7.05.2011

Manlay Sound - The Sound / Hot Amp Box

 
 今回は当ブログの盟友(笑)と言っていいかと思われる、スペインのMANLAY SOUNDの製品を2種ほど紹介したいと思います。とはいえ今回のタマはTONE BENDERとは関係のないブツですので、興味ない方はシカトしていただいて構いません。
 また、以前もチラリと書いた事がありますが、この2種類のペダルに関しては、当方は一切タッチせずに(とか言いながらも、こんなの出すんだけどどう思う?みたいな相談はしょっちゅうビルダーのROMAN GILとはしてましたけど)開発/発売されたエフェクターになります。本サイトを通じての販売は行う予定がありませんので、もし興味をもたれた方がいらっしゃれば、デジマートかどっかで検索していただければ、と思います。
 さてまず最初の横長の四角いブツは、THE SOUNDという名前のオーバードライヴになります。これは何か、といいますと、60年代のマーシャルのアンプの歪みを狙うことだけに特化した歪み系ペダルであり、そういう観点で言えば「アンプ・ライクな」オーバードライブ、とも言えます。
 当方もスペインのROMAN GILも、オッサン臭い音が大好きだったりするので(笑)、JCM以降のマーシャルにはそれほど愛着がないのですが(註:とはいえ、80年代当方がコドモだったころに、ヤケに耳に親しんだマーシャルといえば、それはもうJCM800の音でしたけど)、いわゆるPLEXI以前のマーシャルの音、それだけを狙って組まれたエフェクターです。

 本国のHPにも「60年代にザ・フーのピート・タウンゼンドが初めてマーシャルを使用して以来、エリック・クラプトンやピーター・グリーン他そのサウンドに惚れたギタリストは多い」みたいなことが書いてあります。まあ、つまりはそういうサウンドが好みの方にどうぞ、というワケですね。
 例えばZ.VEXの「BOX OF ROCK」、LOVEPEALの「COT50」といったようなプレキシ・マーシャルのサウンドをシミュレートした歪み系ペダルはいろいろありますが、ご多分に漏れずMANLAY SOUNDのTHE SOUNDでもFET回路を使用しています。本人はできれば中身は隠したい、とか言ってましたが(笑)中身をあければそれはもう誰にでもわかるわけで、ここでは中身の写真も載せちゃいました。黒くペイントされてるのでトランジスタの型番はさすがに読めませんが、いわゆる真空管特有のオーバードライヴ(非対称クリップ、ともいわれるアレです)をシミュレートするにはFETが最適だ、というのはペダル・ビルダーの常識ともなっていることですね。

 コントロールは入力(LOUDNESS 1)、トーン調節(PRESENCE)、出力(LOUDNESS 2)の3ノブとなっています。ここでポイントなのは、トーンのつまみです。PRESENCEと書いてはいますが、マーシャルのアンプについている「PRESENCE」とは効能が違います。高域のトーンを調整すると同時に、歪みのキャラクターも少し変調するようです。その辺は、使用するギターやピックアップとの相性(つまり、ストラトかレスポか、シングルかハムか、といった選択肢に対応できるように)を念頭に置いたもの、と思われます。

 当然、というか、こういった歪み系の場合最も重要なのは「ギターのヴォリューム・コントロールにどれほど反応するか」なわけですが、その点はデモ動画を参照していただければと思います。ペダル側に一切触れずに、クリーン・サウンドからマーシャル特有のフッとい音まで、ギター側でコントロールできます。また、ストラトとレスポール両方でデモ演奏してますので、丁度その比較もできて参考にしていただけるかと思われます。
 ちなみにここではオレンジ色と黒の2種類のカラーの写真を掲載していますが、どうやらもう一個「赤」というカラーもあるんだそうです。また、写真でもお判りのように、DC9V入力ジャック付き、そしてON/OFFのダイオード・インジケーター付きです。

 さて、続いてはブースターです。白い箱に入ったHOT AMP BOXという名前のペダルで、コントロールは1ノブです。ただしこれはいわゆるクリーン・ブースターの類いではなく、特定のキャラクターを付けることが目的のペダルなので、チョイ歪み系、と捉えてもいいかな、と思います。

 本国のオフィシャルHPでも既に暴露(笑)してますが、このブースターの回路は元ネタがありまして、1968年にエレクトロ・ハーモニクス社が出したLPB-1リニア・パワー・ブースターというちょっと変わったエフェクターがあるのですが、その回路を元に多少のモディファイを施して製作されたモノです。

 基板も使わず空中配線で、しかもトランジスタはソケットを使用し取り替え可能(でも、取り替える人は果たしているのでしょうか?笑)、という回路になってます。元々エレハモのLPB-1はアンプに刺しっぱなし、という使用方法を念頭に開発されたモノなので(その点ではダラスRANGEMASTERやVOX TREBLE BOOSTERに近いモノがありますね)、回路自体は単純そのものですが、足下でコントロールするためにこの筐体を選んでいるようです。

 こちらのブースターも、デモ動画があります。ギターはグレコのLP、アンプはフェンダー5F1チャンプのクローン、それからフェンダーのプロリバーブ・クローン(余談ですが、どちらもスペインのハンドメイド製品なんだそうです)で録音されています。こちらも上のTHE SOUNDに負けず劣らず、ギターのボリュームへの追従性はメチャ高いですね。ただし当然ですがオーバードライヴ程歪むモノではありませんが、アンプ側のキャラクターを生かしたい場合には、こういった「アンプのインプットをプッシュする」タイプのほうが得策ではありますよね。

 さてさて、以下は余談を兼ねたご報告になります。もう去年くらいから何度も告知しているMANLAY SOUNDの「65 BENDER」特別バージョン(OC75+2G381)ですが、そろそろ、遂に、なんとか完成しそうです。以前「もうすぐ出来そうだ」とか言っておきながら、それから数ヶ月も経ってしまってることは当方も重々承知しております。お待ちいただいてる方には大変ご迷惑をおかけし恐縮ですが、もうちょっとだけお待ちいただけると幸いです。
 グチを言わせてもらえば、地震のことも勿論理由にはあります。また、予定を先送りせざるを得なかったせいで、ROMAN GILの他のスケジュールとガッツリぶつかってしまったということもあります。でもでも、それだけならまだ納得できるんですが、仕方ないとはいえ一番納得できなかったことは、当方が日本から送った木製の筐体の荷物が、スペインの空港で1ヶ月も止まってしまったことです。ご覧のように当方はEMS(=国際スピード郵便)を使ったので、通常中5日ほどで到着するのに、今回のこの結果はなによ? というわけで、スペインの郵便会社に問い合わせもしましたが、返事はありませんでした。この2週間前(つまり地震の前)に送った荷物は、キッカリ5日でついてるんですけどね。
 でも、理由はわかってるんですよ。RADIO ACTIVITYの検査、というヤツです。でなきゃこんなに遅れることはありえません(少なくとも、EMSでは)。日本在住の我々でさえ、人によっては過剰に反応(註:必要以上の過度の反応&対応、という意味です。必要な情報はだれしも十分確保し、それに対応すべきなのは言うまでもありません)するご時世ですから、遠い海の向こうのヨーロッパでは、まあ仕方ねえか、ということなんでしょうね。でも、やっぱりイマイチ納得できませんねえ。すいません、以上、意味のないグチでした。

 ちなみに、一番上に掲載したTHE SOUNDですが、当方のリクエストで、ちょっとした改良版を作れないかな?という相談を今しているところです。せっかくの豪快なプレキシ・サウンドをペダルで成功させたのだから、これの「MARSHALL MAJOR初期」版を作れないかな、というアイデアです。できればアクティブEQと、(ECHOPREX EP3的な)ブースト・スイッチも追加して、なんていうモロにロンソン・テイストなペダル(笑)、つまり個人的にホシイ仕様、てなわけですが、出来るかどうかは今のところ未知数です。もし進展があれば、改めてご報告します。
 

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