ハイ、今月も好例のTHE EFFECTOR BOOK月間となります。通常であれば月末の発売なんですが、毎年2月の発売に関しては、ちょっとだけ遅れて3月の頭の発売になります。というのも、毎年真冬には「NAMM SHOW」という国際楽器見本市がアナハイムで開かれるわけで、各楽器メーカーがここでドドンと新製品を発表します。その最新情報をギリギリで誌面に反映させるために、少し発売が遅れるという仕組みになっております。
さて3月頭に発売されるTHE EFFECTOR BOOK最新号、VOL.19の内容を、チラリとご紹介しましょう。表紙でご覧頂けるように、今回の大特集はスイッチャー特集。遂に「音を変える機材」ではなく「音を切り替えるスイッチ」のための機材を特集する、という前人未到の(笑)領域に踏み込んでいます。実は当方個人で言えば、ABボックスを使う事はあっても「基本的に直列野郎」なので、この方面の機材には全く疎いのですが、当然ながらもの凄くタメになるお話ばかりが掲載されていました。
既にメジャー・アーティストとのコラボも沢山されているフリー・ザ・トーンやCAJ(CUSTOM AUDIO JAPAN)といったスイッチング・システムの大手ブランドのインタビュー記事や、直列/並列等のシステム構築に不可避な「MIDIコントロール」の紹介、バッファー・アンプの検証、ケーブルの検証等といった、相変わらずマニアックながらも重要な記事がテンコ盛り、となっております。
また「お前さんのペダルボードみせろよ」のコーナーでは、ブロック・パーティーのラッセル・リサック氏に取材を敢行。また「1小節ごとに音決めとアレンジをする」等という恐ろしい発言(笑)も飛び出す、sleepy.abの山内憲介氏が2度目の登場。そしてベテラン・インタビューのコーナーでは日本のポスト・ロックバンドtoeの美濃隆章氏が登場。ギタリストであると同時に、エンジニア目線でのギター・サウンドへのアティテュードを語っています。
その他、ロシア産ながら世界を席巻するエフェクター・ブランドとして既に人気のAMT(余談ですが、AMTの社長さんいわく「いつかジェフ・ベックのコンサートを生で見たい」というのが夢なんだそうです。んー、ちょっと深いですね。まだベックはロシア公演やったことないですもんね)の特集や、前述したNAMM SHOWの新製品レポート等も掲載された、THE EFFECOR BOOK VOL.19は間もなく、おそらく3月頭に発売になります。是非チェックしてみてください。
さて今回は、他愛のないことのようではありますが、TONE BENDERアーカイヴを標榜する当「BUZZ THE FUZZ」として、どうしても読者の皆様にお詫びと訂正をさせていただきたいな、と思います。というのも、以前こちらのポストにて、SOLA SOUNDが1970年2月に出した「TONE BENDER MK3」の広告、という画像を載せました。その際に「実はこの広告に出ているようなファズは実際には発売されてない、と思われるブツです。SOLA SOUNDは自社ブランドとしては(こんな黒いデザインではなく)銀色の筐体を用いてTONE BENDER MK3を発売したのはご承知の通りです。そして、SOLA SOUNDはこの広告に掲載されたデザインを他社(=VOXブランド)のために用いてVOX TONE BENDER MK3を作ったのも、ご承知の通りです」と、当方は書いています。
が、しかし実際にはVOXブランドのブツだけではなく、SOLA SOUNDの自社ブランド製品としても、黒/オレンジのカラーリングがなされたTONE BENDER MK3が発売されていたということが判明しました。広告の時期からいっても、VOXブランドよりやや遅れての登場、ということが考えられますが、実際にそのデイティングに関しては今もまだ謎が多いままではあります。
内部写真を見るに、やはり、というか当然ではありますが、中身はVOX TONE BENDER MK3、もしくは銀色のスリム筐体に入ったSOLA SOUND TONE BENDER(通称MK3)とまったく同じ、ですね。当時まだPP4(円柱形の9V電池)を採用していたことが見て取れますが、いずれにしろ、銀色のスリムケースではなく、ワウと同じ(ちょっとだけ幅広で背の高い)鉄製ケースを用いたこのMK3が70年頃に存在していた、ということを、一応本稿にて加筆訂正させていただこうと思います。
さらに、ついで、というワケではないのですが、MK3に関してひとつご報告を。英国JMIが今まで発売してきた、黒とオレンジのカラーリングのTONE BENDER MK3リイシュー(写真左)ですが、まもなく生産が終了します。おそらく規定生産数を全うしたということなのでしょうが、こちらのファズはイギリスでも日本でもなかなかの売れ筋(笑)でして、「もっと作ったらもっと売れると思うんだけどなー」なんてことを当方も本国JMIに言ってみたりしたのですが、実は「ペイントに金がかかりすぎて、あまり儲からない」などと言われてしまいました(笑)。よほどコスト面で見合う条件が整わない限り、恐らく販売終了になると思われます。
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