3.06.2010

Manlay Sound - 65 Bender (MK1 Clone)


 それではスペイン・バルセロナ発、MANLAY SOUNDによる完全ハンドメイドの新作エフェクターを紹介させていただきます。
 まずは先だって書いたように、プロのギタリストでもありビルダーでもある ROMÁN GIL氏と筆者が一番コダワったモデルでもある、TONE BENDER MK1のクローン・ペダル「65 BENDER」です。前述したように、ゲイリー・ハーストが65年に完成させたMK1のサウンドを完コピするモデルです。

 回路はポイントTOポイント、そしてトゥルーバイパス式になってます。写真でもご覧いただけるように、抵抗にはカーボン・コンポジット抵抗を使用。色は勿論オリジナルに敬意を表してゴールドのハンマートーン、そしてノブは当然ブラックのチキンヘッド・ノブです。

 ゲルマニウム・トランジスタには、オリジナルで使用されたOC75の代わりに日本製(松下)の2SB324を、オリジナルで使用された2G381の代わりにロシア(旧ソ連)製のMP20を2ケ使用しています(ただし、その時入手できたトランジスタの歪み値や価格、出音の結果によっては今後変更する可能性もあります。MK1の回路は正確なサウンドを出すことが極めて困難で、ROMÁN本人もしょっちゅう当方に「あーまたウマくいかねえや……D.A.MがMK1のコピーを作らなくなった理由がよく分かるわー」等とグチのメールを送ってくるくらいですから。笑)。可能なパーツをできるだけ集める努力はしてますが、どうやってもMK1のサウンドにならない場合、その時点でこのモデルは廃盤になります。ビルダーも当方もオールドファッションな人間なので(笑)、電源は9V電池のみで駆動します。

 以下、ビルダーROMÁN本人が書いたこのペダルの特徴です。
太く長いサステイン(特にハムPU使用時には更に倍!)
超過激なオーヴァードライヴ(ソロのみならずコードでも)
それでもギター本体のキャラクターは失われません(アタック=ファズのノブを最大にしても)

 上の文はキャッチコピーでもあるので、大げさな表現にはなっていますが、基本的にこの通りです。後々いろんな状況下でのデモ音源/映像をYOUTUBEに当方がアップしようと考えているのですが、すでにROMÁNがアップしている映像があるので、この65 BENDERの基本的なサウンド/音の傾向に関しては、まずそのビデオを参照していただければと思います。レスポールを使用したデモはこちらこちら(後者はファズの前にワウを繋ぐ、という特殊な状況下で使用した際のデモ映像です。ミック・ロンソン・ファンやジミヘン・ファンにはお馴染みの「実験」ですね)、ストラトを使用したデモはこちらになります。この65 BENDERはワウとのマッチングを考慮してインプット・インピーダンス設定がなされていますので、ワウ・フレンドリーなファズと言えます(バッファー等は使っていません)。ですから「ワウを前に繋いでも」リンク動画のようにワウの効果を活かせるファズになってるんです。
 なお、YOUTUBEのデモではRONNO BENDERというペダル名になっておりますが、本作65 BENDERはそのRONNO BENDERのアップグレード版になります。旧作RONNO BENDERに関しては改めて詳細を書く予定でおりますが、違いはカーボン抵抗を使用したかどうかと、レイアウト、ラベル、名前の違いくらいしかありません。

 THE EFFECTOR BOOKにも書きましたが、MK1のサウンドは数あるTONE BENDERファミリーの中でもかなり異色で、中域に偏った歪み成分、そしてやたらとデカい出力、それからやたら長いサスティンという特徴があり、そういったあたりをなるべく完全に再現しようとして65 BENDERは製作されています。
 ちなみに、TONE BENDER系に限らず殆どのアナログ回路の歪み系ペダルのサウンドは、言うまでもなくギターのピックアップのキャラや出力の値に大きく左右されます。ですから、お手持ちのギター(そして勿論アンプ)によってはビデオと同じ効果を得られるものを保証するものではないということは予めご理解願います。ビデオの中でROMÁNが演奏中に神経質なまでにVOLUMEノブをいじってるのが見えると思いますが、それだけでも歪みの具合がどんどん変化していくことも、お分かり頂けるかと思います。是非チェックしてみて下さい。

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