5.01.2013

Manner of Mick Ronson (Part.5)

 
 先日ポスティングしたMENATONE PIGの販売に関して、多数の方にご迷惑をおかけすることになり、大変申し訳ありませんでした。もちろん販売する人間としては「嬉しい悲鳴」の類いとはなりますが、まさかあんなにお問い合わせをいただくとは思ってなかったんですよ。これがMENATONEの人気なのか、ミック・ロンソンの人気なのかは、当方にはわかりませんが。

 さて、実は先日あわててMENATONEのブライアン・メナにコンタクトを取りました。「あのさあ、実は欲しいって人がすげえ多くて困っちまったんだけど、ホント申し訳ないんだけどさあ、もうちょっとPIG作ってくれないかなあ。全部買うからさあ」。「ん、考えてみるよ」
 ……そっけない返事だなあ(笑)。でも公式HPや、モリダイラさんのHPでもアナウンスされているように、MENATONEはいま定番ラインナップのリニュアル版&新作ペダルを用意し、まもなく再始動する、と告知されているわけで、そっちでテンヤワンヤなのも事実なんですよね。カスタムで(しかもこんな趣味性の高い)ペダルをハンドメイドで作ってもらうヒマがあるかどうか、といえば、そりゃあ厳しい状況であるのは間違いありません。

 ただし、その後少しだけいい雰囲気の御返事も頂いています。もしかしたら、またいくつか作ってくれるかもしれません。でも、今後一切入荷しないかもしれません。確証のないご報告で申し訳ありませんが、現時点での状況報告としてはそんなカンジとなりますことを、ご承知置き下さい。

 ところで、先日東京・代々木で「ミック・ロンソンの追悼ライヴ」というイベントがあり、当方もお邪魔してきました。50にして麗しさ全開のオカヒロさん(TYO/etc)主催によるこのライヴには、広瀬 "HEESEY" 洋一さん(TYO/元イエモン)、アキマツネオさん(Rama Amoeba/元マルコシアス・ヴァンプ)、本田恭章さん、他豪華なゲストを迎え催されたのですが、いろいろと勉強になったライヴでもありました。
 オカヒロさんがこの日使用されたアンプは、秋間さんがカスタムメイドしたミック・ロンソンと同じ音がでるアンプとのことで(SIMMS WATTSの外装をしていましたが、中身は不明です)、その音も気になるところでしたが、そんなライヴを近々に体験した当方の脳内を反映して(笑)、今回はミック・ロンソンの動画をいくつか貼ってみたいと思います。

 上から順に。まずはミック・ロンソンの初レコーディング・バンドとなったTHE RATSによる69年11月録音の「TELEPHONE BLUES」。これがRATSにとっての最後のセッションとなり、翌70年の春にロンソンはエルトン・ジョンのアルバム「TUMBLEWEED CONNECTION(エルトン・ジョン3)」に参加、以降RATSに戻る事はありませんでした。

 それから、2008年に制作/公開された、ミック・ロンソンのトリビュート番組からの抜粋動画。もちろん演奏シーンは昔の(スパイダース期の)ものばかりですが、72年アメリカ・ツアーでのライヴ映像(これは、ほんの少しのコマ切れ映像しか残っていないものです)他、75年秋の、ボブ・ディランの「ローリング・サンダー・レビュー」出演時のロンソンの映像といった貴重なショットが沢山含まれています。

 3つ目。これ、個人的に死ぬ程見まくったんですが(YOUTUBEにアップされたのは最近ですが、1年くらい前からDAILYMOTIONとかには上がってた動画です)。93年のボウイのアルバム『BLACK TIE / WHITE NOISE』にて、20年振りの共演を果たしたボウイ&ロンソンですが、その時の映像が残されていたんですね。ナイル・ロジャースの姿も見えますが、やはりここではESP製の白いギターを抱えたミック・ロンソンに目がいってしまいます。ちょっと正確なタイムラインを精査してないので確証がありませんが、ロンソンの生前最後かもしれない、という映像です。既にご承知のように、弾いてる曲は「I KNOW IT'S GONNA HAPPEN SOMEDAY」。

 それから英BBCが1996年に制作したボウイのドキュメンタリー番組「HANG ON TO YOURSELF(日本でもNHK BSで字幕付きで放送されました)にて、当時を邂逅する生前のミック・ロンソンの映像。実は名曲「ZIGGY STARDUST」を演奏する際に、多くのギタリストの方がイントロのG〜Dの部分の「D」をローコードで抑えるのですが、当方個人はいつも5フレのポジションでこの曲を弾きます。理由は単純で、このドキュメンタリーでミック・ロンソンがそう抑えてるから、というそれだけなんですが(笑)。

 ちなみに「ZIGGY STARDUST」っていう曲のギター・サウンドは謎だらけのサウンドでして、イントロだけでもエレキギター2本、アコギ1本が重ねてありますが、その抑えてるポジションもそうですが、ギターの音も不思議だらけです。おそらくアンプはMAJORを使ってるとは思うのですが。
 今から数年前、当方が土屋昌巳氏にインタビューさせていただいた時に、「あのイントロ、あれは間違い無くコンデンサーも噛んでますね(トーンを絞ってる、の意味)。で、コンデンサは恐らくRCAですよ」「ミック・ロンソンの68カスタム、あれはねえ、恐らく300kΩのポットがついてますね」なんていう恐ろしい説を直接伺ったりしました。ちょうど当時、土屋氏はミック・ロンソンの研究/追求にハマってらした時期で、氏がそうおっしゃるのなら、そうなのかも、と強く思ってしまったりしてます。

 さてさて、最後の動画は、現在ミック・ロンソンの68カスタムとMARSHALL MAJORを所有するアメリカのGUITAR HANGARという楽器屋さんがアップした動画。ロンソンの機材は、遺族(スージー・ロンソン/ミック・ロンソンの未亡人ですが、彼女はZIGGY STARDUST時代のボウイのヘアメーク担当の女性でもありました)によって同所にまとめて譲り渡されたのですが、それらがまとめて動画で紹介されています。ロンソンがソロ期に(TONE BENDER MK1のかわりに)MXRのDISTORTOIN+使ってたとか、PROCO RAT使ってたとか、MARSHALL BLUESBREAKERペダルを使ってたとか、DAN ARMSTRONGのORANGE SQUEEZERも使ってた、とか、いろんな発見があります。
 ですがそれよりも、本物のロンソンの68カスタムと、本物のMAJORを、アンプ直で弾いてる音が聞ける、という貴重な映像です。ただし(今までも何度か触れましたが)ギターは新しいネック、新しいコントロールが付いていたり、アンプはいろんな端子等が追加されていたり、なので、当時そのママの状況とは同じではない、という点を念頭に置く必要がありそうですが。

 昔、この68カスタムを実際にGUITAR HANGARに弾きにいった、という人に質問したことがあります。「ねえ、ギターの重さってどんなカンジだった?」。回答は「結構重かった」とのこと。
 そんな「メッチャ些細なこと」ではありますが、ギター弾きにとっては重要なことってありますよね。人生を生きていくには一切必要のない情報ですが、それは当ブログもまったく同じでして(笑)。それを承知の上で当方の駄文をお許し/お楽しみいただければ幸いです。
 

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