
今回の大特集は「PEDAL BOARD」。ペダルボード……えーと、既に当コラムをご覧いただいている方なら当然ご承知のことと思いますが、一応説明しときますね。ギター用エフェクターのことを英語でペダルと呼びますが(エフェクターと言っても殆どのギター現場では通じません)、それらが並んだボード=ペダルボード。つまり、ギタリストの「足下」のエフェクト・システムを指した言葉であり、同時にそのシステムをまとめたエフェクター設置ボードを指す言葉でもあります。
で、今回の特集は「有名なギタリストはどんな足下になっているか(いたか)」とか、どういう意図でこういう構成になってるのかとか、なんで今どきのギタリストの足下にはいつも〜〜があるのかとか、そういうノウハウを凝縮した特集です。よっていつものように「1ケのジャンルのエフェクターを総力特集」というものではなく、「組み合わせの展覧会」の様相を呈しています。
表紙に載ってる物体は、この度あのBOSSが総力を上げて同ジャンルのフラッグシップとなるべき商品を、とリリースしたプログラマブル・スイッチャー「ES-8」です。最近のギタリストの足下には皆スイッチャーが用意されてますよね。もちろんその方がルーティーンの構成を多様化できるだけでなく、音質という意味でもメリットがあります。その辺の詳細は是非本書を実際にご覧頂ければと思います。
ただ、本書にも書かれていないことですが(当然スね。笑)、スイッチャーの導入にはひとつの悩みが存在します。それはスイッチャー自体が高額であるという点でして。このBOSS ES-8も75000円くらいしてしまうという立派な機材です。んー。音が一切変わらない(というか変わってはいけない)エフェクターという、とてもヘンテコな機材でもあるスイッチャー、その世界は奥が深いです。
その他、日本のギター仙人の異名を持つ、人間椅子の和嶋慎治氏の特集(氏は自作エフェクターのノウハウ本を上梓したばかりです)もあったり、ベース用エフェクターのニューブランド、ダークグラスの特集もあったりします。誰も想像してなかった「7年目」という未開の地を暴走するTHE EFFECTOR BOOK、興味ある方は是非お手に取ってみて下さい。

この文章を書いているのは2015年12月20日の早朝6時です。昨日12月19日、東京お台場・ZEPP DIVERCITYにてドレスコーズのジャパン・ツアー千秋楽公演がありました。同ツアーはドラムに中村達也、ベースに有島コレスケ、そしてギターに越川和磨(以上敬称略)というとんでもないメンバーで編成されたドレスコーズでして、既に話題となっていることはファンであればご承知かと思います。
で、このツアーで越川氏が使用したギター・アンプはあのマーシャルPIGでした。ええ、1967年製のマーシャルMAJOR初期型、いわゆるホンモノの例のアレです(笑)。もうツアーは終わってしまいましたが、ツアー・ファイナルのライヴにはカメラが入っていたので、もしかしたら将来的に何らかの形でこの日の映像が出るかもしれません。今後どこかで機会があれば、是非その音を聞いてみて下さい。最高ですから。

札幌から電話してきて「あのアンプ貸して」と言われた時のことをよく覚えています。「実際に使うのなら、喜んで!」とナマイキな回答をして(笑)、その直後アキマツネオさんにフルメンテナンスを超特急でお願いしました。アキマさんにバッチリ完璧に仕上げていただいたそのPIGは、今回ドレスコーズのジャパン・ツアーにて無事大活躍してくれたと思います。爆音を日本中に轟かせた、と書くだけで、書いてるコチラもワクワクしますねえ(笑)。

でもね、機材とかホントはどうでもいいんです。ミック・ロンソンに似てるかどうかもドーデモイイんです。「鬼ドレスコーズ」と一部で異名を付けられた(笑)今回のツアーでしたが、ライヴ見て誰もがハッキリと感じたのは、中村達也がどんな人間か、有島コレスケがどんな人間か、越川和磨がどんな人間か、志磨遼平がどんな人間か、ということでした。鬼のようにキビシいロックンロールの数々を目の当たりにして、あそこの満員のお客さんは皆嬉し泣きしてたんです。ちょっとスゴイですよね。でもホントに、愛に溢れたすばらしい現場でした。その場にいただけで嬉しかったですし、純粋に楽しかったんです。


とにかく、素晴らしいギターを聞かせてくれたドレスコーズと越川氏に最大の感謝を。それから、その素晴らしい音の生みの親、アキマ氏にも最大の感謝を。
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