5.06.2011

JMI - Tone Bender MK1.5 Reissue


 ただ今、5月末に発刊される「THE EFFECTOR BOOK」最新号の作業でヒーヒー言ってる最中ですが(たしか、去年のGWにもまったく同じことを書いた記憶があります。笑)、そちらの最新情報は次回のポスティングあたりでチラっとご紹介できると思います。
 さて、その作業の合間を縫っての今回のエントリーですが、またしてもJMI製品です。こちらは新製品というわけではなく、2年程前には発売されていたブツですが、当ブログで紹介するのは初めてになりますね。そういうワケで、JMIのTONE BENDER MK1.5です。

 まず、JMIのキャッチコピーとして以下の文章があります。「この“無印”のTONE BENDERは、2ケのトランジスターを用いた回路で構成された、レアなTONE BENDERのレプリカ」とあります。そして「AS USED BY THE BEATLES」、つまり、ビートルズが使用したことで知られる、ということです。TONE BENDER MK1.5とビートルズの関係に関してはこちらのポスティングを参照いただければと思いますが、JMIとしてもこのTONE BENDERこそが「ビートルズが使用したTONE BENDERですぜ」と明らかにしていることになります。

 そして、以下もJMIによるMK1.5に関する解説です。「MK1.5は折りたたみ式メタル・ケースのTONE BENDER(註:もちろんこれはMK1のことを指します)とサンドキャスト・ケースのTONE BENDER(註:サンドキャストは砂型鋳造を意味し、ここではMK2のことを指します)の中間の時期に作られた過渡期のモデルです。MK1.5は2ケのOC75トランジスタを使用しており、これが<過渡期仕様>のサーキットの特徴です。このペダルは当時ビートルズがアビーロードのスタジオ・セッションで使用したことで知られます」。

 MK1.5のオリジナルとその経緯に関してはこれまで何度も書いてきましたが、この宇宙船のような独特の筐体で、MK1.5の回路をもったTONE BENDERは現在このJMIの復刻品と、現SOLA SOUNDがつい最近発売したばかりの金色のモデル、その2種類しかありません。過去にSOLA SOUNDがTONE BENDER MK2を復刻したときに、間違って中身をMK1.5にしちまった、ということがありましたが、それも既に過去の話で(詳細はこちらを参照願います)、現在はそういったモデルはありません。

 TONE BENDERシリーズの中では控えめな出力と歪み、ただしシリーズ中最もギターのボリュームに敏感に反応するサウンド(とはいえ、結局MK1.5回路はイコールFUZZ FACE回路なので当然ですけど)で親しまれるMK1.5ですが、もちろんJMIもその音は完全に再現できていると思います。

 復刻品で使用されているトランジスタは<無印>のブラックキャップOC75ですが、これは再生産品等ではなく、60年代のNOSパーツです。ただし、以前何度かしつこく書いた「英国MULLARDブランド」のものではありません。英国ムラード製のトランジスタはもう殆ど入手が不可能に近いブツですが、こちらの<無印>OC75は、たまーに売りに出てるのを確認することができます(それでもやっぱりベラボウに高いですけど)。
 写真にあるのは当方が所有してる<無印>OC75ですが、やはり歪み値は結構バラバラです(笑)。当方が持っていたOC75で、ファズ回路に使えそうなものは全部スペインに送ってMANLAY SOUNDの製品で使う事にしたので、ここに残ったブツは「使えるけど、あんまり音が期待できない」ものばかり、ということになります。悲しいですけど(笑)。

 さて、イギリスのJMIはこのMK1.5のリイシュー品(一応、全世界100ケ限定となっています)のプロモーション・ビデオを作って公開していますので、こちらでそのデモをご覧頂ければと思います。ビデオは2つありまして、ひとつはJMIのスタッフによるデモ演奏(彼はJMIのプロモーション担当のアダムさんという人で、テレキャス&JMIのAC30クローン、という組み合わせで演奏してます)。それからもうひとつは、でましたジョン・パーさん(笑)。このオジサンによるデモです。彼はハデハデなレスポールとJMIのAC30クローン(スタック仕様)でのデモ演奏になります。レスポール(=ハムPU)なのに、カリンカリンなサウンドをご確認いただけると思います。個人的な感想になりますが、実はレスポールとMK1.5ってかなり相性いいんですよね(FUZZ FACEだとなかなかこうはいかないことが多いんですが)。


 ジョン・パーはイギリス人なんですけど、80年代アメリカで大ヒットしたという経緯が関係してんのかどうか知りませんが、星条旗が大好きな方のようです。あのデヴィッド・フォスターがプロデュースした彼の大ヒット曲ST. ELMO'S FIREのプロモ・ビデオや、同じく大ヒットシングル「NAUGHTY NAUGHTY」のPVではこれと同じ星条旗柄のレスポール使ってるんですよね。なんでそんなネタに固執するかといいますと、死ぬ程このビデオをMTVで見てたなー、という筆者の15歳くらいの暗黒期を思い出してしまったからです(笑)。
 

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