8.19.2010

Manlay Sound - The XS Fuzz

 
 MANLAY SOUNDがリリースした最新のファズ・ペダル、THE XS FUZZをご紹介したいと思います。前回も触れましたが、60年代のアメリカNYにてマイク・マシューズ(エレクトロ・ハーモニクス社の創業者)により開発された、AXISというファズのクローン・ペダル、ということになります。

 エレハモのAXIS(註:一応書いておきますが、勿論ロジャー・メイヤー名義で出てるロケット型筐体の「AXIS」とは別物です)や、ギルドFOXEY LADYの所有者であればご存知の方も多いと思われますが、正直言えば今日(こんにち)的視点から言って、かなり使いづらいファズのひとつであると思われます(笑。まあ、今時古い回路のファズなんてのは、どれをとっても使いやすいペダルなんてないとは思うんですけどね)。

 何故このペダルに関心があったか、という話は前回と重複しますのでここでは割愛しますが、何はともあれサイケデリック・イヤーズの最中リアルタイムに開発されたファズ、というだけでも、やっぱりちょっと一目置いてしまったという部分もあります。
 初期AXISやFOXEY LADYは、無骨この上ない、というカンジの質素な鉄筐体に黒のシンプルなプリントが施されていますが、それを模して鏡面加工ケースにしてみました。そしてロゴは(65 BENDERや66 BENDERとの親和性をとって)シンプルなロゴのみをあしらってあります。

 余計な話ではありますが、名前に関して。スペイン人(のビルダー本人)がそう言ってたんだから事実だと思うのですが、スペイン人にとっては「XS」の発音は「AXIS」と殆ど変わらないんだそうです。なので、そのゴロを生かしてこの2文字にしてみました。我々日本人は単純にそれぞれ「エックスエス」「アクシス」と発音してしまうことが多いと思うので、なかなか着目しづらいポイントではあったんですが、言われてみて考えてみれば(英語で考えただけでも)確かにそうだよなー、なんて感心してしまったので、この名前に決めました。

 中身を見てみます。トランジスタには初期エレハモAXISやギルドFOXEY LADYにて使用されていた(そして初期BIG MUFFに使用されていたことでも有名な)2N5133というシリコン・トランジスタを2石使用しています。回路は純粋にオリジナルのAXISと同じにしてあります(ただし、トゥルーバイパスにしてあり、更にバイアス調整のためのトリムポットを内蔵させてありますが)。また、いつものように電池のみでの駆動、ということになっております。

 一応このペダルはこの形で完成させてしまったのですが、ビルダーからの報告によれば「(入手が困難な)ドーム型の2N5133をわざわざ苦労して探すよりも、2N5088とかBC550といった完全互換のトランジスタでも同じ音がでる」とのことです。むしろ音だけで言えば、歪みやサステインの面ではその互換部品のほうがいいパーツが多い、とのこと。つまり、シリコンとはいえ型番だけにこだわってたら、いい音を作るのは難しい、ということですね。いつものことではありますが、このプロジェクトを通してまた今回も勉強させてもらいました。

 そして肝心のTHE XS FUZZのサウンドに関して。上記しましたが、一般的なファズ・ペダルに比べたら「難しい」部類のファズであると思われます。これはもう、言い出しっぺの当方や、ビルダーのROMAN GILもどうしても認めざるを得ない部分でありまして(まあ、だから余計研究熱心にならざるを得ず、その結果夢中になってしまった、というアリガチなオチがついたわけですが。笑)、以下、ビルダーのROMANがこのペダルの為に用意したキャッチコピーはこんなカンジになります。

・ビックリするような(WIRED)ファズ・サウンド。プレイヤーは他のギタリストとは確実に違う、独自のファズ・サウンドを得る事が出来ます。
・トレブリーでデカい音量。バンド・サウンドの中で容易に目立つことが出来ます。
・60年代〜70年代のガレージ・パンク風なファズ・サウンドのマニア向け。


 前回も書きましたが、このファズのコントロールの特徴としてFUZZのツマミの独特な効能を把握する必要があります。左に回せばミッド・ローが歪んでブーストされ、ハイエンドは落ちます。右に回せば徐々にミッド・ローはカットされ、ハイが歪んでいきます。シンプルにツマミをフルテンにして弾けば、耳をつんざくほどチンチンしたトレブリーな印象しかないと思いますが、セッティングによっては多彩なサウンドが出せるファズでもあります。

 そしてビルダーには無断で(笑)彼本人の感想をここで書いてしまいますが、「万人受けするファズではない」とのこと。筆者も正直そう思います。デモ動画が既にYOUTUBEにアップされているのでそちらをぜひ参照いただきたいのですが、動画の中ではFUZZコントロールを左右両方に回し、セッティングを変えた様子も映っているので、前述した「独特なコントロール」がなんとなくご理解いただけるのではないでしょうか。SKINNY & HARSH(うまく訳すのことが出来ないので恐縮ですが、まあ、チリチリしててトゲトゲしい、とでもいったカンジでしょうか)な、一風変わったファズをお楽しみいただければ幸いです。

 なお、このTHE XS FUZZも、そして前回ご紹介したTHE ALADDINも、既にいくつかの店頭を通じて販売を開始しておりますが、基本的にはオーダーを受けてから製作にあたる、というモノになります。チャンスがあればまとめて輸入して在庫を持つこともありえますが、常時ストックする商品ではない、ということをご承知置きいただければと存じます。

 

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