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3.14.2015

Menatone “PIG” On Sale Now


 はい、すっかりウチのブログではお馴染みとなりました、MENATONE製のカスタム・ペダル、PIGのお話です。またいくつか入荷しましたので、売りに出します。エフェクターの中身に関しては当ブログの過去のポスティング(こちらとかこちらとかこちら等)を参照いただければと思います。

 簡単に言えばマーシャルMAJORアンプをシミュレートしたオーバードライブ・ペダルだと思っていただいて構いません。がしかし、過去にこのようなペダルは一切ありませんでした。更に更に、過去他のペダルを使ってこのような音を出すペダルは一切ありませんでした(笑)。そりゃそうだ。だって誰もこういう音の正体がわかっていなかったから。

 とはいえ、このペダルがこの世に登場して既に2年以上経ちましたので、今ではもしかしたらこういう音をどこか外で聴くことがあるかもしれません。当方のブログの過去の文献がお役に立てば光栄ですが、もし興味を持たれたギタリストの方がいらっしゃれば、お分けしたいと思います。写真のとおり、全部で7ケほど入荷しました。下記に詳細を書きますが、赤・白・黒のカスタムカラー(笑)は販売しません。通常の金色バージョンが4ケほど在庫がありますので、いつものように当ブログを通じて直販します。直販価格は45000円(送料/税込)となります。もしご希望の方がいらっしゃれば、こちらまで直接メールにてお問い合わせいただければと思います(ただし勝手ながら匿名でのメール/ご質問には基本的にお答えしていません。お名前の記載をよろしくお願いします)。

 たしか以前も似たようなことを書きましたが、今回は状況はより深刻です。なんの話かと言えば最近の急激な円安傾向(笑)。なんといっても前回入荷したときは1ドル100円前後でした。なんと今は1ドル120円もします。泣きたくなります。ですが、おそらくこのMENATONE PIGを販売するのはこれで最後かと思いますので、最後まで価格は変えずに販売します。

 さて、このMENATONE PIGというペダルに関するデモ動画は、当ブログで過去にペタペタと貼付けたもの以外にもいろいろYOUTUBEにてアップされるようになりました。どんな音がするかは各位検索等で調べていただければ幸いですが、今回どうしてもアップしたい動画を1ケ貼付けます。いやあ、素晴らしいですね!

 何が素晴らしいって、もちろん人間ギタースタンドが、です(笑)。表情豊かなギタースタンドはともかく、当ブログの熱心な読者であれば既にお分かりかと思いますが、元・毛皮のマリーズ、現・THE STARBEMSのギタリストである越川和磨氏は現在このMENATONE PIGを使用しています。動画後半で越川氏が自身のペダルボードの一部を紹介していますが、登場していますね、MENATONE PIGが!
 以前ゲイリー・ハースト(TONE BENDERの生みの親)にインタビューした際に「世界に愛されているボウイのサウンド、そのサウンドに貢献したという事実、それはとても光栄なことだ」と言ってましたが、当方にもその数パーセントほどは気持ちが分かりました(笑)。

 ちなみにこの動画、続編(Part.2)もあります。この後半の方が当方的にはもうビンビンきますね。「(ロックは)カブかんといかんのですよ」という究極のお話が聞けます。はい、足下にある小さなペダル・ボックスが金色か赤色かなんてのは客席から見ても一切関係ない話ですよね。ですが、ギタリストがドリャアっ!とカブくその瞬間のモチベーション、その為にはやっぱり必要な小箱だ、と当方は考えています。いいですね、「カブく」って言葉。大好きです。この動画見たあと、色んなところで当方も使うようになりました(笑)。
 そういうワケで先日発売になったTHE STARBEMSのニュー・アルバム『VANISHING CITY』を掲載しておきます。そう、MENATONE PIGは別にミック・ロンソン好きのクラシックなブリティッシュ・ロック・ファンにだけ存在するわけではありません。ちょいスラッシュ入ったSTARBEMSのようなラウド・ロック(しかもギター3本!)バンドでもちゃんと生き生きと効果を発揮します。興味もたれた方は是非お求めください。

 最後に余談を。以前から「もうPIGは作らねえよ」と何度もMENATONEのブライアン・メナ氏から念を押されていたのですが、何度か継続的に製造しているようです。当方の元へこの新しいPIGが入荷した際には、手書きシリアルが60番近くまでいってました。ということは60ケ近くはもう作ったということですよね。今後も機会があればブライアン・メナが作ってくれるんだろうとは想像しますが、当ブログでの販売は今回が最後です。理由は簡単です。円安です(笑)。もし当ブログでの販売終了後に欲しくなったという方がいらっしゃれば、是非以降はMENATONEに直接コンタクトをとっていただくようお願いします。
 そして赤・黒・白のカスタム・カラー。これは当方がブライアン・メナに無理を言ってやってもらったモノなんです。というか先方から「何だったら色かえようか?」と言われたので、んじゃあ赤黒白でよろしくう、と言っただけなのですが。白は既にお譲りする方も決まってしまい、赤と黒は当方が自分で使うつもりですので、申し訳ありませんが販売できませんことをご了承願います。
 

4.26.2013

Menatone -Pig- On Sale Now

 
【お知らせ】 以下のポスティングは4月26日(金)深夜にアップしたものですが、翌27日(土)の夕方には今回入荷した分すべてが売り切れとなりました。スイマセン、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。



 いやー、遂に入荷しました。待たされましたねえ。でも、その理由(後述します)をチラっと本人から聞いて「ん、じゃあしょうがないよね、大丈夫」と返事をしてはみたものの、またしても今回のオーダーも4ヶ月近くかかったことになっちゃいました。

 というワケで、今回はMENATONEPIGというカスタム・オーダー・ペダルの販売告知です。このペダルに関して、以前もこちらこちらでその詳細を書いたのですが、内容のダブリを覚悟の上で、今回は改めてこのペダルをご紹介したいと思います。

 ダンブル、マーシャル、VOX等のアンプ・シミュレート・ペダル、さらには「RED SNAPPER」「BLUE COLLAR」といった歪み系/ブースト系のペダルで既に世界的な人気を誇る、アメリカのエフェクター・ブランドMENATONEは、ブライアン・メナというビルダーが運営しています。日本でもモリダイラ楽器さんを通じて広く流通しているブランドなので、ご承知の方は多いかと思われます。

 そのMENATONEブランドは、たまーに(正確に言えば、ブライアン・メナの気分が向いた時だけ。笑)カスタム・オーダーを受け付け、本人と直でコンタクトを取ったお客さんに直で販売する、という形をとるのですが、今回ご紹介するTHE PIGはそのカスタム・ラインナップの1製品、ということになります。

 このPIGは、1967年のほんの一時期(一説には、数週間の間だけともいわれています)に製造されたマーシャルの200Wアンプ「MAJOR」の極初期製造モデルをシミュレートしたペダル、となります。既に何度もこのブログでは書いてきましたが、67年製造のマーシャルMAJORは「2インプット」「3アクティブ・ボリューム」「パートリッジ・トランス」といった、他のマーシャルでは見られない独特の回路構成を持ったギター・アンプです。
 初期型マーシャルMAJORの有名なユーザーとしては、やはりその筆頭にミック・ロンソンが挙げられます。というか、他に使ってる人はほぼ知られていません(ピート・タウンゼンドも一応使ってはいましたけど)。ミック・ロンソンとマーシャルMAJORに関しては、過去のこちらこちらのポストを参照してただければ幸いです。
 というワケで、70年代のグラム・ロック期のデヴィッド・ボウイのサウンド、ミック・ロンソンのギター・サウンドのファンにとってはヨダレたらしまくりのアンプなのですが、前述したとおり、ほぼこのアンプの現物は入手が不可能です。

  で、ある時オーストラリアに在住する熱心なグラム・ロック/ミック・ロンソン・フリークのJJさんという方が、MENATONEのブライアン・メナ氏に相談を持ちかけました。「ロンソンの音が出る、マーシャルMAJORのシミュレート・ペダルを作れないか?」と。その後回路の研究や試行錯誤があったそうですが、そうやって2012年に完成したのが、今回ご紹介するMENATONEのPIGというペダルです。

 このペダルは前述した通り、カスタム・オーダー品なので一般販売されていません。また、MENATONEが本業(通常製品の製造)で大忙しとなってしまったため、既に廃盤/もう作んねえよ、というお言葉も、ブライアン・メナ氏からいただいております(笑)。
 といったような話を聞いて、東京に在住するボウイ・オタク/ロンソン・オタクの当方は、黙っていられませんでした(笑)。「ちょ、まってよ。最後に何個かオレのために作ってよお」と無理をいって追加製造されたのが、今回入荷したMENATONEのPIG、ということになります。ええ、またしても当方のワガママ炸裂、ペダル・ビルダーに無理強いしてみた、ということになりますね。

 簡単にその特徴をおさらいしておきます。基本的にはマーシャル・プレキシ・アンプの歪みをシミュレートしたオーバードライブ・ペダルです。が、面白いことにこのペダルはオリジナルのマーシャルMAJORの回路をそのまま忠実に踏襲して設計されています。
 インプットされたギターの信号はフィルターで高域/低域の2バンドに振り分けられ、それぞれをアクティヴで増幅(それぞれのツマミは、左に振り切ると音がでません。その意味で、通常のパッシブ・イコライジングとは効用が異なります)、その2バンドの音をミックスした後にVOL(POWER GAINとかかれたツマミ)でゲインを調整する、という回路になっており、これは67年のマーシャルMAJORと同じ構成です。

 MENATONE「PIG」は、もちろんペダル・エフェクターですので、最後にさらに出力調整のためのマスターVOLが付け加えられています。ちょっと誤解を承知の上で乱暴に言い切ってしまえば「4VOL」をもったペダル、とも言えるかもしれません。

 以前も掲載しましたが、サンプルとして4つの動画を並べます。一番上がミック・ロンソンがマーシャルMAJORを用いて演奏した、1970年のデヴィッド・ボウイの音源。次が、67年型マーシャルMAJORを使用したジェイソン・クイック氏によるデモ動画。そして、今回ご紹介するMENATONE PIGのデモ動画。最後の動画は、このPIGというペダルが作られるきっかけとなった、JJ氏本人によるMENATONE PIGのデモ動画(註;こちらの動画は埋め込み不可なので、YOUTUBEでご覧ください)、です。

 いや、別に「ミック・ロンソンのファンだけのために」作ったり売ったりするわけではないんです。もしこれらの音(動画でもいいし、レコードでもいいですし)を聞いて「オ、カッチョエエじゃん」と思った方がいらっしゃれば、是非お試しいただけたらな、と思って販売するわけです。

 ひとつマニアックなネタを書きますが、ミック・ロンソンのギターの音に関して、当方個人にとっては30年来の「謎」があったんです。それは71年発表の『HUNKY DORY』というアルバムに収録された「SONG FOR BOB DYLAN」という曲のギター・サウンドです。 チョロっと聞いただけでは、ただのマーシャル系の歪んだリード・サウンド。ですが、何をどう使ってもこんな音には絶対になりませんでした。ビミョーにフェイズがかかってるカンジで、十分に歪んでいるのにエッジはシャキっと立ってて、でもメロウで、んー、一体どうなってんだコリャ?という謎でした。
 当方同様にボウイ・ファンでもあるスペインのROMAN GIL(MANLAY SOUND)とも何度もこの話題を議論しましたが「謎」だったんですよね。

 で、MENATONEがPIGというペダルを出した際に、ブライアン・メナが「中域がペッコリとヘコンだフェイズ・アウト・サウンド」という一文を当方にメールしてくれたときに、アッ!なるほど!と大発見したわけです(「中域ペッコリ」に関してはこちらを参照願います)。もう何と言っても、間違いなくミック・ロンソンのサウンドのキモはマーシャルMAJORの独特の回路にこそある、と発見できた瞬間でした。

 とまあそんなヨタ話はともかく、写真のとおり、全部で8ケほど入荷しました。既に数人の方からお問い合わせをいただいており、半分ほどは売却先が決定していますが、4ケほど在庫がありますので、いつものように当ブログを通じて直販します。直販価格は45000円(送料/税込)となります。もしご希望の方がいらっしゃれば、こちらまで直接メールにてお問い合わせいただければと思います(ただし勝手ながら匿名でのメール/ご質問には基本的にお答えしていません。お名前の記載をよろしくお願いします)。

 今回の物件に関して、もっとも悩ましかったこととしては、最近の急激な円安傾向です。たまたまブライアン・メナ氏の近しい方にご不幸があったとのことで、今回のオーダーと入荷が大幅に時間がかかってしまったことは、当方としては全然無問題なんですが、いざお金を支払う段階になってこの超円安(笑)。数ヶ月前だったらもうちょっと安い価格にも出来たハズなんですが、お許し下さい。

 そんなワケで、前回のポスティングでお知らせさせていただいたMANLAY SOUNDの新製品「FUZZ(MK3 CLONE)」と共に、MENATONE PIGもよろしくお願いします。
 

11.06.2012

Manner of Mick Ronson (with Menatone "The Pig" Pt. 2)

 
 またブランクが開いてしまいました。ちょっと私生活でゴタゴタがありまして、大変落ち込んでいたものですから(笑)スイマセン。まあ逆にそんな時こそカラ元気だしていこうぜ、というワケで更新します。えーと、ミック・ロンソン・サウンドのキモとも言える、MARSHALLの初期型MAJOR、通称THE PIG、そしてそのシミュレート・ペダルである、米MENATONEのTHE PIGのサウンド・デモのご紹介です。
まずはこちらを是非お聞き下さい。1970年、デヴィッド・ボウイのラジオ・ライヴのセッションで残された音源です。ギターはロンソンの1本のみ、もちろんレスポール・カスタムですね。で、アンプは例の初期型MAJOR、なんとワウもファズも挟んでないピュアな初期型MAJORの音が、しかギシギシと歪ませたMAJORの音が聴けます。

 よくチマタで言われる「ミック・ロンソンの中域モッコリなサウンド」は大方がソロ・ノートでファズをONにして、ワウを反踏みした時の音、を指していると思われますが、もちろんそんなのはソロの時だけ、ということはボウイ・ファンであればご承知のことと思われます。そうでない部分の音は、基本的にレスポール・カスタムとマーシャルMAJORだけでの音、ということになります。

 昔「ミック・ロンソンのギターには鉄板が仕込まれてる」なんていうテキトー極まりない(笑)噂が流れたことがありました(ホントなんですよ。笑)。もちろんそれは彼の“金属的な”エッジの利いたギター・サウンドとロング・サスティーンに由来したものですが、当然そんなウワサは大嘘です。
 そんなワケで、この動画をご堪能いただければ、カッティングであるとか、ピックスクラッチであるとか、あらゆる場所に「ああ、ロンソンのサウンドだあ!」とご納得いただける箇所が沢山ありますよね。やはりキモはMAJOR、しかも初期型、ということがこれでハッキリしたと思われます。

 さて、ではそのMARSHALL MAJOR初期型をシミュレートしたMENATONE THE PIGのデモ動画となります。まずはこちら。ご自身もSONIC VIというブランドでカスタムビルドのエフェクター・ブランドをお持ちの方が、ギターとTHE PIGだけでシンプルなデモ動画を作っています(途中、ワウ、それからTONE BENDER MK1クローンを試している箇所もあります)。

 うーん、素晴らしいペダルですね(笑)。ただ単純に俺の好みにドンズバだ、ということもあるのですが、今までかなり多くの「マーシャル・シミュレート」ペダルを試しましたが、当然のようにこの「MAJOR初期型」の音が出るものはひとつもありませんでした。遂にそれが世界に登場した、ということになりますね。
個人的に、やはりキモは例のパラレルでの2トーン・コントロールと、それをミックスしたときのフェイズ効果、というのに尽きるのだと思います(その詳細は、前回のポストをご覧下さい)
 そしてもうひとつ動画をご紹介、といいたいのですが、埋め込みができない設定になっているので、動画のワクの「YOUTUBEで見る」を是非クリックしてご覧下さい。実はこの動画の主こそが、MENATONEのブライアン・メナ氏に「ロンソンの音がでるペダル作ってよ」と最初にオーダーしたJ.J.氏ご本人のデモ動画となります。説明欄にあるコメントを、簡単に翻訳してみます。
 「67年製(初期型)のMARSHALL MAJORは、ほぼ入手不可能だ。数多くの素晴らしいアンプ・シミュレート・ペダルを作っているブライアン・メナとの出会いから生まれたこのペダルは、ブライアンがいくつものチャレンジを経て完成したMARSHALL MAJORのサウンドを再現するペダルだ。我々はいくつもの回路図や内部写真を参照し、ブライアンの知人が持っている現物とも照らし合わせて、そうして生まれたメダルでもある」

 そしてこの動画のコメント欄にもご注目。ロビン・メイヒューという人がコメントを寄せていますが、前にも書いたのでご記憶の方もいると思いますけど、1970年代のジギー・スターダスト時代のバンド・エンジニアをやっていた人です。彼が「完璧なロンソン・サウンド」とコメントを寄せていますね。「サウンドチェックをやってた時代にタイムスリップしたよ」なんていうコメントも寄せてて、ちょっと泣かせてくれます。

 最後のほうではJ.J.氏本人が喋ってますが、うわー、この人ロンソン・マニアだけでなく、マーク・ボラン・ファンなんですね。こんだけVAMPOWERのアンプ持ってる人って、おそらく世界で彼だけでしょうね。スゲー。
 それから余談ですが、J.J.氏もホンモノの初期型MAJORを持ってるワケではないので、YOUTUBEにあるジェイソン・クイック氏の動画の音を参照した、と明かしています。これはブライアン・メナ氏からも同様のことを当方も聴いています。やっぱり、あの動画の音、素晴らしいですもんね。

 さて、では同じ60年代のマーシャル・プレキシ系なのに、なにがそんなに初期型MAJORは違うのか、のサンプルとしてもうひとつ動画を載せます。同じMENATONEブランドでは、プレキシ・マーシャルのシミュレート・ペダルでWORKINGMAN'S BLUEというペダルがあります。これ、当方もなかなか好きなペダルではあるのですが、ロンソンのようなギャリンギャリンというエッジの利いた歪みとはやはり異なります。むしろ純粋にクリームとか60年代クラプトンのサウンドを出したい、もしくはコンボのJTM45のサウンドを狙いたい、というのならこちらのほうが絶対にいい、とは思います。が、とにかくロンソンのサウンドとは別物、ですよね。

 MENATONEのブライアン・メナ氏がいうところの、ミックスしたときの独特のフェイズ・キャンセリング効果によって、ペコっとへこむ中域が存在することが、逆にそのスイープに含まれない中低域+中高域をグワっと持ち上げることで、例のギャリンギャリンなサウンドが生まれるのではないか、と思っているのですが、いかがでしょうか。
 ちなみに、以前もチラリと書きましたけど、ホントに多くの紆余曲折もありまして、当方は今年になって念願の初期型MAJORを入手しました。以前持っていた後期型MAJORを処分し(今は若きジョン・フルシャンテ・ファンのギタリストが愛用されているハズです)、ちょくちょく音出してひとりでニヤニヤしてるわけですけど(笑)、さすがに都内の狭い賃貸住宅、とてもロンソン同様に歪ませるワケにはいきません。はやくアッテネーター作ってもらわなきゃ(笑)。
 

10.24.2012

Manner of Mick Ronson (with Menatone "The Pig" Pt.1)


 前回のポスティングで告知したJMI TONE BENDER MK1 ミック・ロンソン・モデルのアウトレット品ですが、多数のお問い合わせ有難うございます。一応まだ残ってます。もしご興味のある方は、お早めにご連絡いただければと思います。(追記:全て売り切れました。お買い上げ下さった皆様、有難うございました)さてさて、そんな話に関連して今回はまたしてもミック・ロンソン関連のヨタ話です。
 上に掲載した写真の左側のもの、これは1970年にロンソンが初めてデヴィッド・ボウイとバンドを組んでライヴをやらかしたとき(バンド名はハイプという名でした)のものです。スーパーマンみたいなヘンテコな衣装を着たベーシストはトニー・ヴィスコンティ。そしてこの写真では殆ど切れてますが、ボウイの後ろにチラっとだけ黒いレスポール・カスタムが見えますけど、そのギタリストこそがミック・ロンソンでした。

 このハイプのライヴは1970年2月5日に行なわれています。実はこれまで音楽雑誌、もしくは当ブログ等で当方は「ミック・ロンソンがギターの塗装を剥いだのは1969年のどこかで」と書いてきましたけれど、上述のハイプのライヴ(ほんの10数秒だけ、動画が残されています)が証拠となって、「塗装を剥いだのは1970年の頭」ということが確実視されます。もし、その事実を気に留めていらっしゃった方がいれば、本稿にてお詫びとともに訂正させていただきたいと思います。

 完全な余談になりますが「ミック・ロンソンが一体いつギターの塗装を剥いだのか」ということと「ボウイがいつ眉毛を剃り落としたか」は、当方個人にとって長年の疑問でして(笑)、ボウイの眉毛に関しては「1972年の11/26〜12/3のどこか」ということがわかってはいるのですが(笑)。まあ完全にどうでもいいことですね。

 ところで今回の本題は、マーシャル・アンプのシミュレート・ペダルの新作をひとつご紹介することです。もちろんロンソンと関係があるブツだからです。
アメリカのカスタム・ペダル・ブランドとして既に有名なMENATONEというブランドは、日本でもモリダイラ楽器を通じて流通されてる有名なブランドですが、その製品ラインナップ群とは別に、ビルダーのブライアン・メナ氏がカスタムメイドで手がけるカスタム・シリーズがあります。その限定生産のカスタム・シリーズにて、なんとマーシャルMAJORの2インプット・モデル、つまりミック・ロンソンが使用した極初期のMAJORアンプの音を再現した、というフレコミのペダルが発売されました。名前はマンマTHE PIGといいます。

 当方もボウイ・ヲタク/ロンソン・ヲタクですから(笑)、早速入手しました。その音は後述するとして、到着する前にブライアン・メナ氏といくつかこのペダルに関してやりとりをしたので、それを元にこのペダルを紹介してみたいと思います。

実はこのペダルの開発のきっかけは、JJというニックネームで有名なミック・ロンソン研究家のひとりがMENATONEに「ロンソンのMARSHALL MAJORの音をペダルにできないか」という相談をしたことからスタートしています。

 以前から何度か書いていますが、ロンソンが使用したマーシャルMAJORは、通称「THE PIG」という、激レアな1967年製の初期型のモノです。2インプットで1チャンネル、アクティヴEQ回路、というものです。そのサウンドは、同じMAJORの後期型(4インプット2チャンネル、パッシブEQ)とは違います。ロンソンのギター・サウンドの核といってもいいそのアンプの音を再現せんと、今回のペダルは企画・制作されています。

 MENATONEのブライアン・メナは、幸運にも「初期型のマーシャルMAJORを持っている」という知人がいて、その回路を研究して今回のペダルを制作したとのことです。メナ氏いわく「実は俺は、4インプットの後期型MAJORの音を聞いたことがないから、そっちとの比較ができない」と言ってました(笑)。また「ミック・ロンソンの音を再現するために研究したけど、ロンソンの所持したアンプにはいろんな噂があって、どれがホントなのか判らないママだ」とも言ってました。いろんなウワサとは、以前にも書いた「キャノン端子の増設」とか「4インプットへの改造」とか、他にもいろんなモディファイがされたことを指します。ロンソンのMAJORに関しては、以前のこちらを参照していただければと思います。

 しかし、ブライアン・メナ本人も明解に説明しています。「このペダルの核となる回路は、トーン・コントロールだ。TREBLEは、トレブル成分とハイ・ミッド成分を増幅する。BASSは低音成分とロー・ミッド成分を増幅する。その2つのトーン回路を経由した後に、ミックスされる」。フムフム。つまりオリジナルのマーシャルMAJOR初期型と同じ回路構成だ、というワケですね。

 そして、とても重要だ、と思われるコメントを聞くことが出来ました。「2つの信号がミックスされるときに、フェイズアウト(OUT OF PHASE/位相反転する部分があって、信号がキャンセルされる仕様)をおこす。TREBLE回路とBASS回路の信号でダブリがある帯域はキャンセルされることになる。その回路の為に、ギターの増幅信号の中域の一部が<ペコっとヘコむ>ことになり(原文でブライアンは、THIS PRODUCES A MID DIP AT THE OVERLAP POINT、と言っています)、そのために、重厚ながらも、とても珍しい特徴的な中域の歪みを生み出す回路となっている」と説明しています。

 何よりも気になるのは、実際の音、というワケですが、本稿が随分と長くなってしまったので(笑)音のサンプルに関しては次回の投稿に回します。その前に、MENATONE「THE PIG」の特徴を先に書いてしまおうと思います。

 写真でもお判りのように、コントロールは4ノブ。右からTREBLE、BASS、の2つのトーン・コントロール。この2つは前述したようにゲインを稼ぐ仕様になってるので、両方をゼロにすると音は出なくなります。次にPOWER GAINと書かれたゲイン回路があり、ここがアンプでいうところのMASTER VOLUMEになります。初期型MAJORはここでもゲインを稼ぐので、ここを上げるとギシギシと歪みだします。パワー・チューブでの歪みを再現した、と考えればいいでしょうか。そして最後のVOLUMEが、このエフェクターのアウトプット・ボリュームとなります。
 MENATONEブランドのエフェクターは、すべてカスタムメイドされたトランジスタを使用している、というウリ文句なので、いくつかのシリコン・トランジスタが見えますが、型番等は一切記載されていません。

 当方の手元にあるブツはシリアル7番なので、他にあと6人はこのペダルを持ってる人がいることになりますね。店頭で購入するのは無理ですが、MENATONEに直接オーダーすれば世界中の誰でも入手することが可能です。オーダーメイドなのでちょっと時間がかかることと、MENATONE製品の中でもかなり高額(送料を入れると400ドルくらい)なペダルではありますが、とても特殊な、しかし大変興味深いペダルであることは間違いありません。

 というわけで、次回は実際のミック・ロンソンの音、それから実際のマーシャルMAJOR初期型の音、そしてこのMENATONE THE PIGの音なんかを全部並べて比較検討してみようと思います。(この項つづく)