
歴史の真ん中部分を、ここではゴッソリと省きます(笑)。現在、イギリス/ロンドンのデンマーク・ストリートにMUSIG GROUNDという楽器屋があります。正確に言えばこのお店はイギリスに沢山チェーン店を持ってるので、今ではロンドンはおろか世界中で有名な楽器屋さんではあります。1997年、MUSIC GROUNDオーナーであるリチャード・ハリソンとその息子ジャスティン・ハリソン等がJMIのトレードマークの権利を獲得しました。それまで既に所有していたHIWATT(これも英国を代表するアンプ・ブランドとして有名ですね)に続いて、JMIブランドの名の元で商品開発/発売することになりました。
もちろんその歴史を振り返り、いにしえのVOX AC15やAC30のクローン・アンプ(現在VOXという名前の権利はKORG社が持っているので、VOXの名は当然使えませんが)を完全な英国産で発売します。以降、JMIブランドは古き良き英国製品の復刻に執心します。
2008年、その新生JMIブランドはNAMMショーに突然ギター・エフェクターを出品しました。その小さな記事がシンコー・ミュージック「THE EFFECTOR BOOK」に掲載された際に、編集長に無断で勝手に写真を大きく取り上げてしまったのは当方の独断の仕業です(笑)。申し訳ありません。堂々とTONE BENDERなどと書かれたそのデカい筐体を見て、盛り上がってしまいました。重ねて申し訳ありません(笑)。

まずは木製ケースに入ったMK1プロトタイプの復刻品。以前も書きましたが、再度ご紹介です。「ゲイリー・ハーストが65年に10ケほどのみ製造した、世界で最初のTONE BENDER」の復刻品ですね。この復刻品はゲイリー・ハースト本人が(44年の時を経て)全く同じパーツで全く同じ回路で製作したものです。ゲイリー・ハースト本人によるサイン入り。筐体の裏には「PROTOTYPE」とサインペンでデカデカと記されています。
トランジスタはOC75と2G381が2つ。限定50ケのみの製造で、鉄製のノブ(これ、VOXのギターやアンプが英国で製造されていた時期のノブと同じパーツですね)やトグル・スイッチも本家そのままに復刻されています。




続いてTONE BENDER MK2のリイシュー・モデル。実はこの復刻品にもエピソードがあります、JMIが初めて復刻したTONE BENDERはこれだったのですが、当時(2008年)は「なんだこれ」という感想を持つユーザーが多かったのです。当時は、66年にソーラーサウンドがOEM生産したVOX TONE BENDERを知る人があまりおらず、まずこのデザインはなんなんだ、という話が起こりました(主にネット上で)。今ではもう良くしられる所になりましたが、最初の英国製VOX TONE BENDERのデザインを復刻したもの、なんですね(当然VOXと文字を入れることはできず、JMIとなっていますが)。
加えて、一番最初にこのTONE BENDERが発売された時、回路はゲルマ2石でした。これは単純に、オリジナルがどんな回路だったか、を調べ尽くす前に商品化したからだ、と思われるのですが、JMIは(数ヶ月後には)トランジスタはOC75を3ケ使用したオリジナルと同じ回路で出し直ししています。我がMANLAY SOUNDのビルダー、ROMÁN GILなんかも「昨年JMIにMK1(金色の)をオーダーしたら、なぜかMK2が届いた。返却する前に中身を見てみたら、回路も全然違うモンだった。なんだコレ」というような率直な感想を持っていました(笑)。そんな経緯もあってか、限定生産ではあっても、製造数は正確には公表されていませんね。




JMI製品は日本ではイケベ楽器のインポート部門が代理店をやっているようです。ほとんど店頭で見かけないのは、そのレア度もあってと思われます(だってどれも限定だし、イケベさんをフォローするわけではありませんが、ジャスティンはいつもダラダラ発送作業してるし。笑)。TONE BENDERのクローン・ペダルの中では、日本では今一番入手しやすいのがこのJMIの復刻品です。もちろんゲイリー・ハーストの監修といった作業を含め、すべて可能な限りオリジナルに近づける、というその手法には感服します。やるじゃんジャスティン。
ただ、いちマニアとしてのつまらない苦言を呈するならば、JMI製品のあのハンマートーン塗装だけはイタダケませんね(笑)。MK1もMK1.5もMK2も、あんなにツブツブなサーフェイスじゃないんだけどな。でもそんなコマケーことはどうでもいいスね。何より、当方もROMANも、そして世界中のTONE BENDERマニアも皆喜ぶような、イカシた復刻シリーズであることは間違いありませんから。TONE BENDERと名のつくファズだけで9種類も復刻してしまう、そんな豪気なJMIさんの復刻品でした。
(2016年2月付記)これまで上記ポストにて、JMIのTONE BENDER MK1.5復刻品として掲載していた写真が、他の方が所有するJMI製ではないブツの写真であるとのご指摘をいただきました。お詫びするとともに訂正させていただきます。写真を変更しました。
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