンジ色のブースター・ペダルです。このペダルは後に黒い筐体に入ってOVERDRIVERという名前でも発売されたペダルと同じ(*ホントは少し違うんですが、それは後述します)モノです。
このPOWER BOOSTはピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア、そしてなんと言ってもジェフ・ベックが70年代に使用していたことで有名で、単なる歪み系、とか単なるブースト・ペダル、という範疇を越えて、色んな面を持ったプリ・アンプ系ペダル、ということも可能かと思います。
クリーン・ブーストにも使えますし、ヴォリュームを稼いでアンプのゲインをプッシュすることも可能です。また本体で歪ませることも可能です。そしてハイとロー、という2つのEQコントロールによって、幅広い音色を狙うことも可能なわけです。つまり、EQペダルとしても使える、ということになりますね。
実はオリジナルのPOWER BOOSTには、3ノブのものと、4ノブのものがあります。後者はマスター・ヴォリュームツマミが追加されているのですが、実はこれがメチャ便利なんです。POWER BOOSTは単体でゲイン(歪み)を稼ぐことも可能ですが、ツマミが1ケしかないため同時に音量もガバッと持ち上がります。その際に最後にマスターVOLセクションを配置することで、音量も調整してアウトプットできるようになったわけです。
そしてこれまた面白いことに、このPOWER BOOSTはファズのような歪みにもなるんですよね。そしてそして、ギター側のVOLを絞ると、そこでも美味しいクランチを得る事ができます。この辺の音のバリエーションに関しては、ジェフ・ベックの70年代の動画が一番参考になるかと思いますので貼っておきます。ベックはレスポール、ワウ、OVERDRIVER(3ノブ)、それとアンペグの小さなコンボ・アンプだけでこの音を全部作っています(この動画録音時のセッティングではワウも接続されてましたが、この曲ではワウは踏んでいませんね)。
今回MANLAY SOUNDが新しく作った「PRO BOOST」は基本的にこのPOWER BOOSTの4ノブの回路そのままです。トランジスタはシリコンですが、もの凄くクラシックなギターサウンドをクリエイトします。それは上のベックの演奏でもお判りいただけるかと思います。
そしてこのMANLAY SOUND「PRO BOOST」は、実は「乾電池2ケ」=18V稼働に対応しています。簡単にその経緯を申しますと、もともとCOLORSOUNDのPOWER BOOSTには回路的にいくつかのバリエーションがありました。
最も初期のバージョンは18V稼働、次のバージョンも18V稼働で一部抵抗値が変更、その後のバージョンは9V稼働、そしてその後に9Vで4ノブに、という変遷をたどっています。
今回のクローン「PRO BOOST」では、18V稼働なんですけど、9Vでもちゃんと動作します。電池2ケ=18Vで動作させればより大きなヘッドルームを生むので(そのあたりは、最近のクリーンブースト系のペダルでも同じ効果を持つモノがありますよね)、プレイヤーのお好みで選んでもらえるようになっています。
選んで、と書きましたが、2種類発売するわけではありません。電池が2ケ収納できる設計ですが、1ケだけ電池いれても使えますよ、という設計になっています。右上の写真で、乾電池が2ケ入っているのがお判りいただけますか?(写真の下のほうで、切れ気味になっちゃってますが)。これはもちろん、オリジナルの18V仕様のPOWER BOOSTに準じたスペック、ということになります。
オリジナルのPOWER BOOSTとちがって(笑)、MANLAY SOUNDのPRO BOOSTはハンドメイド/ハンドワイアード/PtoP配線/トゥルーバイパスです(オリジナルはプリント基板なので)。また、最近のニーズに対応するため、DCジャック(9V/18V)とLEDインジケータがついています。
実際の音は、もうじきYOUTUBEにアップロードされるであろうMANLAY SOUNDのデモ動画をお待ちいただければと思います。また、価格等は入荷後にあらためてお伝えできると思いますので、ご期待下さい。
で、余談になりますが上に挙げたジェフ・ベックの動画ですけど、これ最強じゃないスか? 鬼の様にギターのボリュームいじってるのもスゴイんですけど、なんツってもバックの演奏も凄いですよね。ジェフ・ベックといえば「指弾き」の印象がもの凄く強いですが、この曲は全部ピックで弾いてますよね。そんな点も興味深かったりします。そしてOVERDRIVER(=POWER BOOST)を1ケ挟んでいるとはいえ、演奏中には切り替えてないので、この曲に出てくるギターの音色のバリエーションは全部ギターのVOLと、あとはピッキングだけで作ってるというのもよく判って、さすがベック兄イ、と感心しきりの動画です。シャツも素敵ですし(笑)。
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