
今号はモジュレーション系の第2回、ということでコーラス大特集号です。日本が世界に誇るROLAND CHORUS ENSAMBLEを大研究。また、単なる機材誌の枠を越えて、「コーラス名盤100」と題してコーラス・エフェクトが印象的/面白いアルバムをドドンと100枚紹介しています。時代的に、やはり80年代モノはAOR〜フュージョンからニューウェイブ、HRにいたるまで、コーラスってのはハズセないですねえ。アンディー・サマーズ(THE POLICE)もジョニー・マー(THE SMITHS)も、コーラスなしには語れない、てカンジのギタリストだと思いますし・・・
それから裏目玉として、長年謎のベールにつつまれた、廉価エフェクトの大定番、ARION(当方も高校生の時、かなりお世話になった記憶があります)の社長インタビューまで掲載。なにげに今もプロでも愛用者の多いアリオン製品を研究しています。
その他、PERSONZのギタリストであり、近年は氷室京介のバック・ギタリストとしても知られる本田毅氏のインタビューも掲載。11月末にシンコーミュージックより発売になりますので、お楽しみに。

1966年の終わり頃に、DALLAS ARBITER社が(TONE BENDER MK1.5の回路をそっくり用いて)FUZZ FACEという有名なファズが出来上がったことはこれまでも度々書いてきた通りですが、そのFUZZ FACEに使用されたトランジスタは、いくつものバリエーションがあります。
一番最初に使用されたのがNKT275だ、というのも有名ではありますが、これまで「〜年頃から〜年頃までは○○が使われた」と断定的に書かれた文献がないのは、文字通り最初の数年はいろんなパーツが混在して使われた形跡があるからです。


で、話が一気に現代に帰りますが、スペインのMANLAY SOUNDにて、FUZZ FACEクローンを作ろう、という話になったときに、そのシリコン版に使用してみたらいいんじゃね?と考えたトランジスタはBC183Lでした。それは「一番最初のシリコン版FUZZ FACEはBC183Lだったらしいから」という、ちょいとヒストリックな意味合いを込めて考えたものでした。
結局、現在商品化されたBABY FACEはBC337というトランジスタを使用してるワケですが、これは今までも御説明させていただいた通り、実際の音といいますか、十分なゲインとサスティン、それから入力レベルに反応するクランクの具合、そして歪みのトーン等を総合して選んだものです。
そのBC337に決定する以前に、BC183Lで実際にプロトタイプを製作しました。これは今ウチにある現物で、同じトランジスタを使用したモノはこれしかないのですが、そのプロト版=BC183Lを使用したBABY FACEは、最終製品版(BC337)と比べて、やや(本当に若干、ではありますが)歪みは控えめでマイルド、という印象です。もともとFUZZ FACEはゲルマ版/シリコン版ともに、そんなにギンギンに歪むファズ・ペダルではないですが、それでもややマイルドな印象を持ちました。
ただ、以前もチラっと書きましたが個人的には「これはこれでいいなあ、アリだなあ」と当方が思ったことも事実でして、語弊を承知の上で書けば、体で感じるテイスト、という意味では、ゲルマ版(BABY FACE青)とシリコン版(BABY FACE赤/BC337)の丁度中間的なサウンド、と感じました。
TONE BENDER系とは違ったブっといミッドロー、またギターのボリュームを絞った際のクランクの鈴なり、というポイントがFUZZ FACEクローンであるBABY FACEの特徴、と言えると思いますが、是非お楽しみいただければ、と思います。
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