これまでも「TONE BENDERが登場するまで」のような文を書いてきましたが、ここからはTONE BENDER登場以降、という流れで進めようと思います。元々このブログを始めたのはTONE BENDERには山のように種類があるんですよ、こんなモンが出てたんですよ、で、今いろんな復刻がされてますよね、という話をウジャウジャと書いていこう、と思って始めたわけですが、初心に戻るのも重要かな、と思って、下記の表を作ってみました。
これはオリジナルTONE BENDERのモデル毎の発売順と仕様をサラっとだけまとめたものですが、目で見てパッとわかる、ということは重要なことだな、なんて思って組んでみました。
で、先にご理解いただきたいのは、実はこの表は完璧に完成されたモノではありません。しかし、先日もご紹介したファズ・マニアのKIT RAE氏の協力と情報提供を得て作ったモノでして、氏は時代がなかなか確定できないモデルに関しても可能な限り(ポットデートらを検証して)デイティング(年代の確定)を行っているという強烈なマニアの方です。なので、かなり高い確証性がある、と当方も判断しています。
Year / Mfg | Brand - Model | Circuit | |
001 | 1965 Gary Hurst | GARY HURST - TONE BENDER Prototype ●ゲイリー・ハーストによるハンドメイド●木製ケース入りの試作品 ●65年夏に10ケ製造 ●回路はマエストロFUZZ TONEを元にした3トランジスタ構成 ●トランジスタはムラード製OC75+TI社製2G381×2 ●ON/OFF用トグルスイッチ付 | MK1 |
002 | 1965 Gary Hurst | GARY HURST / SOLA SOUND - TONE BENDER (MK1) ●ゲイリー・ハーストによるハンドメイド ●英国初のFUZZ製品 ●折曲げ式鉄製筐体(ゴールドハマートーン塗装)●65年夏製造、発売 ●マエストロFUZZ TONEを元にした3TR回路 ●トランジスタはムラードOC75+TI製2G381×2 | MK1 |
003 | 1965 JHS | JHS - ZONK MACHINE ●TONE BENER MK1のコピー製品 ●製造・販売はJHS(JOHN HORNBY SKEWES)社 ●65年発売 ●トランジスタはムラード製OC75×3 ●ブルー・ハンマートーン塗装 ●SWELLツマミはON/OFF機能付のスタック・ポットを採用 | MK1 |
004 | 1966 Sola Sound | SOLA SOUND - TONE BENDER (MK1.5) ●TONE BENER最初のフルモデルチェンジ製品 ●ゲイリー・ハースト・デザイン(諸説あり) ●製造・販売はSOLA SOUND社 ●66年初春から約2ヶ月間のみ発売 ●FUZZ FACEの元となった回路を搭載 ●トランジスタはOC75×2 | MK1.5 |
005 | 1966 Sola Sound | SOLA SOUND -TONE BENDER PROFESSIONAL MK2 ●2度目のフルモデルチェンジ製品 ●製造・販売はSOLA SOUND社 ●ゲイリー・ハースト・デザイン ●66年秋〜68年中旬まで発売 ●MK1.5の回路に増幅段を追加した回路 ●トランジスタはOC75×3 ●一部の同製品ではOC81Dを3ケ使用 | MK2 |
006 | 1966 Sola Sound | VOX - TONE BENDER PROFESSIONAL MK2 ●JMI/VOXブランドのためのOEM製品 ●製造はSOLA SOUND ●ゲイリー・ハースト・デザイン ●PROFESSIONAL MK2と同じ回路 ●66年秋〜数ヶ月のみ発売 ●トランジスタはOC75×3 ●一部の同製品ではOC81Dを3ケ使用 | MK2 |
007 | 1966 Sola Sound | RANGEMASTER FUZZBUG ●SOLA SOUND社の製造品 ●OEM製品だが発売ブランドは不明 ●66年〜67年にかけて発売 ●初期製造品は青い筐体でMK1.5回路 ●途中から3トランジスタのMK2回路に変更 ●途中からシルバーの筐体に変更 ●近年発見されたモデル | MK1.5 MK2 |
008 | 1966 EME (Italy) | VOX - TONE BENDER (V828) ●EME(英JMI/米トーマスオルガン/伊EKOの合弁企業。後のJEN)によるTONE BENDER ●66年秋〜70年代末にかけて発売 ●MK1.5回路(一部定数を変更)●68年から黒の筐体に変更 ●70年代後半からシリコンTRに(回路も変更) | MK1.5 |
009 | 1967 Sola Sound | MARSHALL - SUPA FUZZ ●MARSHALL社のためのOEM製品 ●67年〜69年頃まで発売 ●ゲイリー・ハースト・デザイン ●SOLA SOUND社製造品 ●PROFESSIONAL MK2と同じ回路 ●トランジスタはOC75×3 ●一部の同製品ではOC81Dを3ケ使用 | MK2 |
010 | 1968 Sola Sound | SOLA SOUND - TONE BENDER (MK3) ●3度目のフルモデルチェンジ製品 ●製造・販売はSOLA SOUND社 ●68年発売 ●プリント基板 ●BURNS BUZZAROUNDに似た回路 ●トランジスタはOC71×3(他の種類もあり)●70年代中期に回路変更、トランジスタもシリコンに | MK3 |
011 | 1968 Sola Sound | VOX - TONE BENDER MK3 ●JMI/VOXのためのOEM品 ●SOLA SOUND社製造 ●68年発売 ●トランジスタはOC71×3 ●70年代中期に回路が変更され、トランジスタもシリコンに変更 ●トレブルブースト回路を付け加えたMK3 with TREBLE BOOSTもあり | MK3 |
012 | 1969 Sola Sound | SOLA SOUND - TONE BENDER MK4 ●MK4とラベリングされているが、中身は上記2つ(MK3)と同じ ●製造はSOLA SOUND社 ●69年発売 ●プリント基板を採用 ●同様のデザインで、他に銀色、黄色のものもあり ●SOLA SOUND名義で出た最後のTONE BENDER | MK3 |
013 | 1974 Sola Sound | COLORSOUND - JUMBO TONE BENDER ●「COLORSOUND」ブランド製品 ●製造はSOLA SOUND社 ●74年発売 ●3ケのBC184Cシリコン・トランジスタを用いた回路 ●ワイドケースの新シリーズ | Silicon 3TR |
014 | 1974 Sola Sound | COLORSOUND - SUPA TONE BENDER ●幅広の筐体に入った「COLORSOUND」ブランド製品 ●製造はSOLA SOUND社 ●74年発売 ●4ケのBC184Cシリコン・トランジスタを用いた回路 ●BIG MUFF回路に似たサーキット ●ワイドケースの新シリーズ | Silicon 4TR |
015 | 1993(?) Vox (USA) | VOX - TONE BENDER (V829) ●90年代頭にKORG/VOXで製造・発売されたTONE BENDER ●米国製 ●93年頃発売 ●回路はMK1.5を踏襲したもの ●トランジスタはゲルマニウムSK3004x2 ●電池駆動のみ | MK1.5 |
これでTONE BENDERのモデル/時代/回路/ルックスが一目瞭然だゼ!というノリで作った表ではありますが(笑)、もちろん冒頭で書いたように、完璧ではありません。あくまで目安としてお考えいただければ幸いです。
オリジナル、という観点で以上のモデルを選んでいますが、ここではあえて載せていないモデルもいくつかあります。例えばPARK、CARLSBRO、ROTOSOUND、CSLといった他社ブランドのOEM製品がそれに当たります。理由は、といえば「外観が違うだけだから」というワケなんですが、同様の理由で「色違いモデル」なんかも上記リストからは除外しています。また「復刻版」と捉えられるモノもここからは除外しています(たとえばCOLORSOUNDから90年代にでたTONE BENDER等)。
個々の製品の特徴等はこれまで殆ど書いてきましたので、そっちに飛んでもらえれば(リンクが張ってあります)と思いますが、今まで書いてなかったモデルに関しては、今後順番に触れていこうと思います。特に、これまで当方も逃げるように(笑)なかなか詳細に触れることのできなかったMK3〜MK4以降のCOLORSOUND製品に関しても、今後ポチポチと触れていこうかなと思います。
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