実はこの“MK1”にも細かく言えば3種類程のヴァリエーションが存在します。ひとつは前述した楽器店MUSICAL EXCHANGEで販売するためにゲイリー・ハーストが作ったもので、一般に「GARY HURST TONE BENDER」と呼ばれています。2つ目はソーラーサウンドというブランドのためにゲイリー・ハーストが製作/納品したもので(実はこのソーラーサウンドもMUSICAL EXCHANGEグループが運営する機材ブランドなので、殆どそこには経営上の違いがあったわけではないと推測されます)、「SOLA SOUND LTD.」の文字がプリントされているものです。つまりその2つは細かなプリントの違い以外、全く同じモノらしいですが。
左の白黒写真は発売当時の雑誌広告ですが、よく見ると「MUSICAL EXCHANGE(SOLA SOUND LTD)」とありますね。大げさにくくってしまえば、当時のMUSICAL EXCHANGEとSOLA SOUND、ゲイリー・ハーストはみなグルになって(笑)製品開発をしていた、と考えて差し支えないと思います。
最後の3つ目は(ロンドンのソーラーサウンドではなく)リーズという都市に所在してたJHS(JOHN HORNBY SKEWES)という楽器メーカーが、上記した金色のTONE BENDER MK1をまるごとコピーして作ったモデルで、ZONK MACHINEと名付けられた青いファズ・ペダル(写真右下)です(なんと今年2010年冬、英JMIがこの青いZONK MACHINEを復刻しました。中身がMK1と同じとはわかっていても……機会があれば試してみたいですねえ)。本来はこのJHS製品をTONE BENDERとは呼べないのかもしれませんが、65年に発売され、全く同じ回路をもつファズ、という意味でも、かのデヴィッド・アンドリュー・メイン氏も「従兄弟と呼ぶべき存在」と語っています。ちなみにこちらも今ではほとんど現存していないほどレアで、おそらく今これを所有してるのはもしかしたらD.A.Mのデヴィッド氏を含め2〜3人位なんじゃないでしょうか。
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