
すでに言うまでもなく、BURNS BUZZAROUNDとELKA DIZZY TONE、そしてSOLA SOUND TONE BENDER MK3は回路がそっくりです。ていうかほぼ同じ、と言って過言でないでしょう。その回路の開発者が誰かは今もわかっていませんが、2000年代のBUZZAROUND復刻品(製造は英JMI、英BURNS社の正規ライセンスによって発売されました)に関しては、TONE BENDERの開祖(笑)ゲイリー・ハーストが製造を監修した、ということも以前触れた通りです。

さてさて、今回ここでご紹介するのはそのELKA「DIZZY TONE」のクローン・ファズだ、とうたっている新製品です。米ミシガンにあるJEXT TELEZというブランドが発売した「DIZZY TONE FUZZ」です。
製造に関して、ホンモノのELKA DIZZY TONEの回路を全部バラバラにし、パーツの数値を徹底的に計測し、その数値に基づいて設計された、と説明文に書いてあります。

「SUSTAIN」がファズの歪み、「BALANCE」がボリューム、「ATTACK」がトーン、ということになってはいるのですが、それぞれのツマミが相互作用してしまうので、どれかをヒネると音量まで変化してしまう、という、例のヤツです(笑)。まあ、仕方ないですよね。オリジナルがそうなってるんだから。

このJEXT TELEZ DIZZY TONEで使われているトランジスタはブラックキャップのムラードOC44を3ケ使用した、通称VER.2、それとイエローキャップのムラードOC44を使用した通称VER.3の2つがあって、共に40ケ限定製造、だそうです。




というワケで例によってサンプル動画。実はJEXT TELEZのホームページもそうですし、このサンプル動画もそうなんですが、ハリキってすげえ立派なデモ演奏が披露されています。デモの使用ギター〜アンプ〜スピーカーあたりも丁寧に説明してます。ギターもハムとシングル両方を使ってくれてるので、その効能が判りやすいですよね。ていうか、正直どっち使っても強烈なブットいファズサウンドになってしまうので「ギターはなんでもいい」というまさしく荒々しいファズと言えるかもしれません(笑)。
実は当方は、実際のELKA DIZZY TONEに関して現物の音を聞いたことがありません。なので、それとの比較ができないのですが、JEXT TELEZの解説文にあるように、ミッドローに歪みが集中したクラシックなファズですよね。結構歪みのキメも細かいのがわかりますが、注目ポイントは「ATTACK」をイジったとき、です。デモ奏者が「ここをヒネると中域の量がバサっと変わる」と言ってます。つまり、トーン効果とはいえ、左にヒネルとローが出て、右にヒネるとハイが出る、というコントロールではないんですね。そのあたりがこの独特の古めかしい(笑)ファズ・コントロールのキモなのかもしれません。
さてさて、DIZZY TONEといえばバーンズBUZZAROUND、で、BUZZAROUNDといえばフリップ先生ですよね・・・ 実はまだフリップ先生の81年インタビューの翻訳を終えていません(笑)。何ヶ月かかってんだ、と己に言いたくなりますが、もしお待ちいただいてる方がいれば、しばし猶予を頂戴したいな、と思います。
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