
簡単に振り返れば、歴史上一番最初のTONE BENDERは木製の試作品を経て、65年夏頃に発売された金色で角張った筐体のもの(通称MK1)、その次に66年春ころに発売されたとされる、シルバーの筐体で新しい回路のもの(通称MK1.5)、そして、66年夏から秋にかけて発売された、とされる、さらに新しい回路をもったPROFESSIONAL MK2、という順序で認知されています。
で、新しい発見てのは何かと申せば、写真にもあるように、MK1.5には金色の筐体、しかも(MK1のように角張ったものではなくて)丸みを帯びた例の筐体に入ったMK1.5がある、ということです。

出品者は「おそらく1965年製」との触れ込みで説明していましたが、その出品者本人も同時に認めているように「製造年に確固たる物証はない」と。写真を見る限り、回路に変更が加えられた形跡は全くなく、フルオリであろうことは容易に想像できますし、出品者もそう書いています。何よりこの塗装は、どう見ても大昔のハンマートーン・フィニッシュなわけで、金色のMK1.5があるんだ!と世界中のTONE BENDERマニアはかなり驚いたと思います。勿論当方を含めて、です。

もうひとつ、今となっては珍しいパーツ、ということになりますが、この金色のMK1.5に採用されているバッテリー・スナップは、PP4型といわれる古い9Vバッテリー用のパーツです。それほど世界の乾電池事情に詳しい訳ではありませんが、昔のイギリスにはPP4型という規格で、円柱型の9V電池(接点は上と下にある)があって、それらを使用するために使われているパーツと思われます。ちなみに現在一般的に有名な四角い9Vの006P型電池はPP3型という規格なんだそうです。

回路は通常のMK1.5と全く同じで、トランジスタはOC75が2ケのヴォルテージ・フィードバック回路、というヤツです。そのオークション・サイトを見れば、どなたでも最終落札価格を確認する事ができますが、正直とんでもないお値段ですね。以前「オリジナルのMK1は新車が買える値段」と書いた事がありますが(註:実際に2ヶ月前にオリジナルMK1を売った、というレオン・クック氏もそのくらいの値段で売った、と言ってました。ため息でますね)、今回のこのレアな金色のMK1.5もそれに継ぐくらいの値段です。当方の乗ってるバイクが平気で2台くらい買えちゃいますねえ……


余談ですが、これも以前触れた事があるのですが、オリジナルのMK1.5には同じ筐体ながら、真っ黒にペイントされたものがあることも判っています。そちらが売却された際には、こんな値段ではなかったんですが、今後、日を追ってオリジナルのTONE BENDERは入手はほぼ不可能に近づいている、と気づかされますね。
「これは明らかな偽物。TONE BENDERのバックプレートは黒く塗られたものしか存在しない。ペイントの上からニスを塗ったりトップコートしたものも存在しない。完全に偽物だ。誰かが無駄な大枚を叩いて贋作を作り、どこかのサクラが値をつり上げたんだ」。
なるほど、なるほど。おっしゃる意味はよく分かります。それに、実際に当方もオークションで見ただけなので、正確な商品(現物)の情報を持ち合わせているわけではありませんし、どなたが落札したかも存じ上げません。
ただし、わかっていることは、このTONE BENDERの「中身は本物であること」と、バックプレートやトップに塗装処理をしたものが過去に存在する、ということです。一例として、上にも書いた「真っ黒なMK1.5」があります。それから余談にはなりますが、MK1.5には「内部を黒く塗りつぶした」ものと、そうでない(無処理の)もの、の両方が存在する、ということもあげられます。
当方とて、45年も前の製作事情を断定的に書ける立場ではありません。第一開発したゲイリー・ハースト本人でさえ、当時の正確な事情をこと細かには覚えてなかったりするくらいですし。そんなわけで、最終的な真贋の判断は、ご覧になられた皆様に委ねたいと思っております。
This Gold Tonebender is a Fake! No Tonebenders had the back plate painted any color except Black...and none had been varnished or have a coat of clear on top of the paint. A clear forgery. Too bad someone spent stupid money on a forgery that was part of an elaborate shill bidding.
ReplyDeleteShut up John!
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