
同誌では過去にアナログ・ディレイ(vol.3)、デジタル・ディレイ(vol.13)、ディレイの使い方(vol.21)、と3度のディレイ特集をやってきました。特に最初の回は、テープ・エコーに焦点をあてて、ROLAND RE-201を大特集したりもしてきました。なのにまたエコー大特集です。ええ、この世界は奥が深すぎますね(笑)。今回は歴史的名器、イタリア・ビンソン社のECHORECというエコーの名器をこれでもかという数を集めて、これでもかという程検証しちゃったりしてるんです。回転式マグネット・ドラムという極めて珍しい機構を持った伝説の機械ですが、これでしか出せないド渋なエコー・サウンドの原理を徹底解明、という特集になってます。
もちろんBINSONだけで1冊の本を作る程出版社も無謀ではありません(笑)。テープ・エコー・マシンとしてはそれはもう圧倒的な認知をほこるワトキンスCOPICATやマエストロECHOPLEX EP-3といった大定番機材も紹介。そしてそして、現代に再現される、各種シミュレート機材もここぞとばかりにご紹介しています。

それにしても大昔のエコー・マシンを並べた写真というのは壮観の一言に尽きますね。メカメカしいほどにメカしまくったこの見た目だけでも素晴らしい。今回のエコー大特集に多大なるご協力をいただいたOSRUMの魚頭氏は「このハンマートーン塗装が大好きなんですよぉ」と、もはやエコー云々とは関係ない部分までそのコダワリを主張しまくる、という、ええ、いつものヲタク心満載の大特集です(笑)。

ザ・スミスのギター・プレイには世界中から熱い注目が集まりますが、ギター・サウンドのほうにはそれほど注目が集まりません。なんででしょうね? いや、別にそこを深く突っ込むつもりはないんですが、なんといっても80年代を代表するギター・ヒーロー。あのモリッシーというイギリスが生み出した大怪獣を相手に真っ向渡り合えるギター・アレンジを生み出せる人物は、ジョニー・マーしかいませんでした(ドルッティ・コラムのヴィニ・ライリーとかマーク・ネヴィンとか、他にもトライした人は何人か居ましたが、結果は推して知るべしですよね)。当方個人も80年代には最もコピーしまくった(でもロクに出来なかった)憧れのギター・ヒーロー。もちろん感慨深いモノがあります。
80年代の話はともかく(一応事前に本人から「昔話ばかり聞くな」っていう至極真当な要請が来てました)、ほんの僅かな取材時間にも関わらず、機材に関してだけ(!)あれこれと聞いてみました。それと、別に本人も「昔話はNG」というわけではなくて、自分から昔の話を切り出したりすることも多くて、結果、ザ・スミス〜ザ・ザ〜ソロに至るまで満遍なく機材変遷をご教示いただいたカンジになっています。


ジョニー・マーには幾度ものキャリアの分岐点があったハズですが、そういうものも全部ひっくるめてソロ・アーティストとして背負い込む覚悟、みたいなものが今の彼にはありますよね。恵比寿リキッドルームで「STOP ME」のイントロを耳にした瞬間、当方はマジ泣きそうになりました。エヘヘ。
そんなワケで今回もギッチギチにヲタク心満載のTHE EFFECTOR BOOK、お楽しみいただければ幸いです。
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