3.19.2010

Manlay Sound - Super Bender (MK2 Clone)


 スペイン・バルセロナ発のMANLAY SOUNDからリリースされているTONE BENDERクローン・シリーズの最後(一応、ですが)となるのが、このSUPER BENDERです。ソーラー・サウンドが66年に発売したゲイリー・ハースト・デザインのPROFESSIONAL MK2のクローンです。一個一個テストの上で選別したゲルマ3石のMK2回路を用いて、もちろんハンドメイド、PtoP配線、トゥルーバイパス、という作りになっています。

 MK1クローンが「65 BENDER」MK1.5クローンが「66 BENDER」だから、MK2クローンは、実際にマーシャルSUPA FUZZが67年に発売されてることもあって「じゃあ「67 BENDER」にしよう」と最初に考えたのも事実なんです。が、既に述べたようにMK2は66年夏頃には既に登場してますし、別にその数字にこだわりがあったわけでもないので、マーシャルSUPA FUZZにあやかって「SUPER BENDER」としてみました。もちろんここには「SUPA FUZZは実はTONE BENDER MK2なんですよ」という当方の(全くどうでもいいような)メッセージも込めてあります(笑)。

 こちらの基本回路には、数々のテストの上(実際、20種類以上のトランジスタをテストしました)今のところ日本製2SB324と、ロシア製MP20を2ケ、もしくはAC125MP20を2ケという組み合わせを用いています。オリジナルのMK2にはムラード製OC75、もしくはOC81Dが使われているわけですが、それらを3ケ組み合わせてみても、なかなかいい結果がでませんでした。何度も書いていますが、現状でファズに使用するための十分条件を満たしたOC75を探すのが大変なわけで、しかもOC75は価格がベラボウに高いこともあって、早々に見送ることにしました。抵抗他の数値はもちろんオリジナルに準じて構成されているので、その回路にあうトランジスタ、という前提で、現状では上記の組み合わせにしてあります。

 実はご多分に洩れず、筆者もジミー・ペイジの大ファンだったりするのですが(スペインのビルダーROMÁN氏は「俺はそんなでもない」とかいってましたけど。笑)、出音の基本として念頭にあったのはツェッペリンのファーストとセカンド・アルバムです。ジミー・ペイジがどうTONE BENDERをセッティングしていたかは未だに数多くの説と疑問が残されたままですが、TONE BENDERを通す、という行為が一般的なエフェクターという意味での「大爆音で激歪み」というファズの用途に限定されたものではなく、「レスポールでテレキャスみたいな音をだす」という効果を生み出した/広めた、というペイジ先生は、やっぱり尊敬しちゃいますね。

 そんな敬意を込めて、というわけでは全くなかったのですが(笑)、このSUPER BENDERには一番上のシンプルなロゴ模様のほかにも、ここに掲載したような「ZEP仕様」ラベルもあります(当方とROMANの間では、通称ZOSOラベル、と呼んでいます)。こちらはとある海外のZEPマニアの要望に答えるために、当方がサササっとコサえたデザインなのですが、一応スクリーンもそのまま残っていますので、ご希望の方がいらっしゃればこちらのラベルにて製造することも可能です。その場合も価格はかわりません。ただし、このZOSOロゴのモデルは作り置きをしていないので、ご要望があってからの製造になります。多少のお時間をいただくことをご了承ください。

 そして、このSUPER BENDERも、ビルダーのROMÁN本人によるデモ映像がYOUTUBEに既にアップされていますので、こちらを是非参照してみてください。ソロノートでの超ロング・サスティーン、それからギター側のヴォリューム・コントロールに敏感に反応するその歪みの量と、しぼった際のクリアかつふくよかな音を是非チェックしてみてください。これまでの「65 BENDER(MK1クローン)』「66 BENDER(MK1.5クローン)」のいずれとも違う、独特のファズ・テイストだと思います。ファズ側のATTACKノブも、ゼロ、12時、最大、とパターンを変えてデモ演奏しているので、そのあたりも参照していただけたらと思います。
 経験者の方であればおなじみとは思われますが、TONE BENDERにあまり馴染みのない方には、レスポール/ハムバッカーPUで、TONE BENDERを通してヴォリュームをしぼるだけで、ここまでチャキチャキのサウンドが出せることを知らない人も多いかと思われます(ちなみにROMANの持っているレスポール・カスタムは75年製のメイプルネックのLPCで、ギターには全く改造されていません。ピックアップもオリジナルのTトップ・ハムです)。その辺を楽しんでいただければ幸いです。

 そして更にもう一つ、このMANLAY SOUND SUPER BENDERには特別仕様ともいえるモデルがあります。それはトランジスタにOC75を使用したバージョンです。ただし、上述の通り「試してみて、うまくいった場合のみ」に製造することになっているため、生産数のメドがたたないということもあり、受注をお受けすることはできません。実は当方がどうしてもOC75のバージョンが欲しかったので無理をいっていろいろやってもらってたのですが、今のところ2ケしか完成していません。OC75バージョンの為に、決して安くはないOC75を100ケほどいろんな場所から入手したのですが、今後全部をチェックしてみてMK2としてバッチリなサウンドになるものが何個できるかはこれからのテスト次第、ということになります。

 もし音の面でうまくいけば、今後そのOC75バージョンはすべて日本に入れてもらうことにしているので、他のMANLAY SOUNDのペダルとともに本サイトを通じて販売させていただきます。ただし、上記のような理由もあってOC75バージョンは価格が他よりもボンと跳ね上がることは、あらかじめご了承ください。

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