7.20.2011
Skinpimp Handcrafted - Skin Bender MK1 / MK2 / MK3
米テキサスにてハンドクラフトのペダルを製造しているSKINPIMPというブランドがあります。このブランドもファズばかりを手作りでリリースしている個人ブランドなわけですが(TONE BENDER系以外のラインナップは最後で軽く触れています)、ここからTONE BENDERのMK1/MK2/MK3、3つのクローン・ペダルが発売されています。日本では恐らくまだどこも扱っていないと思われますが、価格も300ドル前後というカンジです。
まず、SKINPIMP製品全部に当てはまることですが、ご覧のようにヒジョーに強烈なルックスを持ったペダルでして、正直いってこういうのは趣味が別れるところだと思います。当方はこういうの結構好きですけど(笑)。ドロドロにB級オカルティックでレトロSF風な、いかにもアメリカのオタク好み、というカンジのデザインですよね。
では順に商品を見てみます。「NOT OF THIS EARTH」(地球外生命体)とコピーがつけられた、SKIN BENDER MK1。余談ですが、この絵は1957年のB級SF映画「NOT OF THIS EARTH」のポスターそのまんま、なんですよね。この映画は後にトレイシー・ローズ主演でリメイクされたりしたこともあるそうです(笑)。実はこのMK1クローンに限らず、SKIMPIMP製品はよく「限定デザイン」のモデルも発売されていて、MK1クローンに関していえば、デフォルト・デザインとなる緑色の筐体の他にも、ここに掲載したようなワインレッド・カラーで(まるでスージー・スーかよ、と思わずに言われない)ゴスな少女のイラストがあしらわれたモデルも存在します。
外見はともかく、中身をみると、回路はラグ板を用いてハンドワイアーされていますね。MK1クローンに使用された3種のトランジスタは、現行品では(なんと貴重なムラードの)OC81D、それからOC84、そして2SB175というゲルマニウム・トランジスタが用いられています。ただ、ご覧いただいても分かるように、赤い限定版のほうでは3つのトランジスタはブラックキャップのOC75と、2ケのOC78、というものが使用されていることも確認できますので、おそらく銘柄を固定していない、と思われます。
次にSKIN BENDER MK2。ご承知のように、TONE BENDER MK2クローンです。このなにやら古代風のデザインの元ネタがなんなのか当方にはサッパリわからないのですが、なかなかに高級感のあるデザインですよね。見方によってはどこかオリエンタルな雰囲気も感じさせますし。
MK1クローン同様、こちらのMK2クローンでも限定版がありまして、デザインもご覧のように全然違うのですが、それよりも何よりも、この限定版では「TONE」コントロールがモディファイで追加されているのが目につきます。しかもそれのみならず、筐体前面にミニスイッチも見えてます。資料によればこのミニスイッチはトーンのカラーのプリセットになっているらしく、左でヘヴィボトム、真ん中でデフォルト、右でトレブリー、となっている模様です。
トランジタはOC81と、2ケのOC75です。通常版(2ノブ)のほうは、中面の写真が見当たらないのでトランジスタを確認することができないのですが、おそらく限定版(3ノブ)と同じ、と思われます。
そしてSKIN BENDER MK3。こちらはMK1、MK2バージョンとはちょっと違い、デフォルトのモデルで既にノブの追加(合計4つのノブ)と、ミニ・トグルスイッチが設けられています。追加のノブは写真でも一目瞭然ですが「HI-CUT」となっています。つまり、ここでも「トーンはノブ2ケ+トグルスイッチで調節する」という構造なわけですね。
このデフォルト・モデルのデザインは他のものに比べるとやけにシンプルに見えますが、もちろんこれはオリジナルのVOX TONE BENDER MK3のロゴマークを模して作ったデザインだと思われます。
このMK3クローンにも、限定モデルがあります。まずはなにやらどこかキュビズムを思わせるハデな色合いのモデルは、3ノブになっていますね。それから、天使がお祈りをしているというこちらもやはりゴスロリな色合いの強い金色の4ノブ・モデル。こちらもMK3の限定版です。残念ながらMK3に関しては内部写真がないので使用トランジスタは不明なママです。
で、その音ですが、YOUTUBEにもいくつかのデモ演奏動画(非公式)がありますが、公式HPにサンプルMP3があります。それを聞くと傾向がわかると思います。
MK1のデモ音源ですが、サスティンの長さ、そしてミッドレンジに集中した歪み、という点ではオリジナルMK1サウンドと共通するものがありますよね。
MK2サウンドのデモでも、MK2回路特有の飽和感はすぐに聞き取れます。ちょっとモーモーいい過ぎなところは、OC81のせいかもしれませんね。
で、MK3です。もはやオールドスクールなファズというよりは、既に十分にオーバードライヴ的な、70年代サウンドですね(笑)。歪みのトーンとしてはドロドロにヘヴィーではなくカラリとさせたい、でもシャーシャーと耳に辛いハイエンド成分は必要ない、そんな時のために、ハイカットのツマミ、それからトグルスイッチでの調整が生きているのだと思われます。オフィシャルで聞けるMK3のデモ・サウンドでもそういったポイントが分かると思われます。
SKINPIMPからはここに掲載したTONE BENDERクローン以外にも、FUZZ FACEクローンのFACE PLANT、バーンズBUZZROUNDクローンのBUZZAROUND、トライアングル・マフ・クローンのPLANK、そして3つのゲルマ・トランジスタ&オリジナル回路を用いてデザインされたオーバードライヴ3OD等が発売されています。
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