7.26.2011

JMI - The Zonk 2 Reissue

 
 JMIの新製品、できたてホヤホヤのブツをご紹介したいと思います。以前こちらで掲載したことがありますが、1965年、つまりTONE BENDERというファズが発売された同年、はやくもそのクローン・ペダルが世に登場しました。発売したのは英国リーズにあるJHS(JOHN HORNBY SKEWS)というブランドで、その青いファズはZONK MACHINEと名づけられました。

 最初のZONK MACHINEでは、オリジナルのTONE BENDER MK1とほぼ同じ回路で構成されていましたが、後にこのZONK MACHINEはモデルチェンジを経て、THE ZONK 2という名前で生まれ変わることになります。そのTHE ZONK 2はPNPシリコン・トランジスタを用いたMK1.5回路で、つまりは「FUZZ FACEクローン」でもあるわけですね。

 で、今回ご紹介するのはそのTHE ZONK 2のリイシュー品です。JMIでは以前から前述したZONK MACHINEのリイシュー品を発売していますが、2011年の夏、つまりつい先日、このZONK 2もJMIのリイシュー・ラインナップに加わったわけです。そんなわけでこの青いハンマーライト塗装が施された新製品を早速日本にも仕入れてみましたので、その詳細を見ていきたいと思います。

 まずその筐体ですが、当方はてっきり「MK1と同じ筐体だろう」と思ってたのですが、違いました。どうみてもそっくりではありますが、幅も長さも、折り曲げられたアルミ板の角度も、そして展開構成もちがいます(MK1は板2枚で構成されてますが、ZONK 2は板3枚から成っています)。ま、あまり大した事ではないですけどね(笑)。
 比較対象としてMK1と並べた写真も撮ってみましたが、2cmほど長さが短いだけで、随分とコンパクトに思えます。写真では実感が湧かないと思いますが、手に取ると「アラ、ちいさいな」とすぐに感じられます。
 コントロールですが、通常のTONE BENDERと違って正面左のノブにはSWELL、右のノブにはFUZZというレタリングがされてますが、文字は違えど、効用はいつもと同じです。SWELLは単純に「膨らます」という意味の単語ですが、例えばカラーサウンドの足踏みペダル製品でWAH/SWELLという(ワウのスイッチをオフにするとボリューム・ペダルになる、というエフェクター)製品があることでも分かるように、SWELLは音量の調整を指します。

 そして中身です。実はこのJMIのリイシュー品THE ZONK 2では、60年代のNOSシリコン・トランジスタを使用しています。以前も書きましたがPNPのシリコン・トランジスタなんてものは今では殆ど需要がないブツですので、見つけるのも面倒かと思うのですが、今回のZONK 2の復刻品では、オリジナルと全く同じ、テキサス・インストゥルメンツ製の2N4061というトランジスタを搭載しています。オリジナルにこだわるJMIらしいですよね。

 さてその基板構成ですが、オリジナルではもうすこし小さくて正方形っぽい板を使ってましたが、リイシュー品では(おそらくここはTONE BENDER MK1と同じと思われる)長方形の基板を採用しています。だからどうした、と言われても、何も意味はないのですが(笑)。

 回路ですが、やはりTONE BENDER MK1.5回路、つまりアービターFUZZ FACEとほぼ同じ回路、ということになっています。そこで大変気になるのは音、ということになりますよね。音に関しても、当然ではありますが、シリコン・トランジスタを用いたFUZZ FACEなサウンドです。ハムバッカーを使用しても、シングルコイルを使用しても、ギターのボリュームには敏感に反応します。ミッドはわりと厚めででますが、ロー・ボトムはそれほど出ていません。FUZZツマミをフルにすれば、ブワーっと分厚い例の轟音がうなります。是非、ワウと一緒に使ってみたいところではありますね(勿論個人的な嗜好で言いましたけど)。

 そして、これはFUZZ FACEにもTONE BENDER MK1.5にも同様に言える事ですが、FUZZのツマミを絞りきっていたとしても、SWELL(=VOLUME)ツマミをフルにすると、当然ですが出力がプッシュされます。多少歪むので、純粋なボリューム・コントロール機能、とは言えませんが、そんなポイントを押さえればブースター的な扱いも可能なペダルです。古くさいながらも魅力的なギター・サウンドのコツ、というのは、そんなところにも隠れているのかもしれません。

 さて、以下余談&近況報告です。先日ご紹介したJMIのPLAYERS SERIES等も同様ですが、これまで当ブログ等で紹介していなかったり、どの店頭にも出荷したことがないようなブツであっても、もし「どうしても購入したい」というJMI製品があれば、どのモデルでも取り寄せは可能です。イギリスでの在庫状況も刻々と変化するので、どのモデルが入荷までにどれくらいかかるか、はアチラさんに確認する必要があるので明言できないのですが、もしJMI製品で興味のあるブツのあるかたは、ご一報いただければと思います。

 近況報告パート2。最近、ゲイリー・ハーストが自分の持っているファズ・コレクションの一部を手放すんだけど、お前いるか?という話を貰いました。どうやらその中身は10数個のビンテージ・ファズ、それから60年代〜70年代にかけて彼自身が製作したブツ(プロトタイプを含む)とのこと。「オウ、マジ考えるんで、とりあえず写真とリストよこせよ」と返事しておきました。ホントに最近の話なので、どうなるかはわかんないですが、全容が解明できれば、ご紹介できるかも、と思ってます。

 近況報告パート3。スペインのMANLAY SOUNDから、すでに「65 BENDER」限定版が日本に向けて発送されています。もうじき到着すると思いますので、そちらも改めて近日中にご紹介したいと思います。
 

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