
実は以前こちらのページで、このファズをチラっとご紹介したことがあるのですが、その時書いたことに追加すると共に、今回は実際に実機を手に入れたので、詳細も付け加えたいと思います。
ブラックキャットは既にアメリカのカスタム・ブティック・ペダルの工房として日本でも有名なブランドなわけですが(日本には、ナインボルトを通じて輸入・販売されているハズです)、正規のラインナップ品とは全く別に、カスタム製作のラインを持っており、このMK1クローンもそこで製作されたものです。なので、日本には出荷されていません。

多少これまでの記述とダブりがありますが念のため、このAMERICANOというMK1クローンを改めておさらいします。ブラックキャットは試作品として、TONE BENDERのMK1とMK2のクローンを数ケのみ、今年の頭に製作しました。MK1クローンに関しては当時「5ケしか作らなかった」旨アナウンスされていて、そのラスト1ケを当方が買いのがした(笑)ということは、前回に書いたのですが、その後今年の夏になって、「好評なようだから、もう10ケ作ることにした」とのこと。まあ、よくある話ですよね(笑)。ただし、夏以降に再生産されることになったこのAMERICANO MK1では、チョコっとだけラベル・デザインが以前のものとは異なっています(ロゴのあたり)。

名前に関しては「俺たちはアメリカ人だから、アメリカ製のパーツだけを使って、アメリカンなTONE BENDERを作った。だからAMERICANOなんだ」ということです。
勿論ブラックキャットはアメリカのエフェクト・ブランドですし、ごもっともな話ではあります。というか、TONE BENDERは元々イギリスで生まれたこともあって、大英帝国の専売特許だ、みたいな風潮もありますよね、確かに。その辺に一矢報いるためかどうかは定かではありませんが、気持ちはわかるような気もします。

でその中身ですが、まずこのスラントのついた、ゴールドハンマートーン・カラーの施された筐体はオリジナル・メイドではなく、pedalenclosures.com というところで販売されている既製品です。もちろんアメリカ製で、マーシャルGUV'NORなんかよりもちょっと大きいサイズ。かなり屈強な作りです。
さて回路です。以前も書きましたが、まず人目を引くのが青いキャパシタ。これはSOZOというアメリカのアンプ・パーツ製造ブランドが発売してる最高級品で、ブラックキャットの公式HPでもそのことが触れられているんですが、「コレ1ケ7ドルもするんだぜ!」とのこと。たしかにベラボウに高いですよね。アメリカ人にもそういうところにこだわる人はこだわる、ってことですね。

そしてトランジスタ。勿論アメリカ製ですが、テキサス・インストゥルメンツ製の2N404を3ケ使っています。余談になりますが、先日当方もアメリカ製の2N404を100ケ程まとめ買いしてみたんですよ(思い切り安かったので)。で、暇に任せて片っ端から100ケ全部の歪み値(hfe)を計測してみたんですが、バラつきが激しすぎます(笑)。モノによっては数十、またモノによっては数百(500、なんてものもザラにあります)という値で、ファズ製作にドンピシャでフィットするようなものを選ぶのは(今では)かなり大変かもしれませんね。


他のMK1クローンとの違い、というべきかどうか悩むところですが、ATTACKのコントロールが、他の(通常の)MK1クローンと比べてもなだらかです。通常9時以降は歪みっぱなし、と当方もよく書いておりますが、このAMERICANO MK1は12時くらいまではコントローラブルなカンジです。恐らく、ポットのカーブではなくて、初段のトランジスタの歪み値の関係かな、と思われます。

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