5.29.2010

JMI Tone Bender MK1 - Mick Ronson Signature

 
 ご無沙汰の更新になってしまいました。おかげさまでMANLAY SOUNDの3つのTONE BENDERクローン「65 BENDER」「66 BENDER」「SUPER BENDER」は順調にオーダーいただいております。お買い上げ下さった皆様、ありがとうございます。勿論、かなりマニアックなファズであることは事実ですので、パカパカと売れるものではないってことは想像していましたが、世界中のファズ・マニアに是非お試しいただければ幸い、と思ってます。

 さて、今回はJMIが発売したTONE BENDERのミック・ロンソン・シグニチュア・モデルのお話です。当方は今年の頭英国から直接入手しましたが、ようやくこの春日本でもイケベ楽器さんを通じて入ってきたようですね。

 ではそのガタイを見ていただきましょう。横40cm弱、縦30cm強、高さ7cmほど、というバカデカい木箱に仰々しく入っております。中にはエフェクター本体、証明書、ミック・ロンソンの写真1枚、昨年新たに改訂された、ミック・ロンソンのバイオグラフィー本、といったものが収められています。

 JMIによれば全世界限定250ケで、当方の持っているのはシリアル4番です。証明書とシリアルのステッカーには「SAMPLE」と入っていて、なんだよ商品じゃねえのか?俺はちゃんと金払ったぞ、などとどうでもいいことを思い起こさせますが、どうでもいいですね。とにかくこれがロットとしては最も初期に作ったモノであることが判ります。というのも、昨年の夏(?だったかな。正確には忘れちゃいましたが)にミック・ロンソン仕様が出るよ、というニュースを読んで、すぐにJMIにメールしたものですから。それからなんで延々と待たされたのかは判りませんが、まあそういうことでした。

 木箱、本体にはそれぞれミック・ロンソンのサインが(もちろん印刷で)入っています。このサイン、どっかで見たなあ、と思い出したのですが、恐らくこれは未亡人(スージー・ロンソン)さんが持ってたサインで、アメリカのギター・ショップGUITAR HANGERがショップ限定でGIBSON CS製 LES PAUL CUSTOM 68 MICK RONSON TRIBUTE MODEL(写真右/今はもう作ってないハズです)を作ったときに、そのヘッドの裏にプリントされたサインと同じものだから、だったんですね。そのGUITAR HANGERというショップには、70年代にミック・ロンソンが実際に使用した、あの伝説の1968年製LES PAUL CUSTOMの現物が(ロンソンが使ったMARSHALL MAJOR 200Wアンプと一緒に)保管されています。

 脱線してスイマセン。戻りましょう。添付されているロンソンの写真は、有名な1973年7月4日の、ハマースミス・オデオンでのコンサートの時の写真、と思われます。イケメンのいい男なのに、ロンソンもギターソロ弾くときは、いっつもあんなシカメッ面になっちゃうんですよね(笑)。

 で、重要なのがこのバイオ本「THE SPIDER WITH THE PLATINUM HAIR」です。著者名「WEIRD AND GILLY」となってます。これはDAVID BOWIEの曲の歌詞から持ってきた偽名、つまりペンネームで、身元は明らかにはされていないのですが、この人たちは現在ミック・ロンソンのオフィシャルWEB SITEなんかの運営にも携わっている方々だ、と聞いています。中には吉井和哉(元YELLOW MONKEY/というか、日本一有名なミック・ロンソン・ファン、として既に皆様ご存知かと思われます)氏がロンソン未亡人とやり取りしたいくつかの手紙やその経緯、なんて文章も載ったりしています。なんとかこの本の日本語版が出せないかな、なんて企んだりして、ちょっとだけいくつかの出版社に掛け合ったりしたんですが、今のところ無理っぽさそうですね(笑)。まあ、ロンソンですからね・・・ 当方が自費出版しちゃおうかな、とも思ったんですが、金ねえし・・・(笑)

 えー、話を再度戻します。JMIの証明書には、未亡人スージー・ロンソンさん(註:これまでここを「ゲイリー・ハースト」と書いていましたが間違いでした。さっきJMIのHPみて気づきました。スイマセン)のサイン、それからシリアル部分にはなぜか「SAMPLE」の文字が。
 そしてペダル本体ですが、ご覧のように、通常版のJMI TONE BENDER MK1 REISSUEとロゴプリント以外はまったく同じものです。裏には電池の交換のためのフタがあり、その下には製造日、モデル名、そしてシリアルがステッカーで貼付けられています。このステッカーは同じものがボディ内部にも貼られてます。
 中身もご覧のように、通常版MK1と同じです。トランジスタは初段にOC75、2〜3段目には2G381が使われています。イエローキャップ他、この辺のパーツはもう世界共通、と言ってもいいかもしれませんね(ちなみにMANLAY SOUNDの65 BENDERでは、イエローキャップをやめてカーボンの抵抗を使っていますが)。

 音に関しては、とりわけミック・ロンソン仕様が通常版と違う、というわけではありませんでした。このシグニチュア・モデルの発売が発表されたとき、JMIは「ミック・ロンソン本人のMK1を実際に検証して、いくつか回路の数値を変更した」と言っていますが、実際この出来上がったモデルがどういう変更を施されたかは、外見上、さらには出音の聴感上はわかりませんでした。
 JMIのTONE BENDER MK1リイシューは、若干ハイがキツく出る印象があります。これはMANLAY SOUNDの65 BENDERや、他の個人製作のMK1クローンなんかと比較して、の上での感想でしかありませんが。当方だけではなく、知り合いの楽器屋さんの見解も同様のものでした。ただし、それはほんのちょっとの差でしかなく、ほぼ完璧にMK1の音といって差し支えないと思います。それよりなんと言ってもこのガタイ(笑)。最高です。おまけにロンソン仕様、というわけですから、ボウイ/ロンソン・ファンのみならずグラム・ロック・ファン必携、てカンジでしょうかね。

 このシグネチャー・モデルの宣伝ビデオがJMIによって作られていて、それは既にYOUTUBEにアップされてるんですが、そこに登場してるのがなぜかジョン・パーなんですよね。あの「NAUGHTY NAUGHTY」「ST. ELMO'S FIRE」で有名な、あのジョン・パーなんですかね。顔を見る限り同じに見えますが(笑)。残念ながらジョン・パーはギター弾いてるわけではなく、箱の中身を紹介してるだけですが。
 音に関する映像は、こちらにある通常版JMI TONE BENDER MK1のビデオでなんとかわかると思います。このビデオではアンプがフェンダー(HOT ROD?でしょうか? スイマセン確証なくて)だったりするので、ちょっとこれだけではイメージ掴みにくいですが、音の傾向としてはこんなカンジなのは間違いありません。

 
 このミック・ロンソン・シグニチュア・ファズがマニア向けのメモリアルなグッズであることは間違いありません(値段もメチャ高いですし)。ですがミック・ロンソンを通じてファズの魅力の広さに気づかされた、という筆者のような人は他にもいると思われます。でも、このファズがあの70年代のロンソンのようなサウンドを手軽に手に入れるディバイス、というわけではないんですよね。それはこのエフェクターだけの話ではなく、ロンソンが当時使ったCRY BABYワウも、MARSHALL MAJORアンプも、そしてLES PAUL CUSTOMも同様です(実は他にも挟んであるエフェクターがあったりしますし)。
 これは完全に当方の独自研究、そしてネットを通じていろんな人に質問したり確認したり、の上の想像の域を超えませんが、今後、ちょっとロンソン・サウンドの再現方法を当サイトでも再度検証してみようと思います。
 

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