6.23.2015
Sola Sound - Tone Bender Professional MK2 - Green Bastard (with OC82D, made by D.A.M.)
またまた出ました。大英帝国が誇る現代のTONE BENDER職人、デヴィッド・メイン率いるD.A.M.が制作、現在SOLA SOUNDのブランドライツを持つMACARI'Sを通じて販売されるTONE BENDER復刻品です。今回も中身はMK2。ということで、同じ製造体制にて過去にもMK2の復刻品がありましたよね。
ひとつはトランジスタにシルバーキャップの英MULLARD OC84を3ケ使ったもの(こちら)。もうひとつは青い筐体で、トランジスタには無印のブラックキャップOC75を使ったSCB(=SHORT CIRCUIT BOARD)モデルというもの(こちら)。で、今回のこの復刻品はそれらに続くMK2の新製品となります。
先に書きますが、お値段メッチャ高いです。当方は早々に購入を諦めてしまいました。無い袖は振れません。なので写真だけを眺めてヨダレを垂らすことが決定しております。今円安だというせいもあるのですが、こちらの新製品、14万円ほどしてしまうという(笑)。ちょっとした立派なアンプが買えてしまいますね(笑)。いや値段に文句言う気はないんですが。
で、この新しいD.A.M.製TONE BENDERですが、ご覧のように青い筐体です。しかし以前のSCBバージョンのものよりもやや鈍い(濁った)青、といいますか、少し緑がかった青のカラーですよね。これには実は理由があります(後述)。
見た目はともかく肝心なのは中身です。今回デヴィッド・メインが選んだトランジスタは英MULLARD製のOC82D、しかもグリーンラベルのものです。こんなのよく見つけたな、と思えるほど超貴重品のトランジスタです。
実は以前、デヴィッド・メインは英MULLARD OC82DMというシルバーキャップのトランジスタを使ったMK2回路のTONE BENDERを販売していたことがあります(こちら)。よって今回も音の方向性に関してはそれと同じ、と考えて差し支えないでしょう。いわゆるフックラとブーミーで、キメの細かいブットい歪みを生み出すMK2サウンド、というワケですね。
今回もこの新製品の発表にあたり、デヴィッド・メイン自身がネットでコメントを出しています。いわく、MACARI'Sのオーナーから「何か新しいMK2のアイデアってないかな」というリクエストから生まれた新製品であること、ホワイトジャケットのOC81Dよりもよりホットな歪みになるのでこのグリーンジャケットのOC82Dを選んだこと、筐体のカラーニングはトランジスタの色にあわせて「グリーン・ハンマートーン」にしてみた、等とコメントが残されました。
デヴィッド・メインは今回のこのモデルをGREEN BASTARDという名で呼んでいます。つまり彼の中ではこちらは「緑」のTONE BENDERということなんでしょうね。で、以前のSCBモデルは「青」だと。今回のこの緑のTONE BENDERは限定50ケだそうです。実はこの新製品プロジェクトが発表されたのは去年(2014年)の年末だったのですが、順次出荷され今やっとMACARI'Sのお店にも在庫されたようです。
D.A.M.の新製品が出る度にデモ動画を制作しているpinstripedclipsさんが今回も動画をアップしたので、それを貼っておきます。いやあ、日頃TONE BENDERの各種モデルに関してすげえ細かい些細な違いをあげつらってる当ブログ執筆者ですが(笑)、こういう動画みても「あーやっぱTONE BENDERいいねえ!」と最初に思ってしまうという単純脳。いやいや、それだけじゃこんなブログを書く意味がない(笑)。何がどう違うのかを比較したいですよねやっぱ。
というワケで動画をもうひとつ貼っておきます。こちらは例のBUILT TO SPILLというバンドのギタリストであり、本人もTONE BENDERマニアだというJERMSさんによる比較検証動画。今回の緑(トランジスタがOC82D)、以前の青(SCBバージョン)、それとD.A.M.が自分のブランドで出したOC75のMK2、という3つのTONE BENDER MK2の比較をしています。ATTACKのツマミをそれぞれ変えての音も比較していますね。
どうですか。ほとんど一緒じゃねえか!と思ったあなた。ええさすがです、鋭いです。3つとも全部D.A.M.が作ったMK2回路のTONE BENDERですからね。やはり同じニュアンスになります。いやいや、やっぱビミョーに違うぞコレ!と思ったあなた。いやーさすがです。あなたも鋭いです。そう、3種類ともトランジスタが全部違いますから、違いが出るのも事実です。どれがいいか、何がいいのか、を決めるのはもう実際にこのファズを踏むギタリストさんご自身しかありえません。
たしかTHE EFFECTOR BOOKの初期の頃だったと思うのですが、デヴィッド・メインは自身の連載記事の中で「TONE BENDERのサウンドで最も重要なのは正確な回路を理解すること。パーツ選びは2の次」と言っていました。そういう意味でも、世界中に数多あるTONE BENDER関連ファズの中でもいつも一定のテイストを演出・提供しているD.A.M.製品はやはり「正確に回路を理解した上で制作している」ことの証左であると言えますよね。
いわゆるジミー・ペイジなトーンとはちょっと違うTONE BENDER MK2の歪みとなりますが、こっちのほうが実は純粋な意味でのファズらしいファズ、と言えるのかもしれません。動画をマジマジと見ててそんなことを思ってしまいました。
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