
今、当方は色んなMK1クローン・ペダルをポチポチと買い漁ってるのですが、そんな中で出会ったのがこのイギリス産のファズで、見た目そのまんまのPAISLEY TUBBY EFFECTSというブランドから発売されている「PAISLEY MK1」です。

PAISLEY TUBBY EFFECTSはレオン ・クックさんというイギリスのエフェクト・マニアの方が始めたブランドで、オフィシャルHPはこちらです。現在TONE BENDERクローンはMK1の1種のみですが、他にもRANGEMASTERクローンを初め、数種類のエフェクターを発表しています。
ではまずそのMK1クローンですが、外見はご覧の通り、コンパクトな筐体で色はゴールド(ハンマートーン塗装ではなく通常のゴールドなので、見た目はただの黄土色に見えます)。プリントは全てのPAISLEY TUBBY EFFECTS製品共通(一番下の写真参照)となるペイズリー柄のデカール・プリントのみで、何ら文字は書いてありません。

当方が入手したのはシリアルNo.6なので、まだそれほど沢山作ったのではない、ということが判りますね。ですが、中身をご覧いただければ、まるでD.A.M.製品よろしく、すごく丁寧に製作されていることが判ります。
回路ですが、トランジスタにはOC76を3ケ使用しています。2番目と3番目にくるトランジスタのバイアスを調整するために、内部にトリム・ポットが2カ所に付いていることがご確認いただけると思います。

で、その肝心の音に関してです。いろんなセッティングでトライしたんですが、かなり難儀しました。まず出力レベルが低く(他のMK1モノの半分くらいしかありません)、さらに歪みはハイミッド寄り、サスティンは十二分にあるのですが、歪み量はほとんど変化できませんでした。また(これは他のTONE BENDERクローンにもままあることですが)インプット・インピーダンスの関係で、ファズの前にワウを繋ぐことができませんでした。

他のMK1クローンに比べて、エフェクトから出る出力が低い(LEVELツマミを最大にした時に、バイパス時の音量と同じくらいです)ので、アンプ側の音量を上げてやる必要があること、ワウとのマッチングはかなり難しいので、ちょっと諦める必要がありそうなこと、等が真っ先に思い浮かびました。
早速このPAISLEY MK1の意図、といいますか、その中身の正体を確認すべく、検索しまくり、メール送りまくりで調べてみました。そしてビルダーのレオン・クック氏本人から明快な回答を得ましたので、それをまとめてみたいと思います。

そして、その謎の回路に関して。これはD.A.M.のHPでデイヴィッド・メイン氏が指摘している箇所がありますので、以下そのポイントを要約して抽出してみます。


実は、その「極初期仕様」は現在確認されているモノがレオン・クック氏が持っていたその1ケしか確認されていないので、1965年当時、どのくらいの量がそれだったのかは不明なママです。
そして、これはすべてのMK1の特徴でもありますが、元々ギンギンに歪みまくるMK1回路では、ギターのVOLを低めに設定する事に加え、ファズのATTACKノブを低めに設定してやることで、いわゆる「埋もれない」ギリギリの歪みポイントを探し出すと同時に、ギターのトレブル成分を調節する、という(使用するギターに合わせた)セッティングが必要になります。MK1.5回路(=FUZZ FACE回路)のように「ギターのVOLを絞れば簡単にキラキラなクランチになる」というハッキリとした違いではないですが、微妙なコントロールだとはいえ、MK1でもそういった細かいセッティングを探し出す必要があります。

話をPAISLEY TUBBY EFFECTSに戻しますが、他にもユニバイブ・クローン(とはいえ、かなりモディファイされてるようですが)のVIBRA FUZZ、ロータリー・シミュレーターのTUBBY SWIRLといった揺れモノ系もリリースしていて、そのラベル・デザイン同様にやはりサイケデリックなテイストのサウンドにこだわったブランド、といえるのではないでしょうか。
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