3.24.2012

Manlay Sound - 65 Bender (Limited Metal Enclosure)


 以前チラリとご紹介したのですが、限定2ケ、というフザけた製造数にて(笑)つくりました、MANLAY SOUNDのMK1クローン・ファズ、65 BENDERの鉄製ケース入りです。実は既に1ケはお問い合わせいただいたショップさんに販売してしまったので、手元には1ケしかありません。今日の時点では、最後の1ケを売るかどうか決めてません。

 中身は木製ケースの65 BENDER限定版とまったく同じモノで、トランジスタはブラックキャップのOC75と、NOSパーツのテキサス・インストゥメンツ製2G381を2ケ、という構成で、ご覧頂けるように配線もオリジナルMK1と同様のタコ足配線になっています。なので、音は木製の限定版と同じです。あとは気分の問題、ですよね(笑)。

 お買い上げいただいた方ならご承知かと思いますが、限定版の65 BENDER(鉄製ケースも木製も)は、通常版のモノとは若干音が違います。それは勿論こちらで以前書いた通り、ちょっとだけ違う音を狙ったからという原因が大きいのですが、当方の所持するオリジナルの65年製のTONE BENDER MK1との比較において、やはり「どちらが近いか」と言えば限定版のほうが近いです。

 ただし、当方の所持品だけではなく、他にオリジナルのMK1を所持されている方に話を聞いたりすると、やはり個体差ってのが大きいらしく、「もっとダーク」な印象のものとか、「もっと歪まない」モノ、なんていう個体もあるようです。それに加えて、一部回路の差異が確認できている例の「初期型」の中には、音量も(おおげさに言えば)半分以下程しかない、というブツもあったりするので、「これが完璧なMK1クローンだ」等ということはできません。ただ、65 BENDERの限定版のほうの音は、当方の所持するオリジナルMK1に近い、ということは確かです。

 写真にもあるように、新品のマスタード・キャパシタを使用しているのは「正確な数値」を求めたためです。NOSパーツ(たとえばムラードのマスタード・キャパシタとか、本ブログでは既にお馴染みのHUNTSのキャパシタとか)を使うとリーケイジ(漏れ)の差が激しくて、音が安定しません。実はトランジスタに関しても全く同様のことが言えますが、そこは「オリジナルと同じ銘柄」にこだわったので、NOSパーツを使用しました。

 鉄製の筐体ですが、製造工場は不明です。当方がこれを入手したのはイギリスのPIGEON FXに「MK1のケースがあるよ。いる?」と言われたので「いるいる」と答えて2ケだけ購入したのですが、採算があわなかったのかなんなのか不明ですけどその後は販売していないようです(もうないの?と追加で聞いた所、確認してみるわ、と返事があったきり長らく音沙汰もないですし。笑)

 さて、スペインのMANLAY SOUNDでは、今回を機に通常版の65 BENDERにも小さな仕様変更を加えてあります。それは塗装の色です。いままでかなり黄色の強いゴールド・ハンマートーン塗装だったのですが、よりメタリックなイメージに近づけたかったこと、更には「今までの塗料が(強度的に)弱い」ということもあり、ご覧のようなシャンパン・ゴールドのハンマートーン塗装に変更になりました。たしかに当方が所持する一番最初の65 BENDERとかは、もう塗装がハゲまくっていますね(3年も使ってるのだから当然ですが)。色に関してはもう好みの範疇でしかありませんので「いい悪い」を言っても無駄ですが、とにかく変更になりました。中身はまったく変えていませんので、音には一切影響はありません。

 余談になりますが、最近(に限らず延々と)TONE BENDERてやつのセッティングをひたすら試しまくる、という作業に没頭している筆者ではありますが、(特にハムバッカーを使われるプレイヤーの方に)是非お試しいただきたいセッティングをひとつご紹介します。それはMK1の前にMK1.5を繋げる、というセッティングです。
 MK1.5はギターのボリュームをチョイ下げして、カリンカリンの音になるようにしておき(ただしあまり歪まない程度で)、その後にMK1を接続します。すると(誤解を承知の上であえて言えば)MK1の歪みにカリンカリンなトレブル成分を足すことができるんですよね。
 何故これをオススメするかというと、小さな音で(=つまり家やスタジオのアンプで)なかなかMK1の抜けのいい音が体験できない、という場合に有効かも、と考えたからです。実際に当方も、5Wの真空管アンプ(1VOLでトーンつまみ無し)、さらにはアンプ・シミュレーターを通してのライン録音、その双方でその効果を確認してみました。ファズ2ケ直列、というセッティングではありますが、MANLAY SOUNDの「65」+「66」で試した所、それほどノイズも気にならないレベルです。好き嫌いはあるかもしれませんが、機会があればお試しいただければ幸いです。


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