
70年代にイタリアのJEN社はシリコン・トランジスタ3石の回路を持つ「TONE BENDERの息子」のようなファズを製造しましたが、以前のようにイギリスのソーラーサウンド製TONE BENER の回路(シリコン・トランジスタを採用したMK3やMK4等の回路)の流用ではなく、なぜ独自の回路を採用したのか。
それは、前回の終わりのほうの話とダブりますが、欧米中の各楽器メーカーからイタリアのJEN社に製品の製造発注、いわゆるOEM供給要請が相次いだからだろう、と考えられます。経営の拡大路線、ということになるんでしょうかね。

つまり、あのグレーや黒のダイキャスト製のゴツい筐体にオサラバして、新しい筐体で新しいファズを、と考えて開発されたのがこのシリコン3石の青いファズだと考えられます。



またRICKEN'Sという謎の会社(スイマセン、現時点でまったく詳細が判っていません)も同じくJENからのOEM供給を受けて、JEN FUZZ 3と同じ回路のファズを発売しています。このRICKEN'Sというブランドからは、同様にJEN製造のフェイザーも同時発売されていたようです。
そして、イタリアのFBTという会社からも、この青い筐体のファズが発売されています。JENと同じイタリアなんですけど、その辺どうなんでしょうねえ(笑)。
それらは写真でもわかるように、いずれも同じ筐体、同じ回路で構成されています。



この当時イギリスのJMI社は既に会社をたたんでいましたが、「VOX」というブランド名のついた製品はアメリカのトーマスオルガン社が引き続き発売していました。その為もあってか、70年代になってもJEN社は「プラグイン・シリーズ」と呼ばれる小さなエフェクターを米トーマスオルガンのVOXブランド向けに製造しています。TREBLE-BASS BOOSTER(トレブル/ミッド・ブースター)やREPEAT PERCUSSION(トレモロ)という、黒くて小さな箱に入ったものが有名ですよね。これらは最も初期には黒い箱ではなくて、鉄製の細長い筐体に入ってた時期もありましたが、それらは殆ど見かける事さえないくらいレアなモノとされています。

ちなみに、この時期にJEN社はファズとワウをくっつけた複合機も開発・製造し、欧米各国の楽器ブランドに供給しています。そのファズ・ワウはアメリカではトーマスオルガン社がVOXブランド名義で、もしくはユニコード社の製品としてFUZZ WAHという名で発売されていました。イギリスではダラス・アービター社が自社ブランド品(もしくはサウンド・シティー・ブランドのものもあります)FUZZ WAH FACEとして、そしてイタリアではエレクトラ社やエルカ社がFUZZ WA-WAという名前で、さらに加えてJEN社自身でもも自らのブランド名でDOUBLE SOUNDとして、それぞれこのファズ・ワウ製品を発売していました。これらの中身はすべてJEN社が製造した同じ回路を持つものです。
蛇足になりますが、日本の神田商会もグレコ・ブランドでワウ・ペダル GRECO CRIER をリリースした際には、イタリアのJENからOEM供給を受けていました。
ここでは以上にとどめておきますが、イタリアのJENが70年代にどんな会社のペダルを作ってたか、は、左にもリンクを貼ってある DISCOFREQ'S EFFECTS DATABASE に詳しいので、興味のある方はそちらを参照していただければと思います。
Greetings from France,
ReplyDeleteI own this pedal (Jen Fuzz III) and your text and info seem very thorough from the automatic translation... The bad part is that the auto-translation makes no real sense most of the time... I you speak any English or French, would you mind PM me with a short version of this post???
my email: ornithoptere(at)free(dot)fr
Thanks! I really wish I knew Japanese!