5.07.2010

circuit of MK1.5 / Fuzz Face (part.2)


 ただ今、この5月末に発売されるTHE EFFECTOR BOOK最新号の制作作業がまさしく佳境を迎えております。ゴールデンウィークなぞどこ吹く風、五月晴れなんてカンケーネー、とばかりに、シンコーミュージックの編集S氏ともども当方もPCの前でシコシコと作業に没頭しております。ここでスクープ!というわけでもないんですが、今月末に出る「THE EFFECTOR BOOK」最新号の内容の一部を先取りでちょっとだけご紹介します(無断で勝手に暴露するわけではなくて、編集部の許可を得ていますよ)。

 アーティスト・インタビューのページではスガシカオ氏が登場、彼がワウ・ペダル(とマイケル・シェンカー!)への愛を語っています。愛機IBANEZのWH10とWF10の違いは何か等、例によってマニアックな内容の、他では読めないインタビューになっています。
 お前のペダル・ボードを晒してくれよ、のコーナー「PEDAL BOARD PROFILING」では、WILCOのネルス・クラインを捕獲。飛び道具系エフェクトだけでなく、スライド・ギターやコルグKAOSS PADまで駆使する彼のブっとんだサウンドの秘密に迫ります。
 そして今回の大特集は「モジュレーション・ペダル」です。今回は特にモジュレーションの中でもフェイザーを中心に、揺れもの系を総力検証しています。この特集の中で、数ある揺れものペダルをかたっぱしから試奏しそれぞれをレビューしているのは、バービーボーイズのいまみちともたか氏です。
 上の写真は、今号の表紙用にCG制作したバーチャル・スケルトンのMXR PHASE 90です。実はこちらの画像はアウトテイクでして、実際の表紙にはこれの別バージョンが掲載されています。この他いつも通りに(笑)ギュウギュウに情報を満載したTHE EFFECTOR BOOKの最新号、今月末の発売をお楽しみに。
 さて、前回に引き続きTONE BENDER MK1.5回路とFUZZ FACE回路の話の続き、です。前回書いたように、それらの回路はもう殆ど同じものなわけですが、世界中のファズ・マニアは、数多あるクローン・ペダルそれぞれが「ちょっとずつ音が違う」ということは既にご存知かと思います。今回は我がMANLAY SOUNDが制作・発売したTONE BENDER MK1.5クローンの「66 BENDER」と、FUZZ FACEクローン「BABY FACE」に関して、ビルダーのROMAN GIL本人の弁を交えてご紹介します。

 まず66 BENDERに関して。オリジナルではトランジスタには2ケのOC75が使われていますが「Q1(初段)のトランジスタのほうにゲイン値が高いものを置いた方が結果がいいので、Q1とQ2では違うトランジスタを使う事にした」とのこと。当初はQ1に日本製2SB324を使っていましたが、今Q1用に新たにIT1322というゲルマニウム・トランジスタをテスト中、とのことです。Q2にはAC125を使用しています。「TONE BENDER MK1.5は、ゲルマ2石のファズの最も原始的かつ洗練された回路なので、トランジスタのみならず抵抗やポットの数値の影響が音にモロに出る」んだそうです。

 それからFUZZ FACEクローン・ペダルBABY FACE ゲルマニウム・バージョンに関して(BABY FACEは「青」がゲルマ版、「赤」がシリコン版になります)。どのゲルマニウム・トランジスタを使うか、実は今だに決定していません。オリジナルで使用されたNKT275は今では入手が困難なこと(余談ですが、最近コーネルから発売されたFUZZ FACEクローン「THE 1ST FUZZ」は、NOSパーツのNKT275を使用していることで話題になりましたが、あっという間にNKT275のストックが尽きたらしく、早々に廃盤となる事が決定しましたね。デニス・コーネル本人は「なくなったら作るのヤメるから」と最初から告知していたそうですが、こんなに早いとは正直思いませんでした。笑)、さらに加えてROMAN本人が大のジミヘン・マニアなので、音に納得がいくまで延々とテストを続けているからです。
 当方が10ケほど持っていたNKT275も、既にスペインに送ってあるので、勿論それもテストしてもらっています。また、数多のFUZZ FACEクローンで使用されることの多い、傑作(鉄板?)ゲルマニウム・トランジスタのAC128も勿論テスト中です。が、最終的にどういうトランジスタの組み合わせになるかは、もう少々テストの時間をいただきたいと思っています。

 ROMANいわく「FUZZ FACEクローン・ペダルの殆どで、470Ωの抵抗の部分は1Kの抵抗に変更されている。コーネルのクローン・ペダル(写真左)もそうだった」そうです。これは「ハムバッカーピックアップを使用した際に、歪みが埋もれてしまって音量が小さく感じてしまうことへの対処のためのMOD」だそうで、今ではスタンダードなMODということです。勿論MANLAY SOUNDのBABY FACEでも、そのMODは加える予定でおります。
 さらに、オリジナルのビンテージFUZZ FACEに関してよく話題となっていた噂——「時としてラジオの電波を拾ってしまう」。実はこれは真実でして(笑)、古いFUZZ FACEをお持ちの方なら経験されたことがあると思います。この噂は日本だけの話ではなくて、スペインでも同様で、ROMANの持ってる古いFUZZ FACEもラジオの電波を良く拾うそうです。
 その弱点を回避するため、多くのFUZZ FACEクローンは抵抗値をかたっぱしから変えてしまうことが多いわけですが、BABY FACEに関しては、「最もシンプルに、オリジナル通りに」と考え、オリジナル回路とほぼ同様の数値の抵抗を使うことにしています。どれだけラジオ電波をよく拾うのか、はちょっと保証はできかねますが(笑)

 ところで、FUZZ FACEといえばシリコンだろー、という人が多いであろうことも事実なわけでして、BABY FACEシリコン・ヴァージョン/赤は、ゲルマ版に先行する形でつい最近やっと完成しました。使用したトランジスタはBC337です。こちらに関しては、近日中に現物が到着すると思われるので、後ほど改めてその制作過程も含めて、音や映像を交えて紹介したいと思います。写真はデモ演奏中のROMAN本人。今回はいつも以上に演奏がハデですね。あとシャツも(笑)。
 

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