7.20.2015

a new "PIG" sound "M-200" Coming Soon from Manlay Sound

 
 速報です。というか、まだ完全に仕上がってないんですが、情報漏洩しちゃいます(笑)。実は米MENATONEの作る例の「PIG」というペダルに感化されまして、スペインのMANLAY SOUNDでも「あの伝説のマーシャルMAJOR初期バージョンのシミュレート・ペダルを作れないか?」という相談を、ここ1年以上行なってきました。で、結論を先に言いますと、スペインのMANLAY SOUNDでも作ってみたぞ、というわけです。名前はM-200と言います。現時点では、日本での発売時期、発売価格、販路は未定です(笑)。

 何度も書いてきましたが、筆者に違わずスペインMANLAY SOUNDの主宰ROMAN GIL氏もミック・ロンソン・サウンドというやつにゾッコンLOVEな方でして(笑)、アメリカのMENATONEがPIGを作ったことも知ってました。メールで当方が持ってるブツの中身とか音とかいろいろ送った上で、彼も作ってみたい、と思ったそうです。

 うん、そうだよね、だったらMANLAY SOUNDの新しい製品になるよね、でもね、PIGと同じペダル作ったんでは何の意味もない。じゃあどうすんべ、という話し合いを延々と繰り返しました。そこで出たアイデアがいくつかあります。列記してみます。

 ひとつは回路。今はもうホンモノのマーシャルMAJOR初期型(2インプット)の回路図がネットで出回っています。まずはそれを純粋にエフェクターで再現してみよう、ということ。米MENATONE PIGの場合は、最後にアウトプットのツマミがあったり、どのツマミも思いのほか効きが激しい(歪みやすい)ということもあり、まずはアンプの回路図に純粋に従って回路を見直そう、ということです。
 また、MENATONE PIGの場合はシリコン・トランジスタの組み合わせであの音を作っているのですが、後発となるMANLAY SOUNDのほうではFETを使おう、という考えです。

 すでにご承知の方も多いと思われますが、FET(電界効果トランジスタ)は真空管の動作を再現するのに一番動作原理が近い、とされています。FETを真空管代わりに使って、コントロールも本物のアンプ同様に3ノブにして、よりアンプライクなペダルになるんじゃね?というアイデアなわけです。

 さらに、このM-200には新たに加えられたモディファイがあります。それは出力段に取り付けられたトグルスイッチ機能です。このスイッチは何を切り替えるかというと、このペダルの最後の段(MASTER VOLUMEのツマミ)が生み出す歪みを高めに設定するか低めに設定するか、を切り替えます。本来のアンプにそのまま近い値で使うなら「HIGH」を選べばいいのですが、何故これを付けたか。それは「実際にこのM-200を繋げるアンプ側のパワー部の歪みを生かしたいとき」のためです。実際のアンプでEL34だったりEL84だったりKT66だったりKT88だったり、ギタリストの方はもちろんそこにもコダワリがあると思われますが、それらの真空管の生むドライヴ感を殺したくないという時の為にあえて「LOW」セッティングを用意しました。

 別に当方もMANLAY SOUNDもMENATONE PIGに文句があるわけじゃなく、オーバードライヴ・ペダルとしてはもう個人的な好みで言えば最高の部類に入ります(今当方が持ってるエフェクターの中で「必需品は?」と聞かれたら間違いなく「MENATONE PIG」と答えるでしょうね)。ただ今回の場合、もうちょっと本物のアンプのように動作しないかな、と考えたわけです。なので、音としてはMENATONE PIGよりもこのMANLAY SOUNDの新製品のほうが「控えめ」です。

 なんと言ってもマーシャルの初期型MAJORは、「このアンプでしか出ない」という特別なサウンドを持った唯一無二のアンプです。それをアレコレ再現してみよう、というブランドが世界のあちこちにあったっていいんじゃない?とは思います。基本回路は本物のMAJOR初期型も、MENATONE PIGも、このMANLAY SOUND M-200も同じです。インプットから入ってきた信号は2つにフィルタリングされ、TREBLEとBASSの2つの回路でそれぞれ増幅され、その後にミックスされて、んで最後にグワっとパワーセクションでゲインを稼ぐ、というやつです。出来る限りピュアに、出来る限りミック・ロンソンの音に近づきたい!というヲタク心の成せる業、ですね(笑)。ヲタク心には日本もスペインも関係ありません。

 今回のペダルのデザインは当方ではなくスペインのROMANが自分でやりました。なので当方は基本的に中身も外身もタッチせず(とはいえ、1年以上アレコレと山のように相談しまくりましたけど。笑)、ROMAN GILが自分でアレコレ試行錯誤して出来ました。ペダルの左下に配置されたロゴは、ええ、お気づきの方もいるかと思いますが、デヴィッド・ボウイのアルバム「HUNKY DORY」で使われた書体と同じですね。うん、あのアルバム、ROMAN氏は大好きなんですよね。当方がラベルデザインをしたらこうはならないんですけど、これはこれでMANLAY SOUNDらしくてアリですよね。「フォントのことなんて誰も気付かないと思うけど」とROMAN氏は言ってましたが、おいお前、日本のボウイ・ヲタクをなめんなよ。すぐわかったわ(笑)。

 そんなワケでスペインでは早速デモ動画をアップしています。実はここに至る以前の、プロトタイプ状態で音だし確認してみたという音声ファイルとか動画がウチのPCには山のように保存されているのですが、その試行錯誤の歴史を見るようで感慨深いです(笑)。最初はここまで音もまとまってなかったですからね。
 動画のコメントにもありますが、例によってギターはGIBSONレスポールカスタム、アンプはドイツのDYNACORDというメーカーの17Wアンプ、キャビはVOXの安い12インチ1発のやつ。アンプの音はクリーンで小さくしてあるそうです。だから、アンプのキャラはほぼ殺して、歪みは全部このM-200で作ったという音になります。

 今回のマーシャルMAJOR初期型をシミュレートした「M-200」は、MANLAY SOUNDの製品としては、以前からあったマーシャルJTM-45の音をシミュレートした「THE SOUND」に続くオーバードライブということになります。再度になりますが、これを書いている時点では日本での発売時期、発売価格、販路は未定です(笑)。進捗があり次第、またあらためてご報告しようと思います。
 

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